大阪万博はレジ袋禁止!メリットとデメリットを考える

万博会場でのレジ袋、配布・有料販売禁止…来場者にマイバッグ・マイボトル持参呼びかけ : 読売新聞

【読売新聞】 日本国際博覧会協会(万博協会)は31日、4月に開幕する大阪・関西万博の出展者や営業施設に対し、レジ袋の配布を原則禁止することを明らかにした。有料での販売も禁止するといい、来場者にはマイバッグの持参を呼びかける。使い捨て

2025年の大阪・関西万博では、レジ袋の配布や販売が全面的に禁止されることが発表されました。この施策は、プラスチックごみ削減や循環型社会の実現を目指しています。

しかし、レジ袋禁止や有料化は、本当に環境や経済にプラスとなるのでしょうか?例えば、日本では2020年7月の有料化以降、レジ袋の使用量が約50%減少しましたが、一方でゴミ袋の購入量が増加し、プラスチック消費が減らないという指摘もあります。

大阪万博の具体的な取り組み

大阪・関西万博では、来場者にマイバッグの持参を呼びかけるだけでなく、ペットボトル削減のために給水スポットを設置するなど、循環型社会のモデルケースとなることを目指しています。

レジ袋禁止のメリット
  • プラスチックごみ削減
    レジ袋禁止は、直接的にプラスチックごみを減らす効果があります。日本では2020年7月の有料化以降、使用量が約50%減少しました。カリフォルニア州では禁止後、ごみとして見つかるレジ袋が70%以上減少したというデータもあります。
  • 海洋汚染防止
    海洋に流れ込むプラスチックごみの中でもレジ袋は大きな問題です。これを減らすことで、生態系への悪影響を軽減できます。
  • 環境意識の向上
    レジ袋禁止や有料化は、人々に環境問題への意識を持たせるきっかけとなります。エコバッグやマイボトルなど、再利用可能な製品を使用する習慣が広まりました。ただし、一部の研究では、綿製エコバッグは50回以上使用しないとレジ袋よりも環境負荷が高くなるとされており、使用回数を考慮した選択が重要です。
  • 経済学的な意義
    経済学では、プラスチックごみ問題は「負の外部性」として捉えられます。有料化や禁止によって、この外部性(環境への悪影響)を価格に反映させることで社会的コストを低減する効果があります。
レジ袋禁止の課題とデメリット

ゴミ袋需要の増加
多くの家庭でレジ袋がゴミ袋として再利用されていました。環境省の調査によると、レジ袋の有料化後、専用ゴミ袋の購入量が約30%増加したと報告されています。
有料化が必ずしもプラスチック削減につながらない可能性が指摘されています。

代替品による環境負荷
エコバッグや紙袋などの代替品も、製造過程で多くの資源を消費します。一部の研究では、綿製エコバッグは50回以上使用しないとレジ袋よりも環境負荷が高くなるとされています。

小売業者への影響
エコバッグ使用率の増加に伴い、万引きリスクが高まったとの報告があります。また、一部店舗では売上低下や作業負担増加といった課題も見られます。

他国での取り組み事例

世界でもレジ袋禁止政策は広がっています。以下はいくつかの具体例です。

  • ケニア(2017年):全面的にレジ袋を禁止。違反者には罰金や禁錮刑
  • バングラデシュ(2002年):世界初の全面禁止。洪水時に排水路が詰まったことがきっかけ
  • フランス(2010年):生分解性以外のレジ袋販売・配布を禁止
  • ニュージーランド(2019年):全面禁止し、2023年には生鮮食品用薄型プラスチック袋まで規制対象拡大
  • デンマーク:世界初のレジ袋税導入国として成功例とされる
経済学的視点から見る意義
  • 短期的効果
    短期的には、プラスチックごみ削減や消費者行動変容の成果があります。日本でも有料化後、大幅な使用量削減が確認されています。
  • 長期的視点
    しかし、レジ袋全体がプラスチック使用量に占める割合は約2%と小さいため、それだけでは根本的な解決には至りません。他の使い捨て製品(ストローや容器など)にも包括的な対策が必要です。
  • ナッジ効果
    経済学では、有料化や禁止政策は「ナッジ」(行動変容を促す仕組み)として評価されます。これらの政策は消費者行動を変え、持続可能なライフスタイルへの転換を促進します。
まとめ
  • レジ袋有料化・禁止には短期的な効果(ごみ削減・意識改革)がある
  • 代替品による環境負荷やゴミ袋需要増加などの課題もある
  • 経済学的には「外部性」を内部化し、消費行動変容につながる重要な政策
  • ただし、他製品への包括的対策や消費者教育も併せて行う必要がある

レジ袋の有料化には、環境保護という大きなメリットがありますが、ゴミ袋の需要増加や小売業者への影響といった課題も指摘されています。では、私たちはこの政策をどのように受け止め、どのような行動をとるべきでしょうか?

デンマークではレジ袋税の導入後、使い捨てプラスチックの消費が大幅に減少し、ケニアでは厳格なレジ袋禁止政策が環境改善に寄与しています。一方で、代替品の環境負荷を考慮する必要もあります。

あなたはレジ袋有料化をどう考えますか?環境と経済のバランスを取るために、どのような対策が必要だと思いますか?ぜひ、自分の意見を持ち、日々の選択に活かしてみましょう。

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