2024年 日経平均過去最高値更新も…株式市場の信頼を揺るがしたインサイダー取引事件

「大きく上昇遂げた年に」 インサイダーでゲスト招かず―東証大納会:時事ドットコム

日本取引所グループ(JPX)傘下の東証は30日、年内最後の取引を締めくくる大納会を開いた。JPXの山道裕己最高経営責任者は、日経平均株価が最高値を更新した今年の株式市場に関し、「1年を通じ大きく上昇を遂げた年となった」と振り返った。ただ、今年は東証で元社員(懲戒解雇)のインサイダー取引への関与が発覚。大納会は恒例の特別ゲストを招かず開催した。

「インサイダー取引」という言葉を聞いたことがありますか?
これは株式市場での不正行為の一つで、公平な取引を妨げる大きな問題です。2024年には、東京証券取引所や金融庁に出向中の男性裁判官が関与したインサイダー取引が明るみに出ました。

大納会に影響を与えたインサイダー取引

2024年、日経平均株価が35年ぶりに最高値を更新し、大きな注目を集めました。
しかし、東京証券取引所が毎年行う「大納会」、今年12月30日はインサイダー取引問題が原因で特別ゲストを呼ばずに行われました。このような形での開催は、2020年の新型コロナウイルスの影響以来のことです。
また、毎年恒例のゲストによる鐘を鳴らすセレモニーも中止されました。東証の山道裕己CEOは「皆さまにご迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます」と謝罪しました。

インサイダー取引とは

インサイダー取引とは、会社の中だけで知られている特別な情報を使って、自分の利益のために株を売ったり買ったりする行為です。

具体的な例
例えば、A社が期間限定の人気スイーツを発売する計画を内部会議で決めたとします。この情報はまだ発表されていませんが、社員Bさんがその情報を利用してA社の株を購入しました。その後、スイーツの発売が公表されて株価が急上昇。Bさんは株を売却して大きな利益を得ましたが、この行為は法律違反となります。

このように、まだ公開されていない情報を利用することは不公平であり、市場全体の信頼を損ねる原因となります。そのため、法律で厳しく禁止されています。

2024年に発覚した主な事件

2024年にはいくつかの重大なインサイダー取引事件が発覚しました。

東京証券取引所職員による不正行為

  • 東京証券取引所の職員が業務中に得た未公開情報を利用し、株を売買
  • 東証は日本の株式市場の中心であり、信頼性が最も重要視される機関
  • この事件は市場全体の信頼を大きく揺るがした

金融庁に出向していた裁判官によるインサイダー取引

  • 金融庁に出向していた裁判官が、秘密の情報を使い、知り合いの名前で株を売買していた
  • 金融市場を公平で透明にする役割を持つ立場の人が行ったため、強く批判された

※「出向」とは、一時的に別の職場や役所で働くことです。たとえば、裁判官が普段は裁判所で仕事をしていますが、特別な理由で金融庁(お金の流れを管理する役所)に行って、しばらくその仕事を手伝うようなことを「出向」と言います。元の職場に戻ることを前提としているのが特徴です。

まとめ
  • インサイダー取引は、公平な取引を損ねる重大な不正行為
  • 2024年には、東京証券取引所や金融庁職員が関与する事件が発覚
  • 市場の信頼を守るために、厳格なルールと監視体制が必要
  • この問題を通じて、公平性と透明性の重要性が改めて認識された

このニュースを通じて、公平なルールを守る大切さを学びましょう。
例えば、自分が特別な情報を知った場合、それをどう使うべきか家族や友達と話し合ってみてください。また、日常生活でどんなルールを守るべきか考え、周りの人にルールを守る重要性を伝えることも、より良い社会を作る一歩になります。

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