730万円かけてまでなぜ?パンダ「タンタン」剥製で中国に返還予定

パンダ「タンタン」、剥製にして中国に返還へ…神戸市「死後も中国側に所有権」 : 読売新聞

【読売新聞】 昨年3月に死んだ神戸市立王子動物園(神戸市灘区)のジャイアントパンダ・タンタンを、市が 剥製 ( はくせい ) と骨格標本にして、中国に返還する準備を進めている。パンダの所有権が中国側にあるためで、市は返還時期を調整し

神戸市立王子動物園で長年親しまれたジャイアントパンダ「タンタン」。2024年3月に28歳で亡くなったタンタンは、剥製と骨格標本になって中国へ返されます。
なぜ日本の動物園で暮らしたパンダを、死んだ後まで返さないといけないのでしょうか?パンダの所有権やレンタル料、国際ルールを考えてみましょう。そして、動物を通して世界とのつながりやお金の流れも考えてみましょう。

タンタンの生涯と神戸での役割

タンタンは1995年に中国で生まれた雌のパンダです。2000年、阪神大震災からの復興を願い神戸市立王子動物園に来ました。市民に元気を与え、復興のシンボルとして大切に育てられました。
2024年3月に28歳で亡くなり、日本の飼育パンダの中で最も長生きしたパンダとなりました。

なぜ亡くなっても中国に返すの?

所有権とレンタルの仕組み
日本の動物園にいるパンダはすべて中国からのレンタルです。パンダの所有権は中国にあり、日本で生まれた子どもパンダも同じです。神戸市と中国の契約には「死後も返す」と決められていて、亡くなっても中国に戻さないといけません

剥製返還の理由とお金の話
今回、神戸市は約730万円を使ってタンタンの剥製と骨格標本を作り、中国に返します。このお金は日本側が出します。返す方法は中国と相談して決め、冷凍保存で返す場合もありました。今回は剥製として返すことが決まりました。

ワシントン条約と国際ルール
パンダは絶滅危惧種なので、ワシントン条約という国際ルールで守られています。そのため生きていても死んでいても、国の許可が必要です。このルールに沿って、正式に中国に返されます。

パンダレンタル料と経済効果

パンダのレンタル料は1頭につき年間8,000万円から1億4,200万円ほどです。このお金は中国に保全協力費として支払われ、パンダの保護や研究に使われます。
動物園にとっては高い費用ですが、パンダの人気でたくさんの人が動物園に来るため、地域の活性化に役立っています。

他の返還例と市民の声

昔のパンダ「カンカン」「ランラン」は日本の所有でしたが、最近のパンダはすべて中国のものです。
和歌山のアドベンチャーワールドでは、2025年6月末に4頭が中国に返される予定です。「なぜ日本が高いお金を払うのか」「契約をもっとわかりやすくしてほしい」という声もあります。

パンダ返還から見る世界のルールとお金の流れ

パンダの返還は単なる動物の話ではありません。国際契約や経済、動物保護のルール、税金の使い道などが関係しています。動物園のパンダも、国際ルールとお金の動きの中で日本に来ているのです。

まとめ
  • タンタンは神戸のシンボルとして大切に育てられた。
  • 亡くなっても中国に返すのは国際契約で決められている。
  • パンダのレンタル料は高額で、地域の経済にも大きな影響がある。
  • ワシントン条約など国際ルールに従って返還される。
  • 市民からは費用や契約内容への関心が高まっている。

パンダの返還を通して、国際社会のしくみやお金の使い方について考えてみましょう。もし自分が動物園の園長なら、どんな契約をするでしょうか?動物保護のために、どんな国際協力ができるか、ぜひ自分で調べて話し合ってみてください。