株主総会の議決権行使を増やせ!企業の新戦略と個人株主の役割
個人株主いらっしゃい、議決権行使へ企業が一計-ポイント付与や土産 - Bloomberg
企業が個人投資家の株主総会への参加や議決権行使を促そうと、ポイントの付与や土産物の配布など一計を案じている。持ち合い解消などで安定株主が減る中、議案の採決を巡り個人が今後キャスチングボートを握る可能性があるためだ。
「株主総会」と聞くと、大人だけの特別な会議だと思う人も多いでしょう。しかし最近では、個人投資家、つまりふつうの人たちが株主総会で大きな役割を果たしています。企業も個人株主の参加を増やすため、ポイントやお土産を用意するなど、さまざまな工夫をしています。
なぜ今、個人株主がこれほど注目されているのでしょうか?議決権行使や株主優待、そして最新の関連ニュースを交えながら考えてみましょう。
個人株主が増えている理由
会社の持ち主は誰?
会社は「株」を持っている人がオーナーです。株を持つと、その会社の経営に参加する権利がもらえます。これを「議決権」といいます。議決権を使って、会社の方針や社長を決める大事な会議が「株主総会」です。
個人株主が増えている現状
近年、日本では個人株主がどんどん増えています。2023年度には、個人株主の数が7445万人に達し、全株主の97.8%を占めました。これは10年連続で増加しています。会社側も、個人株主を大切にする動きを強めています。
企業が工夫する「議決権行使」促進策
ポイントやお土産で参加を後押し
企業は個人株主に株主総会へ参加してもらうため、ポイントやお土産を用意しています。議決権を使った株主に抽選でプリペイドカードや商品券をプレゼントしたり、会場でお菓子やグッズを配る会社もあります。こうした工夫で、株主総会への関心が高まっています。
インターネットでの参加も増加
最近は、インターネットを使って議決権を行使できる仕組みも広がっています。三菱UFJ信託銀行などでは、ネット経由で議決権を使った株主に電子ギフトを贈るサービスを始めています。これにより、遠くに住む人や忙しい人でも簡単に参加できるようになりました。
株主優待とお土産文化の変化
株主優待とは?
株主優待は、株を持っている人に会社から商品やサービスをプレゼントする制度です。議決権を行使した人だけに特別なポイントを付与する企業も増えています。このポイントは、ネット上で好きな商品と交換できる場合もあります。
お土産文化はどう変わった?
昔は多くの会社が株主総会でお土産を配っていました。しかし、最近はコスト削減や平等性の観点からお土産をやめる会社も増えています。それでも、個人株主の参加を増やすためにお土産を続ける会社もあり、2024年には配布企業が増加しました。
株主の議決権行使率と行使しない理由
2023年7月から2024年6月のデータによると、個人株主の議決権行使率は約39.3%です。つまり、約60.7%の個人株主は議決権を行使していません。手続きの面倒さや、自分の意見が反映されないと感じることが主な理由です。
なぜ個人株主に議決権行使を促すのか
企業が個人株主に議決権行使を促す理由はたくさんあります。安定株主の確保や経営の安定化、企業価値向上、ガバナンス強化、株主との信頼関係構築、透明性向上、個人株主の影響力拡大、そして投資文化の広がりなどが挙げられます。個人株主が積極的に議決権を行使することで、会社の経営がより多くの人の意見を反映しやすくなります。

個人株主が会社に与える影響
2025年の株主総会では、バーチャル(オンライン)開催が増え、約8割の大企業が採用しています。これにより、遠方の株主も参加しやすくなりました。また、株主優待ポイントのネット管理も進んでいます。
個人株主が増えることで、会社の経営に対する意見が多様化します。特に、個人株主は会社の提案に賛成する傾向が強いため、企業の提案が通りやすくなります。企業は個人株主を味方につけたいと考えています。
まとめ
- 個人株主の数は年々増加し、企業もその存在を重視
- 議決権行使を促すため、ポイントやお土産などの工夫が広がる
- インターネットやバーチャル総会の普及で、誰でも参加しやすい
- 株主優待やお土産文化は時代とともに変化
- 個人株主の意見が会社経営に影響を与える場面が増えている
金融や経済の仕組みは私たちの生活と深く関わっています。株主総会は会社の未来を決める大切な場です。将来、株を持つことがあれば、議決権を使って自分の意見を伝えてみてください。どんな会社を応援したいか、どんな社会を作りたいかを考えるきっかけにもなります。今後も身近なニュースや企業の動きを観察してみましょう。