ノーベル賞とノーベル経済学賞、実はちがう？今年も気になる発表シーズンが到来！

毎年10月には「ノーベル賞」の発表があります。ノーベル賞は、科学や文学、平和などの分野で世界に貢献した人々に贈られる、非常に名誉ある賞です。
しかし、同じ「ノーベル賞」の名前が付いていても、ノーベル経済学賞は少し特別な賞です。ノーベル賞とノーベル経済学賞の違い、そして日本人の最近の受賞者について見てみましょう。

ノーベル賞とは？

ノーベル賞は、スウェーデンの科学者アルフレッド・ノーベルの遺言によって1901年に始まりました。この賞は、物理学、化学、生理学・医学、文学、そして平和の5つの分野で優れた業績を残した人たちに贈られます。毎年、スウェーデンとノルウェーで受賞者が発表され、授賞式が行われます。

日本人の最近のノーベル賞受賞者

日本人も多くノーベル賞を受賞してきました。
たとえば、2021年に真鍋淑郎まなべしゅくろうさんが、地球温暖化の研究で物理学賞を受賞しました。彼は、気候モデルを使って、地球の温暖化を科学的に予測しました。
また、2018年には本庶佑ほんじょたすくさんががん治療に関する研究で生理学・医学賞を受賞しました。彼の発見は、新しいがん治療法の開発に役立っています。

ノーベル経済学賞とは？

ノーベル賞の中でも、「ノーベル経済学賞」と呼ばれる特別な賞があります。でも、実はこの賞はアルフレッド・ノーベルの遺言で設立されたものではありません。
1969年にスウェーデン国立銀行が設立300周年を記念して創設した「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」という名前の賞です。選考方法は他のノーベル賞と同じですが、経済学の分野で優れた研究をした人に贈られます。

ノーベル経済学賞、今年は10月14日に発表されます。
2024/10/15追記：2024年の経済学賞がダロン・アセモグル教授他2名に決定しました！

行動経済学とは？

ノーベル経済学賞の受賞者の中には、「行動経済学」という新しい学問で受賞した人たちがいます。行動経済学は、私たちが日常生活でお金を使ったり、商品を選んだりするときに、どんな気持ちや心理が働いているのかを研究する分野です。たとえば、「セール中だから買おう」と思ったり、他の人が買っているから同じものを選ぶ、といった行動の裏には心理的な要素があります。このような「人間の心理」と「経済」をつなげた研究が行動経済学です。

リチャード・セイラーさんは、2017年にノーベル経済学賞を受賞しました。彼の研究では、人々が合理的ではない選択をすることが多いことを示し、その知識を政策やマーケティングに応用する方法を提案しました。

行動経済学については、コチラの記事も読んでみてください。

ノーベル経済学賞と日本人の受賞

これまで、ノーベル経済学賞を受賞した日本人はまだいません。アジアからの受賞者はインドのアマルティア・セン氏やアビジット・バナジー氏などがいますが、日本からの受賞が期待される日もそう遠くはないかもしれません。

まとめ

• ノーベル賞は、科学や平和活動などで世界に貢献した人々に贈られる賞
• 日本人では、真鍋淑郎さんや本庶佑さんが最近受賞している
• ノーベル経済学賞は1969年に設立され、経済学の分野で優れた研究をした人に贈られる
• 行動経済学は、人々の心理や感情がどのように経済に影響を与えるかを研究する学問で、リチャード・セイラーさんが2017年に受賞

ノーベル賞やノーベル経済学賞の研究は、私たちの日常生活に深く関係しています。
たとえば、行動経済学では、私たちがどうして「買い物をする」「お金を貯める」といった行動を取るのかを心理学と結びつけて説明してくれます。自分たちの行動が経済とどのように結びついているのかを考えると、もっと楽しく学べるかもしれません。