ファミマが中古品回収拠点に?伊藤忠とブックオフがねらうリユース市場4兆円時代

ブックオフグループホールディングス株式会社のプレスリリース(2026年2月18日 15時30分)【生活者の身近な場所でリユースが可能に】伊藤忠商事とブックオフが資本業務提携契約を締結

身近なコンビニが、将来「中古品を集める場所」になるかもしれません。
伊藤忠商事は2026年2月18日、ブックオフグループホールディングスと資本・業務提携契約を締結したと発表しました。提携の検討事項として、ファミリーマートの店舗網を中古品の回収拠点として活用し、仕入れ(集荷)を強化することが明記されています。

一方、リユース市場は数兆円規模に広がっているとされ、今後も拡大の見通しが示されています。では、企業はなぜ「回収する場所」を重視するのでしょうか。コンビニと中古ショップの連携は、私たちの「モノの手放し方」や、企業のビジネスの組み立て方をどのように変えうるのか。ニュースを手がかりに整理します。

Q. 日本のリユース市場(中古品の売買などを含む市場)の規模は、2024年時点でどのくらいと推計されているでしょうか。最も近いものを選んでください。

A. 約1.1兆円
B. 約2.2兆円
C. 約3.3兆円

→正解は「C. 約3.3兆円」です。

国内のリユース市場は、2024年時点で約3.3兆円規模と推計されています。2009年以降、拡大が続いているという報道もあります。
市場が大きくなるほど、「何を売るか」だけでなく「どう集めるか」が競争のポイントになります。

伊藤忠とブックオフの資本業務提携

伊藤忠商事は2026年2月18日、ブックオフグループホールディングスとの資本・業務提携を発表しました。発表では、既存株主である出版社3社(小学館・集英社・講談社)から、伊藤忠がブックオフ株を取得し、議決権比率で5.01%を保有する計画が示されています。株式数は879,000株と説明されています。

また、業務面の連携として、伊藤忠が持つ国内外の事業基盤や店舗網と、ブックオフのリユース事業の運営ノウハウを組み合わせる方針が示されています。連携分野には、サービス事業の拡大や海外事業の推進、新規事業の検討などが挙げられています。

※資本業務提携
企業同士が出資(資本提携)と事業面での協力(業務提携)を同時に行うことで、長期的な関係をつくる取り決めです。
▶会社同士で「お金を出す約束(主に株式を買う)」と「一緒に仕事をする約束」をセットで結ぶことで、長く協力してビジネスを進めていく取り決めです。

コンビニを拠点に広がるリユースの入り口?

伊藤忠はコンビニチェーン「ファミリーマート」をグループ企業として持ち、国内に約16,400店の店舗網があると説明されています。今回の発表では、この店舗網を「中古品の回収拠点として活用し、仕入れを強化することを検討する」と記載されています。
ただし、現時点で公表されている範囲では、ファミリーマート店舗で「どの品目を」「どの方法で」扱うか、運用の詳細や開始時期は示されていません。ここは今後の検討事項として残っています。

一方、ブックオフは書籍やソフトメディアだけでなく、CD・DVD・ゲーム、トレーディングカード、ホビー用品、アパレル、ブランド品、家電など幅広い品目を買取対象として案内しています。コンビニが回収拠点になる場合でも、取り扱い範囲や手順の設計が重要になります。

拡大するリユース市場

リユースは、まだ使える製品をそのまま再利用することです。環境分野では3Rとして、リデュース(ごみを減らす)・リユース(繰り返し使う)・リサイクル(原材料に戻して再利用する)が示され、リデュースとリユースを優先する考え方が紹介されています。

ここで重要なのは、リユースは「売る仕組み」だけで成立しない点です。商品として再販売するためには、まず中古品が集まる必要があります。そこで企業は、生活者が手放しやすい入口を増やすことに取り組みます。

手放し方を整理すると、たとえば次のように「手間」や「条件」が変わります。

手放し方・売り方生活者の主な手間企業側のポイント
店頭買取持ち込み・査定・手続き品質確認と価格付け
フリマアプリ等出品・やり取り・発送取引の場の設計
回収拠点(ボックス等)入れるだけ回収後の検品・仕分け

この整理に照らすと、コンビニのような日常動線上の拠点を回収に活用する構想は、「入口」を増やすための手段として位置づけられます。

コンビニ店員の仕事がまた増える?

コンビニの店舗スタッフの仕事には、レジでの接客、品出し、店内調理、清掃、各種サービスの受付など多くの業務が含まれることが、求人情報などで説明されています。

一方で、今回の提携発表は「回収拠点として活用を検討」という段階であり、店員が具体的にどの作業を担うのか、どのように業務を設計するのかは公表されていません。もし回収サービスが実装される場合、店内オペレーション(誰が・いつ・どこで・何をするか)の設計が重要なテーマになります。

それでも「捨てる」のはなぜ?

なぜ、リユース市場が約3.3兆円規模と推計されるほど広がっているにもかかわらず、生活の中では「捨てる」という選択が残りやすいのでしょうか。
それは、手放す手段ごとに手間や条件が異なり、日常の動線に合う「入口」が十分でない場面があるからです。回収拠点が身近に増えると、時間や移動のコストが下がり、行動の選択肢が変わる可能性があります。

環境省の市場規模調査報告書では、2023年のリユース市場を3兆1,227億円とし、2030年に4兆円へ達する見込みが示されています。このような見通しがあるため、企業は回収拠点や販売チャネルの整備を進め、リユースの仕組みを強化する動きを取りやすくなります。

まとめ
  • 伊藤忠とブックオフが資本業務提携を発表
  • 伊藤忠が議決権比率5.01%のブックオフ株を取得する計画が示された
  • ファミリーマート約16,400店の店舗網を回収拠点として活用する検討が明記された
  • 日本のリユース市場は2024年時点で約3.3兆円規模と推計されている
  • 2030年に4兆円規模という見通しが示されている
  • リユースは3Rの中で重要な位置づけとして整理されている

今回のニュースでは、大手総合商社と中古ショップチェーンが組み、コンビニ店舗網まで巻き込んでリユースの仕組みを広げようとする動きが示されています。リユース市場は数兆円規模に成長しており、価格の安さだけでなく、資源を無駄にしない循環型社会の一部としても注目されていますが、具体的な実施内容や時期はこれから決まります。

もし自分の生活圏のコンビニに中古品回収のサービスが導入された場合、どのような物を、どのタイミングで持ち込むことが現実的でしょうか。
また、企業側は回収した中古品をどのように選別し、どこで販売すれば、利益を出しつつ環境負荷を抑えられるのでしょうか。
身近な店舗がリユースの入口になるとき、消費者、企業、自治体の役割分担はどのように変化していくのか、地域の商店街やオンラインフリマとの関係も含めて考えてみることで、循環型経済の仕組みをより立体的に捉えることができそうです。