誕生日の主役は気まずさとリアル感?SNS時代のZ世代トレンド
海底撈、ココス、くら寿司…。“映え”に疲れたZ世代が、大衆チェーン店に求めた新しい共感の形態 | ファッション・トレンド | 東洋経済オンライン
突然ですが、今、Z世代の若者たちは、友達の誕生日にどのようなお祝いをしているかご存じでしょうか?「インスタ映え世代だから、きっとオシャレな映えるお店でお祝いしているのではないか?」あるいは、「今の若…
「誕生日のお祝い」と聞いて、どんな場所や方法を思い浮かべますか?かつてはインスタ映えするおしゃれなレストランや、豪華なプレゼントが主流でした。しかし今、Z世代と呼ばれる若い世代の間では、こうした“映え文化”が少しずつ変わり始めています。
気まずさやシュールさを楽しむ新しい誕生日の過ごし方、SNSの使い方、そしてこれからの経済や社会にどんな影響を与えるのか――。Z世代の文化の特徴や、映え文化が廃れていく理由、今後の経済への影響まで考えてみましょう。
Z世代の誕生日は「気まずさ」と「リアル」が主役
大衆チェーン店でのサプライズが人気
これまでの若者は、特別感のあるレストランやカフェで誕生日を祝うことが一般的でした。しかし最近では、海底撈やココス、くら寿司といった大衆チェーン店で、あえて“気まずい”演出やちょっと変わったサプライズを楽しむ人が増えています。
たとえば、店員が大声で歌を歌ってくれるサービスや、光るケーキが回転レーンで届くなど、少し照れくさいけれど思い出に残る体験が人気を集めています。
サブ垢と“リアルな日常”の共有
SNSの使い方も変化しています。インスタグラムの「サブ垢」では、親しい友人にだけ共有する目的で、おもしろい失敗シーンや素の表情を投稿する人が増えています。
花畑で転びそうになる場面や、ジーンズが破けた瞬間など、完璧でないリアルな日常に共感が集まっています。こうした投稿は、みんなで笑い合えることで、より強い友情を生むのです。
映え文化が廃れる理由
SNS疲れと共感の価値
かつては「インスタ映え」が注目を集める手段でしたが、今ではSNSで完璧な自分を演出することに疲れを感じる若者が増えています。最近は、加工のない自然体や、そのときの気持ちを大事にする風潮が広がっています。友達と共感し合える出来事や、思わず笑える瞬間に価値を見出すようになってきました。
情報の深さや多様性を重視
Z世代は、単にきれいな写真を求めるのではなく、その背景にあるストーリーや意味に興味を持ちます。多様性や個性を大切にし、自分らしさや仲間とのつながりを重視する姿勢が見られます。

Z世代の文化が経済に与える影響
デジタル消費と体験重視
Z世代はスマホでの買い物や情報収集が当たり前。SNSやECサイトを活用したデジタル消費が進んでいます。企業には、パーソナライズされた広告や、共感を得られるストーリー設計が求められています。「モノ」より「コト」を重視する傾向が強まり、体験型サービスが注目されています。
サステナブルと社会貢献
環境や社会問題に敏感なZ世代は、サステナブルな製品や社会貢献型サービスを選ぶ傾向があります。企業も社会的責任を果たすことが評価される時代になっており、これが新たな市場を生み出しています。
投資と金融リテラシー
将来の不安から、Z世代は早くから貯蓄や投資に関心を持ち、フィンテックやアプリを使った資産運用にも前向きです。お金の知識があることで、自分の未来を自分でコントロールしようとする意識が高まっています。
関連ニュース紹介
2025年、ココスはスマホアプリと連動したバースデー演出をスタート。Z世代の好みに合わせた「少し気まずくて、でも笑える」演出が話題になっています。また、LINEギフトなどのデジタルプレゼントも人気で、SNSとつながる新たな誕生日文化が広がっています。
まとめ
- Z世代は「映え」より“リアル”や“気まずさ”を大切にする
- SNSの使い方が変化し、共感や多様性を重視
- デジタル消費や体験型サービスが経済を動かす
- サステナブルや社会貢献への関心が高まっている
- 貯蓄や投資に関心を持ち、金融リテラシーも向上中
これからの時代、「自分らしさ」や「身近な日常」をどう楽しむかが大切になってきます。あなたは、どんな体験を大切にしたいと思いますか?気まずくても笑える思い出や、友達との本音でつながる時間が、未来の社会や経済を動かす力になるかもしれません。あなたの“特別”をつくるヒントを、ぜひ探してみてください。