「ニチガク」入試前に突然の閉鎖!学習塾業界に何が起こっているのか

大学入試直前で、準備を続ける高校生や親子にとって、一緒に考えるべき大事な問題が起こっています。
日本学力推進会が運営する「ニチガク」が、1月4日に突然閉鎖されました。この出来事は、学生や親子、さらには教育の仕組み全体に大きな影響を与えるかもしれません。

ニチガク閉鎖の理由は?

ニチガクが閉鎖された理由は、「債務の支払いに行き詰まった(お金を払えなくなった)」ことだと言われています。この突然の出来事は、大学受験を控えた高校生にとって大きな不安の原因となっています。

今回の閉鎖には、いくつかの大きな原因があると思われます。まず、少子化による生徒数の減少が挙げられます。
また、新型コロナウイルスによる対面授業の制限も経営に影響を与えた可能性が高いでしょう。また、ニチガク以外にも塾の倒産が過去最多となっていますので、学習塾の多くが苦しい状態と考えられます。

ニチガクってどんな塾?

ニチガクは、1983年に設立された「株式会社日本学力推進会」が運営する大学受験予備校です。この学校は、少人数制を採用し、生徒一人ひとりに寄り添った指導を行うことをモットーとしていました。2023年度には、受験生65人中93.9%が大学に合格し、その中には東京大学の合格者も含まれるなど、高い実績を誇っていました。

しかし、少子化や新型コロナウイルスによる経営の悪化などが重なり、2024年1月に事業継続を断念。運営会社は経済的な理由で事業を終了するに至りました。

学習塾業界全体の問題

学習塾の倒産増加

近年、学習塾の倒産件数が増加しています。2023年には倒産件数が45件に達し、過去20年間で最多となりました。2024年の1月から10月の間でも、前年同期比で約28%増の32件となり、倒産がさらに加速しています。

倒産増加の原因

  • 少子化
    6歳から18歳の人口は、2013年の約888万人から2023年には約1351万人へと約10%減少しました。これにより、学習塾に通う生徒数も減り、経営に直接的な影響を与えています。例えば、1クラスあたりの生徒数が40人から35人に減るといった状況です。
  • 競争の激化
    大手学習塾はオンライン授業やタブレット学習を積極的に導入し、IT技術を活用した多様なサービスを展開しています。オンライン授業では、自宅で授業を受けたり、録画を好きな時間に見たりできます。タブレット学習では、アプリを使って問題を解いたり動画解説を見たりすることが可能です。
    一方、中小規模の塾はこうした変化に対応できず、競争に敗れるケースが増えています。
  • 新型コロナウイルスの影響
    対面授業が制限されたことや外出自粛の影響で、生徒数が大幅に減少しました。特に、オンライン対応が難しかった塾ほど打撃を受けました。
最近の塾の倒産例
  • 個別指導塾スタンダード
    福岡県を中心に約500校を展開していましたが、コロナ禍での対面制限や赤字校の増加により約60億円の負債を抱え倒産しました。
  • 教育春秋社(茜溪塾・茜溪予備校)
    関東で約20校を運営していましたが、生徒数減少や財務問題が重なり倒産に至りました。
まとめ
  • ニチガクの閉鎖は債務問題が原因と見られる
  • 学習塾の倒産が増えている
  • 少子化や競争の激化が原因で、学習塾全体が厳しい状況にある

この事件をきっかけに、もし受験直前に通っている塾が突然閉鎖されたらどう感じるかを考えてみませんか?
塾がなくなると、どんな点で困るのか、塾は本当に必要なのか、そして自分で学ぶ方法にはどんなものがあるのか、親子で一緒に話し合う機会にしてみてください。

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