日経平均株価が史上最高値!5つの上昇要因と主役企業
日経平均が連日の史上最高値、CPI受け9月米利下げ期待高まる | ロイター
13日の東京株式市場で、日経平均株価は連日の史上最高値更新となり、初めて4万3000円台に乗せた。TOPIX(東証株価指数)は4営業日連続で史上最高値を更新した。…
2025年8月13日、日経平均株価が2日連続で終値の史上最高値を更新しました。終値は43,274円67銭となり、初めて43,000円台を突破したのです。
株価が上がるということは、日本の景気が良いということなのでしょうか。なぜ株価はこんなに上がっているのでしょうか。また、「日経平均株価が上がっているのに、自分の周りではあまり景気の良さを感じない」と思う人もいるかもしれません。
今回は、株価が上がった理由や、特に株価を押し上げた「主役」の会社について見てみましょう。
日経平均株価が歴史的な記録を更新
2025年8月13日、東京株式市場で日経平均株価は、前日より556円高い43,274円67銭で取引を終えました。これは2日続けて過去最高の金額を更新するという歴史的な出来事です。
取引時間中には一時43,451円まで上昇し、市場は大きな盛り上がりを見せました。

みんかぶより
なぜ株価は上がったの?5つの理由
日経平均株価がこれほど大きく上昇した背景には、いくつかの理由が重なっています。国内外の経済ニュースが複雑に関係しているのです。
理由1:アメリカの経済ニュースが大きなきっかけに
今回の株価上昇の最大のきっかけは、アメリカの経済ニュースでした。アメリカの7月の消費者物価指数(CPI)という、モノの値段の上がり具合を示す数字が、市場の予想の範囲内におさまったのです。
これを見て多くの投資家が「アメリカの急激なインフレが落ち着いてきた。これなら中央銀行(FRB)が金利を下げるかもしれない」と考えました。金利が下がると、企業はお金を借りて設備投資などをしやすくなり、経済が活発になります。この期待感からアメリカの株価が上がり、その良い流れが日本の株式市場にも伝わったのです。
理由2:円安が企業の追い風に
為替市場で円安が進んでいることも、株価を押し上げる一因です。
例えば1ドル140円が150円になるような円安の状況では、海外に製品を輸出している日本の企業にとって有利になります。同じ100ドルの商品を売っても、日本円に換金した時の金額が増えるからです。これにより、特に自動車や電機などの輸出企業の業績が良くなるという期待から、株が買われやすくなりました。
理由3:日本の企業の業績も好調
海外の要因だけでなく、日本国内の企業の業績が良いことも株価を支えています。特に、多くの人々が利用するサービスを提供する内需関連の大きな会社や、世界的に需要が高まっている半導体関連の会社などが、良い決算を発表しました。
企業の利益が伸びていることは、投資家にとって魅力的な材料となります。
理由4:世界経済の不安が少し和らいだ
少し前まで懸念されていたアメリカと中国の関税をめぐる対立が、少し落ち着いてきたことも投資家の安心につながりました。世界経済の大きな不安要素が和らぐと、投資家は積極的にリスクを取って株を買いやすくなります。
理由5:AIブームで半導体市場が活況
世界中でAI(人工知能)の開発競争が激しくなっており、それに伴って高性能な半導体の需要が爆発的に増えています。日本には、その半導体そのものや、半導体を作るための装置を製造する世界トップクラスの企業がたくさんあります。
このAIブームが、日本の半導体関連企業の株価を大きく押し上げ、日経平均株価全体の上昇を力強く引っ張りました。
株価を動かす主役たち!「値嵩株(ねがさかぶ)」ってなんだろう?
日経平均株価が上がっても、実はすべての会社の株価が上がっているわけではありません。むしろ、特定の「主役」となる会社の株価が、全体の指数を大きく動かしています。
日経平均株価に大きな影響を与える「値嵩株」
値嵩株(ねがさかぶ)とは、1株あたりの値段が特に高い株のことを指します。日経平均株価は、構成されている225社の株価を単純に平均に近い形で計算するため、この値嵩株の株価が少し動いただけでも、指数全体に大きな影響を与えてしまうのです。
株価を押し上げた主な企業
2025年8月13日の上昇では、まさにこの値嵩株が大活躍しました。特に貢献度が大きかったのは以下の企業です。
- アドバンテスト:8/13終値 1株 11,755.0 円
半導体が正しく動くかテストする装置で世界トップシェアを誇る会社です。AI需要の波に乗り、この1社だけで日経平均を約163円も押し上げました。 - リクルートホールディングス:8/13終値 1株 48,640 円
就職やアルバイト探し、住宅情報などでおなじみの会社です。ITサービスも強く、好調な業績が株価を押し上げました。 - ファーストリテイリング:8/13終値 1株 11,755.0 円
「ユニクロ」を運営する会社として有名ですね。日本を代表する値嵩株の一つで、この会社の株価が上がると日経平均株価も上昇しやすくなります。 - TDK:8/13終値 1株 1,994 円
スマートフォンなどに使われる電子部品を作っている会社です。高い技術力で世界中の製品を支えています。
このように、半導体関連や世界的に有名なブランドを持つ企業が、今回の上昇の主役だったことが分かります。

まとめ
- 経平均株価は2025年8月13日に4万3000円台を突破し、史上最高値を更新
- アメリカの利下げ期待、円安、国内企業の好業績、AI・半導体ブームといった国内外の複数の良い要因が重なった結果で
- 株価全体の上昇は「値嵩株」と呼ばれる一部の企業の大きな株価上昇が大きく影響
- 海外の経済ニュースや世界的な技術のトレンドが、日本の株価に直接影響
今回の株価のニュースは、私たちの生活と経済が決して無関係ではないことを教えてくれます。
例えば、あなたが毎日使っているスマートフォンの部品を作っている会社や、お気に入りの服を売っている会社の株価が、世界経済の大きな流れの中で動いているのです。これを機に、「自分の好きな商品を作っている会社は、今どんな評価をされているんだろう?」と調べてみてはいかがでしょうか。
また、日経平均株価と、より多くの会社を含んだ「TOPIX(東証株価指数)」という別の指標の動きを比べてみるのも面白い発見があるかもしれません。経済のニュースを少し意識するだけで、社会の仕組みが見えてきて、未来を考えるヒントがたくさん見つかりますよ。