フランス、ドイツ、韓国…世界の政治が経済に与える影響とは?

政権が崩壊したフランスの政情不安をどう見るか、戒厳令で混乱する韓国、トランプの米国など世界各国でカオスの連鎖 【土田陽介のユーラシアモニター】急騰するフランスの長期金利、対ドイツ債スプレッドでギリシャ国際に劣後(1/4) | JBpress (ジェイビープレス)

 混とんとするフランスの政治情勢を受けて、金融市場でリスク回避の動きが広がっている。 ヨーロッパで最も信用力が高いドイツの10年国債流通利回りとフランスの10年国債流通利回りの格差((1/4)

最近、フランス、ドイツ、韓国、日本、アメリカで大きな政治の変化が起きています。
これらの変化は、それぞれの国の経済に影響を与え、世界全体にも広がっています。この記事では、各国の状況とその経済への影響について考えてみましょう。

フランスの政治の混乱

フランスでは、マクロン大統領が議会を解散して選挙を行いましたが、期待通りの結果にはなりませんでした。その結果、右派、中道、左派の三つの勢力が対立し、政治は非常に不安定です。このため、予算が決まらないことで最低限の支出しかできず、フランスの長期金利が上昇し、経済に不安が広がっています。

特に、観光業や自動車産業などが影響を受けており、投資の減少や消費の落ち込みが見られます。観光業では訪問者数の減少が続き、関連するサービス業にも影響が及んでいます。また、自動車産業では投資の遅れが生産に悪影響を及ぼし、業界全体の収益に打撃を与えています。

ドイツの政治状況

ドイツでは、ショルツ首相が率いる連立政権が経済政策の違いをめぐって崩壊しました。12月には信任投票が予定されており、場合によっては新たな選挙が行われる可能性もあります。

ドイツはEU最大の経済国であり、この不安定さはEU全体の経済に悪影響を与えています。特に、自動車産業や機械製造業などの主要な輸出産業に対する信頼が低下し、貿易関係が悪化する可能性があります。これにより、ヨーロッパ全体の経済成長が停滞するリスクが増大しています。

韓国の政治状況

韓国では、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が突然戒厳令を出し、一時的に軍が出動する事態となりました。この戒厳令は約6時間で解除されましたが、国内外で大きな不安を引き起こしました。
この混乱により、ウォンの価値が下がり、輸出に頼る韓国経済に悪影響を与えています。例えば、ウォン安が進んだことで、輸入コストが増加し、ガソリンや食料品の価格が上昇し、国民の生活に負担が増えています。

日本の政治状況

日本では、最近の衆議院議員選挙で与党である自民党と公明党が過半数を失いました。そのため、新しい連立政権を作る必要がありますが、野党の勢いも強まっています。
また、若い世代の政治への関心が低く、投票率が低かったことが課題です。この政治の変化は、日本の経済政策にも影響を与える可能性があり、今後どのような政策が実行されるか注目されています。

アメリカの政治状況

アメリカでは、2024年の大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ氏が再び大統領に選ばれました。これにより、共和党が上院の支配権を取り戻し、アメリカの政治に大きな変化が起きています。
トランプ氏の再選によって減税や規制緩和が進むことが予想され、特にエネルギー政策では石油やガス産業の規制が緩和され、これらの産業が活発化する可能性があります。また、テクノロジー産業に対しては規制の緩和が進むことで、企業の成長が促進されると考えられています。
一方で、こうした政策が格差の拡大や環境問題を悪化させるリスクもあり、それが世界経済に与える影響については注目が必要です。

各国の政治状況が世界経済に与える影響

フランス、ドイツ、韓国、日本、アメリカの政治的不安定さは、それぞれの国だけでなく、世界全体の経済にも影響を与える可能性があります。

  • フランス:
    政治の混乱により、EU全体の経済が不安定になり、投資家がリスクを避ける動きが広がる可能性があります。フランスの企業への投資減少が予想され、経済成長に悪影響を与えるリスクがあります。
  • ドイツ:
    連立政権の崩壊により、ヨーロッパ経済の成長が遅れる恐れがあります。特に、自動車産業など主要な輸出産業への影響が懸念されています。
  • 韓国:
    戒厳令の影響でウォンが下がり、輸出業の不振がアジア経済に悪影響を与えるリスクがあります。ウォン安による輸出減少や物価上昇が、国内経済に大きな負担を与えています。
  • 日本:
    新しい連立政権の政策次第で、日本経済の成長がどう進むかが決まります。公共投資の停滞や政策の不透明さが、経済成長に影響を与える可能性があります。
  • アメリカ:
    トランプ氏の再選により、減税や規制緩和が進むことで、世界の金融市場に影響を与える可能性があります。一方で、格差の拡大や財政赤字の増加といったリスクも懸念されています。
まとめ
  • 各国で政治的な混乱が続いており、それが経済に悪影響を与える
  • フランスやドイツの問題はEU全体の経済に、韓国や日本の問題はアジア経済に、それぞれ影響を与えている
  • アメリカの政治の変化は、世界経済にも大きな影響を与え、特に金融市場が注目されている

これらの政治的な変化は、私たちの生活にも影響を与えます。
例えば、物価の上昇や仕事の減少といった影響があります。日常生活では、スーパーでの食料品やガソリンの価格が上がったり、光熱費が高くなったりすることがあります。また、企業の経済状況が悪化することで、就職の機会が減ることも考えられます。
ニュースに関心を持ち、世界の出来事が自分たちの生活にどう関係しているかを考えることは、将来の自分を助ける知識となるかもしれません。

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