半導体のキオクシアが12月上場!でもなぜ上場するの?
キオクシアが東証プライムに12月18日上場、想定価格は1株1390円 - Bloomberg
キオクシアホールディングスが、東京証券取引所プライム市場に12月18日付で上場する。関東財務局に提出した訂正有価証券届出書で22日に開示した。上場時の想定時価総額は7500億円。
半導体業界で注目されているキオクシアホールディングスが12月18日に東京証券取引所のプライム市場に上場します。
キオクシアはスマートフォンやパソコンに使われるフラッシュメモリーを作る会社で、上場によって技術の発展や生産力の強化のための資金を集めます。キオクシアの上場の背景や挑戦についてわかりやすく説明します。
キオクシアってどんな会社?
キオクシアは「NAND型フラッシュメモリー」を作る会社です。もともとは東芝の半導体事業から始まり、2018年にベイン・キャピタルが買収しました。現在も東芝が40%以上の株を持ち、HOYAも出資しています。
東芝から独立した背景には、東芝の経営問題がありました。2015年から2017年にかけて、東芝はアメリカの原子力事業で大きな損失を出し、経営が苦しくなりました。そのため、利益が見込める半導体事業を分けて資金を集めることにしたのです。こうして2017年に東芝メモリ株式会社が設立され、2019年にキオクシアホールディングスに名前を変えて独立しました。
なぜ上場するの?
キオクシアが上場する理由は、生産力を高めるためです。フラッシュメモリーはスマートフォンやパソコンに欠かせない技術で、今後もデータセンターなどで需要が増えることが期待されています。しかし、技術の進歩が速いため、最新の設備や技術開発に投資するための資金が必要です。
今回の上場で、キオクシアは約1150億円の資金を集める予定です。この資金を使って、生産力を高めて競争力を維持することを目指しています。
株式上場の一般的な目的
企業が株式を上場する目的には、次のようなものがあります:
- 資金調達:
上場で新しい株を発行し、多くの資金を集めます。この資金は新しいプロジェクトや技術開発、設備投資に使われます。 - 知名度向上:
上場で会社の名前が多くの人に知られ、ブランド価値が高まります。それにより、新しいビジネスチャンスが生まれたり、優秀な人材を集めることができます。 - 企業の透明性向上:
上場企業は財務情報を公開する義務があり、経営の透明性が高まります。それにより、投資家や顧客からの信頼が高まります。 - 株式の流動性:
上場すると株式の売買がしやすくなり、投資家にとって魅力的な企業になります。また、従業員へのインセンティブとして株式を利用することもできます。
上場後の課題と展望
上場後には、企業はさまざまな課題に直面します。たとえば、株主に対して成果を示す必要があるため、短期間での利益を求められることがあります。また、競争相手との競争も激しくなり、市場の変化に素早く対応することが求められます。
キオクシアの場合、半導体市場で韓国やアメリカの企業と競争することが大きな課題です。しかし、上場で集めた資金をうまく使って、新しい技術の開発や生産力の強化を進めることで、長期的な成長が期待されています。
上場で何が変わるの?
上場することで、キオクシアは資金を集めることができます。たとえば、新しい工場を建てたり、設備を改善したりすることが可能です。また、株を多くの人に売ることで、会社の透明性も高まります。
キオクシアはこれまで何度か上場を延期してきました。その理由の一つは、半導体の市場環境が変わりやすかったからです。特に、新型コロナウイルスや世界的な経済の不安定さが影響していました。今回の上場は、ようやく実現にこぎつけたものです。
競争相手との違いは?
キオクシアは、NAND型フラッシュメモリーの製造に特化していますが、韓国のSKハイニックスやアメリカのマイクロンなどの競合他社と競争しています。特に、韓国の企業は「広帯域メモリー(HBM)」という高性能なメモリーでもリードしており、キオクシアがどう競争していくかが重要な課題です。
同業他社とその概要
キオクシアと同じようにNAND型フラッシュメモリーを製造している主要な企業には、次のようなものがあります:
- サムスン電子(Samsung Electronics):
韓国の大手メーカーで、NAND型フラッシュメモリー市場でトップシェアを持っています。 - SKハイニックス(SK Hynix):
韓国の半導体メーカーで、DRAMやNAND型フラッシュメモリーを製造しています。 - マイクロン・テクノロジー(Micron Technology):
アメリカの半導体会社で、メモリー製品やストレージソリューションを提供しています。 - ウエスタンデジタル(Western Digital):
アメリカのデータストレージ会社で、NAND型フラッシュメモリーを使った製品を製造しています。 - ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社:
ソニーグループの一員で、半導体の開発・製造を担当しています。 - ルネサス エレクトロニクス株式会社:
日本の大手半導体メーカーで、フラッシュメモリーを含む半導体を製造しています。 - 富士通セミコンダクター株式会社:
富士通グループの半導体部門で、フラッシュメモリーを含む各種半導体製品を提供しています。
これらの企業は、キオクシアと同様にフラッシュメモリーの開発・製造を行い、世界市場で競争しています。
まとめ
- キオクシアは東芝から独立した半導体メーカーで、フラッシュメモリーを製造している
- 12月18日に東京証券取引所プライム市場に上場し、約1150億円の資金を調達予定
- 調達した資金は生産力の強化や技術開発に使われる予定
- 上場により資金調達、企業の知名度向上、経営の透明性が向上
- 韓国やアメリカの競合企業との厳しい競争の中、技術の向上と効率化が求められている
キオクシアの上場には、大きな資金を集めて新しい技術に投資するという目的があります。これは、企業が競争で生き残るために必要なことです。
もしあなたが企業のリーダーだったら、どんなことに資金を使うことで成功を目指すでしょうか?経済の仕組みは「どう資源を使うか」を考えることで成り立っているのです。
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