クリスマスケーキは「もうからない」?洋菓子店の工夫と苦労
洋菓子店から「クリスマスケーキやめたい」の声も…イチゴ1パック2000円超!?止まらない“材料費高騰”で利益率は低下|FNNプライムオンライン
間もなくやってくるクリスマス。胸を高鳴らせる人も多い一方で、クリスマスケーキを作る洋菓子店からは「クリスマスケーキをやめたい」という声も…洋菓子店を直撃しているのは、材料費の高騰だ。卵・イチゴ・チョコレートなどが軒並み値上がりして…
クリスマスには華やかなケーキが欠かせませんが、最近では洋菓子店から「もう作りたくない」という声が聞かれることもあります。
その原因は、卵やイチゴ、チョコレートなど材料費の高騰に加え、店舗運営費や人件費の増加が経営を圧迫しているためです。洋菓子店の現状とその理由、そして私たちができることを考えます。
高騰する材料費
クリスマスケーキの材料費はイチゴやチョコレートだけではありません。
他にも、小麦粉や砂糖といった基本的な材料も値段が上がっています。特に、小麦粉は世界中での需要が増えていたり、輸送費が高くなったりしているため価格が上がっています。砂糖については、気候の変化で作る量が減っていることが原因で値段が上がっています。
クリスマスの時期は、お店の利益も減ってきているそうです。その理由は、材料の値上がりが大きな原因です。
- イチゴ:1パック800–1000円と昨年比2割増。クリスマス前には2000円を超える可能性も。
- チョコレート:フランス産チョコレートは1kgあたり8000円。過去の価格より2000–3000円高い。
- 卵やバター:他の基本的な材料も全般的に値上がり。
ケーキ価格への影響
このような理由で、2024年のクリスマスケーキの値段は1つあたり300円くらい上がると予想されています。
材料費だけでなく、電気代や家賃の上昇、従業員の給料アップも経営を圧迫しています。クリスマスケーキなど、ケーキは嗜好品(自分へのご褒美や楽しみのために買うもの)なので、お金に余裕がなかったり、他にも買うものがあるときには優先順位が低くなりがちです。これが洋菓子店にとって大きな問題となっています。
洋菓子店の倒産が増えている
近年、洋菓子店の倒産が増加しています。帝国データバンクの調査によれば、2024年1月から5月までに "街のケーキ屋さん" を中心とした洋菓子店の倒産件数は18件に達し、これは2000年以降で最も多かった2019年(49件)を上回るペースです。
この背景には以下の要因が挙げられます:
- 原材料費の高騰:砂糖や生クリーム、特に輸入チョコレートの価格が急上昇
- 競争の激化:コンビニや大型チェーンが低価格で高品質なスイーツを提供
- 運営コストの増加:電気代や人件費の上昇が店舗経営を圧迫
洋菓子店の工夫
クリスマスケーキは販売期間がとても短く、需要と供給のバランスを取るのが難しい商品です。この問題に対して、多くの洋菓子店は予約販売を活用して事前に注文を受け付けたり、小規模なロットで生産することで柔軟に対応しています。また、オンライン販売を拡大して遠方のお客さんにもケーキを届ける工夫をしています。
これらの取り組みによって、短期間の需要変化に対応しながら経営を続けています。
コンビニの販売戦略
最近では、コンビニでも店頭でクリスマスケーキを見かけることが少なくなりました。セブンイレブンやローソンなどの大手チェーンは、予約販売が中心になってきており、在庫管理を最適化してロスを減らしています。この戦略は、小規模な洋菓子店にも参考になるかもしれません。
まとめ
- 材料費が高くなり、洋菓子店のもうけがへっている
- イチゴやチョコレートなどの主要材料が特に値上がり
- 予約販売やオンラインでの注文などでの工夫をしている
ケーキの材料がどこから来て、どうやってお店に届くのかを考えてみませんか。材料費が高くなる理由や、それが洋菓子店にどう影響するのかも、経済を理解するのに役立つはずです。材料が運ばれる流れ(サプライチェーン)や食品ロスを減らす工夫、地元の材料を使う良さについて知ることができます。
素敵なクリスマスをすごしてくださいね。
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