商品数584種類!? ペヤングの「飽きさせない工夫」とは

ペヤング50年で584種 激辛から「変な味」まで振り切った商品続々 | 毎日新聞

 関東でカップやきそばの定番となっているまるか食品(群馬県伊勢崎市)の「ペヤングソースやきそば」が発売から50周年を迎えた。「ペヤンガー」と呼ばれる熱烈なファンを生むほど愛されてきたロングセラー商品が支持される理由とは。

「ペヤングソースやきそば」を食べたことはありますか?
このカップ焼きそばは、1975年の発売以来、50年間にわたり多くの人々に愛されてきました。変わらない味で安心感を届けつつ、激辛や超大盛などユニークな商品展開でも注目を集めるペヤング。その成功の裏には、どんな工夫や挑戦があったのでしょうか?
ペヤングの歴史や商品開発のポイント、さらに今の時代に合った戦略について見てみましょう。

ペヤング誕生の背景と発想力

ペヤングは1975年に誕生しました。当時としては珍しい四角い容器を使い、屋台の焼きそばをイメージしたデザインで注目されました。液体ソースを採用することで味のばらつきを防ぎ、具材を別包装にする工夫によって保存性も高めています。

さらに、麺の量は業界標準より多い90グラム。たっぷり食べられる印象を与え、満足感も強調されました。商品名は「ペア(仲良し)」と「ヤング(若者)」を組み合わせた造語で、若者をターゲットにしていたことがうかがえます。

長年愛される「変わらない味」

ペヤングの大きな魅力は、その「変わらない味」にあります。ウスターソースをベースとした独自のソースは、濃すぎず、あっさりしすぎない絶妙なバランスを保っています。この味は「飽きがこない」と評価され、多くの人にとって日常の定番となっています。特別な宣伝をしなくても、味そのものの力で自然と人気が広がっていきました。

話題を生むチャレンジ商品

近年のペヤングは、「激辛やきそばEND」や「獄激辛やきそばFinal」など、強烈な辛さの商品で注目を集めています。これらはSNSでも多く取り上げられ、若者を中心に話題となりました。
また、「超大盛」や「GIGAMAX」など、通常サイズの数倍にあたる大盛り商品も登場。大胆な企画力が、ファン層をさらに広げることに成功しています。

多彩な味と584種類のバリエーション

ペヤングは「にんにくMAX」や「パクチーMAX」、「豚骨味」など、特定の風味に特化した商品も多数展開しています。「これでもか!」というほど風味を強調した商品は、好奇心を刺激します。
さらに「ミステリー味」など、変わり種の商品も話題となり、これまでに開発された種類はなんと584種類にも達します。多様な商品があることで、消費者を飽きさせず、リピーターを増やす要因となっています。

焼きそばなのに「焼いてない」?

インスタント焼きそばは本来、焼いていないのに「焼きそば」と呼ばれています。ペヤングもその例外ではありませんが、その点に注目し、「焼きペヤングメーカー」という専用ホットプレートを発売しました。
この商品は、ペヤングを実際に焼くことができる調理器具として話題になり、多くのファンに支持されています。弱点に見えるポイントさえも、新たな魅力へと変える工夫がされています。

焼きペヤングメーカー(ライソン株式会社)
※生産終了
ペヤングの人気を支える5つの理由

1. 変わらない味
発売以来、基本の味を守り続けることで、安心感と親しみを届けています。

2. 話題性のある商品展開
激辛や超大盛など、思い切った企画でSNSなどを通じて注目されています。

3. 幅広い世代への支持
子どもから大人まで、幅広い年代に親しまれており、特に関東地方での人気が高いです。

4. 柔軟な商品開発
日常の小さな気づきや流行を取り入れる柔軟な発想が、次々と新商品につながっています。

5. 自然に広がるバズマーケティング
SNSで話題となりやすい商品作りが、宣伝費をかけずともブランド力を高めています。

食品の「個性化」が進む時代

最近では、食品業界全体で「個性」や「カスタマイズ性」を重視する流れが強まっています。たとえば、自分好みにトッピングできるラーメン店や、調理工程を選べる冷凍食品などが増えています。
ペヤングの多彩な商品展開も、このトレンドに合致しており、消費者が「自分らしさ」を求める時代のニーズに応えていると言えるでしょう。

まとめ
  • ペヤングは、変わらない味と親しみやすさで50年間愛されてきた
  • 激辛や大盛りなど、挑戦的な商品が話題となっている
  • 弱点も発想の転換で強みに変えている
  • 食品業界全体で、個性やカスタマイズ性が求められている

ペヤングは、身近な生活の中からヒントを見つけ、新しい商品として形にしています。この姿勢はビジネスのヒントにもなります。
皆さんも、普段の生活の中で「これがあったらいいな」と思うものを考えてみましょう。それが新しいサービスや商品につながる第一歩になるかもしれません