日本初のビットコイントレジャリー企業?メタプラネットのビットコイン戦略!

メタプラネット【3350】、今期営業は7.1倍増で20期ぶり最高益更新へ | 決算速報 - 株探ニュース

 メタプラネット <3350> [東証S] が2月10日大引け後(16:00)に決算を発表。24年12月期の連結営業損益は3.5億円の黒字(前の期は4.6億円の赤字)に浮上し、従来予想の2.7億円の黒字を上回って着地・・・。

メタプラネット株式会社は、日本でビットコインを資産として積極的に活用している企業の一つです。この戦略は、日本市場では珍しく、多くの投資家の注目を集めています。
もともとは音楽関連事業を手がけていましたが、事業転換を経て、現在はホテル運営とビットコイン投資を軸に展開しています。

2024年の決算では、売上10億6,200万円に対し、最終利益が63億9,700万円と大幅な黒字を記録しました。ただし、この利益の大半は、ビットコインの評価益(含み益)によるもので、実際の現金収入ではないことが重要です。

※売上10億円なのに利益が64億円ということは、ほぼ会社が持っているビットコインの価値が上がったことで利益となっている意味です。

メタプラネット 決算説明資料より
なぜビットコインを選んだのか?

メタプラネットがビットコインを経営戦略に組み込んだ背景には、過去の業績や資産戦略の見直しが影響しています。以前は音楽関連事業を手がけていましたが、市場環境の変化に伴い事業の方向転換を迫られました。その結果、以下のような理由からビットコインを財務戦略に組み込む決断をしました。

  1. 円安リスクの回避:日本円の価値が下がる中、ビットコインを保有することで資産価値を維持する狙い
  2. 価格上昇の期待:ビットコインの長期的な成長を見込み、資産の一部を暗号資産に投資
  3. 独自の企業戦略:日本市場での差別化を図るために、ビットコインを活用した経営方針を採用

この戦略により、メタプラネットの株価は大きく上昇しましたが、それと同時に大きなリスクも抱えています。

株価上昇の要因

メタプラネットの株価は2024年以降急激に上昇し、1年間で約5倍になりました。その背景には以下の要因があります。

  1. ビットコイン価格の上昇
    保有するビットコインの価値が上がることで、企業の評価額が大きく増加。
  2. 日本版ビットコインETFとしての期待
    日本ではビットコインETFが承認されていないため、メタプラネットの株が間接的な投資先として注目を集める。
  3. 積極的な資金調達と投資
    同社は新株予約権(ワラント)を発行し、調達資金をすべてビットコイン購入に充てている。
  4. 株主優待の話題性
    抽選でビットコインを配布する株主優待を実施し、個人投資家の関心を引いている。
メタプラネットのリスクとは?

1. 含み益依存の収益構造

  • 2024年の利益63億9,700万円のうち、約54億5,700万円が含み益(未実現利益)。
  • ビットコインの価格が下がると、企業の利益が急激に減少し、大きな損失を出すリスクがある。

2. 現金不足の可能性

  • 調達資金のほとんどをビットコイン購入に充てており、流動資産が少ない。
  • 税金や給与の支払いに必要な法定通貨(日本円)が今後不足する可能性がある。そのため、同社は一部の資産を流動性の高い現金や短期投資に分散することで、急な資金需要に対応できる体制を整えている。

3. ビットコイン価格の変動リスク

  • 資産のほとんどがビットコインに依存しており、価格が77%下落すると債務超過になる恐れがある。

4. 規制リスク

  • 日本政府が暗号資産規制を強化した場合、同社の経営方針に影響を与える可能性。
  • 将来的にビットコインETFが承認されると、同社株の魅力が薄れるリスク。
メタプラネット 決算説明資料より
配当なしでも投資される理由

メタプラネットは無配(配当なし)ですが、それでも投資家から注目されています。その理由は以下の通りです。

  1. キャピタルゲイン狙い:ビットコイン価格が上がることで、株価も上昇
  2. 長期成長の期待:ビットコイン市場の成長性に期待し、資産を増やす投資家がいる
  3. 法定通貨以外の資産保有:円安リスクを回避し、多様な資産に分散投資する目的
まとめ
  • メタプラネットは日本市場におけるビットコイントレジャリー企業
  • 株価の上昇はビットコイン価格と強く連動
  • 含み益による利益構造のため、実際の現金収入は少ない
  • ビットコイン価格が大幅に下落すると、経営リスクが高まる
  • 短期的な投資には魅力的だが、長期的にはリスクが高い

ビットコインを活用する企業戦略には大きな利益の可能性がありますが、それと同時に大きなリスクもあることを理解する必要があります。
例えば、アメリカのマイクロストラテジー社は同様の戦略を採用し、株価の大幅な上昇を経験しましたが、ビットコイン価格が下落すると損失を抱えるリスクも高まりました。一方で、暗号資産への過度な依存が経営を圧迫した事例として、過去には市場のボラティリティに耐えきれず破綻した企業もあります。

もしあなたが企業経営者だったら、どんな資産を持つのが良いと思いますか?また、長期的に成長する企業とはどのような戦略を取るべきでしょうか?

ビットコイン投資のメリットとデメリットについて、家族や友達と話してみましょう!

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