NHKが2年連続赤字!SNS・YouTube時代で苦戦するメディア

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250624/k10014843451000.html

みなさんはNHKの受信料について考えたことがありますか?
2025年6月、NHKが2年連続で赤字決算になったというニュースが話題になりました。テレビやラジオの番組を作るにはたくさんのお金がかかりますが、そのお金はどこから来て、どのように使われているのでしょうか?
NHKの赤字の理由と、メディアとお金の関係を考えてみましょう。

NHKとはなにか?

NHK(日本放送協会)は、日本の公共放送を担う組織です。テレビやラジオを通じて、ニュースや教育番組、災害時の緊急情報などを全国に向けて放送しています。
NHKの特徴は、広告に頼らず「受信料」という形で視聴者から広く資金を集めていることです。この仕組みによって、特定の企業や団体に偏らない、中立で公平な番組作りが可能になります。

NHKの赤字決算

NHKは2024年度決算で、前年度に続き2年連続の赤字を発表しました。これは1989年度以来の大きなニュースです。赤字とは、収入より支出が多くなってしまうことを意味します。NHKの収入の中心である「受信料」は、2024年度に426億円も減少し、5,901億円となりました。これは過去最大の減少幅です。

なぜ受信料が減ったのか

赤字の主な原因は受信料収入の大幅な減少です。2023年10月にNHKは受信料を1割値下げしました。この値下げに加えて、受信料を支払う人の割合(支払率)も下がっています。
2024年度末の支払率は77.3%で、前年度より1ポイント低くなりました。ほとんどの地域で支払率が下がっており、NHKの経営に大きな影響を与えています。

支出の削減と課題

NHKは支出を減らす努力も続けています。たとえば、2026年3月にはAMラジオの放送波を1つ減らすための設備撤去費用が発生しましたが、一方で退職手当は減少しました。その結果、全体の支出は93億円減の6574億円となりました。
しかし、国内放送費は逆に1.1%増加しており、人件費も約1,500億円と高水準です。収入が減る中で支出のコントロールが難しく、赤字の一因となっています。

特別な支出とイベントの影響

2024年度はパリ五輪・パラリンピック、衆議院選挙など大きなイベントがあり、放送にかかる費用が増えました。さらに、ラジオ波の削減に伴う特別な設備費用も重なり、赤字がさらに大きくなりました。

受信料は何のためにあるの?

NHKの受信料は、広告に頼らず、公平な情報を届けるために使われています。家庭でNHKのニュースや教育番組を見たことがある人も多いでしょう。受信料が減れば、番組の質や数に影響が出る可能性もあります。メディアの運営には安定した収入が欠かせません。

情報のあり方とお金の関係

近年はYouTubeやSNSなど、無料で情報を得られる手段が増えています。こうした中で、受信料を集めて運営するNHKのようなモデルが今後も必要なのかが問われています。NHKはネット配信や新サービスを取り入れ、時代に合った形での運営を模索しています。

関連する動き:他のメディアも苦戦中

新聞や民間テレビ局でも、広告収入の減少により経営が厳しくなっています。インターネット経由の新しいニュースサービスが増えるなか、情報とお金のバランスを見直す動きが広がっています。

まとめ
  • NHKは2年連続の赤字決算
  • 最大の原因は受信料収入の減少
  • 支払率の低下と受信料の値下げが影響
  • 特別なイベントや設備撤去などで支出も増加
  • メディア全体で経営の見直しが進んでいる

これからの時代、情報をどう得て、どのような形で届けるのかが重要になります。信頼できる情報を作るにはお金がかかります。
NHKの赤字は、メディアの価値や運営方法を考え直すよいきっかけかもしれません。あなたなら、必要な情報をどのように届ける仕組みを作りますか? 家族や友達と話し合いながら、未来のメディアのあり方を考えてみましょう。