観光と海外マネーで地価が急上昇!家は買いにくくなる?
公示地価、4年連続上昇 バブル期以降最大の伸び―国交省:時事ドットコム
国土交通省は18日、2025年の公示地価(1月1日時点)を公表した。全用途の全国平均は前年に比べ2.7%増加し、4年連続で上昇。増加幅はバブル期の1991年(11.3%)以降最大となった。地方圏のうち札幌、仙台、広島、福岡の主要4市では12年連続、それ以外も3年連続でプラス。景気の緩やかな回復に伴い、全国的に上昇基調が続いている。
「地価」という言葉を聞いたことがありますか?地価とは、土地の価格のことを指します。この価格の変化は、日本経済の動きや地域の発展を反映しており、私たちの生活にも関係しています。
2025年の最新調査では、日本全体で地価が大きく上昇したことがわかりました。なぜ上がったのか、そしてその影響について見ていきましょう。
全国の地価が4年連続で上昇
2025年1月1日時点の公示地価(国が発表する正式な土地の価格)は、全国平均で前年比2.7%の上昇となりました。これは4年連続の上昇で、バブル期だった1991年以来の高い伸び率です。
とくに東京・大阪・名古屋の三大都市圏では4.3%上昇し、東京圏にいたっては5.2%もの上昇を記録しました。地方圏全体では1.3%の上昇ですが、札幌・仙台・広島・福岡の4つの主要都市では5.8%と、全国平均を大きく上回っています。
地価が上がる3つの理由
1. 半導体産業の発展
北海道千歳市では、次世代半導体の国産化を目指す「ラピダス」が工場を建設中で、地価は全国トップの48.8%上昇を記録しました。駅周辺の商業地も全国1位・2位を占め、関連企業の進出で住宅やホテルの需要も高まっています。
熊本県菊陽町でも、台湾の半導体メーカーTSMCが工場を稼働させ、地価上昇率は全国6位となっています。こうした半導体関連の設備投資が、地域の活性化と地価上昇を後押ししています。
2. 観光業の回復
新型コロナの影響が和らぎ、外国人観光客(インバウンド)が戻ってきたことにより、観光地の地価も上がっています。
長野県白馬村は住宅地の上昇率で全国2位(29.6%)、北海道富良野市は1位(31.3%)となりました。別荘やコンドミニアムへの需要が高まっており、観光業の影響が大きく出ています。
3. 大都市での再開発と需要増加
東京23区では商業地が前年比11.8%、住宅地が7.9%上昇しました。オフィスや商業施設、ホテルなどへの需要が高まっており、不動産開発が活発です。
地価の高いエリアはどこ?
1坪あたりの地価が1億円を超えた地点は、東京都内の中央区・新宿区・千代田区・渋谷区に集中しています。最も高い地点では、1坪あたり2億円にも達しています。これらのエリアは、日本のビジネスや観光の中心地であり、価値の高い土地といえます。

地価が上がるとどうなる?
地価の上昇は、土地を所有している人にとっては資産の価値が高くなるという良い面があります。
しかし、新しく住宅を購入したい人にとっては、家の価格が上がることにつながり、購入のハードルが高くなります。また、地価の高騰は賃貸住宅の家賃にも影響を与える可能性があります。
一方で、半導体産業の進展は、私たちが使うスマートフォンやパソコンの性能向上やコスト低下にもつながるなど、間接的に生活を豊かにする効果も期待できます。
まとめ
- 日本の地価は2025年に平均2.7%上昇し、4年連続の上昇となった
- 北海道・熊本などでは半導体産業の影響で地価が大幅に上昇
- 長野や北海道などの観光地でもインバウンド需要で地価上昇が加速
- 東京など都市部では再開発や高い需要により商業・住宅地ともに上昇
- 地価の変化は私たちの生活や将来の住まい選びに大きな影響を与える
地価の変化を見ることは、経済の動きを読み解くヒントになります。みなさんも、自分の住んでいる地域の地価がどうなっているのかを調べてみましょう。どこに人が集まり、何に投資されているかを知ることで、将来の社会や仕事、暮らしを考えるきっかけになるはずです。

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