富士山登山が変わる!2025年から入山料4,000円・事前登録が必須に
静岡県、富士登山にアプリで事前登録義務 入山料4000円 - Impress Watch
5月9日から、富士山の静岡県側登山口(富士宮・御殿場・須走ルート)では、入山前の事前登録と入山料の納付が義務化される。対象は、県が定める基準点から山頂側に立ち入るすべての登山者で、同日より運用を開始する「静岡県富士登山事前登録システム(静岡県FUJI NAVI)」での登録が必要となる。入山料は1人1回4,000円。
「富士山に登るにはお金がかかる時代」になりました。2025年から、静岡県側の富士山登山口では、事前にアプリで登録し、4,000円の入山料を支払うルールが始まります。なぜ値上げされたのでしょう?ルールが厳しくなることで、登山する人は減ってしまうのでしょうか?
富士山の新しい登山ルールと、その背景にある「自然を守る」や「安全に登る」といった目的を考えてみましょう。
富士山登山に必要な新ルール
アプリで登録と事前学習
静岡県側では「FUJI NAVI」アプリやウェブサイトで事前登録が必要です。入山料4,000円は、現金やクレジットカード、電子決済で支払えます。登録後に発行されるQRコードが「入山証」となり、五合目で提示します。また、富士山の自然や登山マナーについて、動画などで事前学習することも義務づけられています。
夜間登山のルール強化
午後2時から翌朝3時のあいだに登る場合は、山小屋の予約が必要です。これは「弾丸登山」と呼ばれる無理な行動を減らし、事故を防ぐためのルールです。無理な登山が減ることで、安全が高まりました。
入山料4,000円の理由と背景
環境と安全のための資金
以前は1,000円の協力金を「任意」で集めていましたが、十分な費用は集まりませんでした。富士山には毎年多くの登山者が訪れ、ごみやトイレの問題、登山道の傷みが深刻でした。入山料を4,000円にすることで、安定した資金を確保し、環境整備や安全対策に活用する目的があります。
オーバーツーリズム対策
観光客が多すぎることで自然や地域住民に負担がかかる「オーバーツーリズム」も問題になっています。登山者を適切にコントロールすることで、世界遺産としての価値を守ろうとしています。山梨県側でも同様の制度が導入され、両県で連携を強めています。

実際に見えてきた変化
登山者の減少と質の向上
人数制限や入山料の導入で、登山者数は減少しました。これにより、山小屋や登山道の混雑が緩和され、事故やけがも減っています。登山する人のマナーも良くなったと報告されています。
デジタル管理と国際化
アプリやサイトは7言語に対応し、外国人観光客にもわかりやすくなっています。デジタル管理の仕組みは、今後ほかの観光地にも広がる可能性があります。2024年には山梨県側でも同様の入山料制度が導入されました。混雑対策や環境保護の観点から、全国の観光地で「事前予約」「人数制限」「デジタル管理」の導入が進んでいます。
まとめ
- 2025年から静岡県の富士山登山には事前登録と4,000円の入山料が必要
- 環境保護・安全確保のために安定した資金が必要
- 夜間登山ルール強化で事故が減少
- 多言語対応やデジタル管理で外国人観光客にも優しい仕組みに
- 今後は他の観光地にも広がる可能性がある
富士山のルール変更は、「自然を守ること」と「安全に楽しむこと」の両方を実現するための工夫です。みなさんのまわりにも、公園や観光地でルールがある場所があるかもしれません。「なぜこのルールがあるんだろう?」と考えてみると、地域や環境を守るための大切な理由が見えてきます。ルールはただ守るものではなく、未来を守るために考えて作られているのです。