M-1は令和ロマンが史上初2連覇!賞金1000万円、実際はどれくらいもらえる?

【M-1】令和ロマン史上初連覇でチャラ?!今年はケムリが賞金1000万全てゲット!前回はくるま総取り - スポニチ Sponichi Annex 芸能

 漫才日本一を決める「M-1グランプリ2024」の決勝戦が22日、東京・六本木のテレビ朝日で行われ、20代目王者の「令和ロマン」が優勝者会見に出席。賞金100…

M-1グランプリ2024で、お笑いコンビ「令和ロマン」が史上初の2連覇を達成し、優勝賞金1,000万円を松井ケムリさんが全額受け取ることになりました。 しかし、この1千万円はそのまま自由に使えるわけではなく、税金や事務所の取り分などが差し引かれます。
また、同じ1千万円でも「M-1の賞金」「宝くじ」「ボーナス」など、どのように受け取るかで手取り額は大きく変わります。あなたは、どの1千万円なら一番多く手元に残るか、説明できますか。

令和ロマンの連覇と賞金のゆくえ

2024年のM-1グランプリ決勝は、12月22日にテレビ朝日(東京・六本木)で行われ、令和ロマンが第20代王者として連覇を達成しました。 報道によると、昨年は高比良くるまさんが賞金1千万円をすべて受け取り、今年は松井ケムリさんが全額を受け取ると会見で明かしています。

M-1の優勝賞金は1千万円で、コンビにまとめて贈られるのが基本です。 今回のようにコンビ内で「どちらが受け取るか」を決めるケースは話題になりますが、実際に重要なのは「税金上はどう扱われるのか」という点です。

M-1グランプリウェブサイトより
賞金にかかる税金の基本ルール

「賞金」は原則「一時所得」
懸賞やコンテストの賞金、多くのスポーツ・イベントの賞金などは、基本的に「一時所得」という種類の所得に分類されます。 一時所得では、次のような計算式で課税される金額を出します。

  • 一時所得の金額 =(収入金額 − その収入を得るためにかかった費用 − 特別控除50万円)÷2

「特別控除50万円」とは、同じ年の一時所得全体から最大50万円までは差し引いてよいという仕組みです。 この「÷2」が入るため、同じ金額でも、給料などと比べると税金の負担がやや軽くなるという特徴があります。

ただし「職業との関係」で扱いが変わる場合も
賞金であっても、プロスポーツ選手やタレント・芸人など、その活動が「仕事」とみなされる場合は、賞金が「事業所得」や「給与所得」と扱われることもあります。 税務上どの区分になるかは、活動の実態や契約内容で決まるとされており、専門家のあいだでも議論があります。
そのため、令和ロマンの賞金が実際にどの所得区分になるか、また具体的な税額や手取り額は、公表されていません。

1千万円の「手取り額」を比べてみる

ここでは、ニュースや税制の一般的なルールをもとに、「1千万円」を受け取ったときのイメージを比較します。具体的な数字は、制度の説明用の目安です。

1. M-1の賞金(コンテストの賞金)
懸賞金やコンテスト賞金は、一時所得として扱われるのが基本です。 1千万円まるごとが課税対象ではなく、必要経費と50万円の特別控除を引き、その半分だけが他の所得と合算されて税率がかかります。
ただし、売れっ子芸人の場合は、仕事としての報酬(事業所得・給与所得)と位置づけられる可能性があり、この場合は税率や計算方法が変わります。

2. 宝くじ当せん金
宝くじの当せん金は、所得税も住民税もかからない「非課税」と法律で定められています。 そのため、1千万円が当せんすれば、原則として1千万円まるごと手元に残ります。

3. 会社のボーナス(賞与)
会社員がボーナスとして1千万円を受け取る場合は、「給与所得」として扱われ、所得税・住民税に加えて、健康保険・年金・雇用保険などの社会保険料が差し引かれます。
税率は年収全体で決まり、高収入になるほど高くなります。社会保険料も賞与に対して一定割合でかかるため、手取りは1千万円よりかなり小さくなります。

4. 株式の売却益
株式を売った利益は、原則として「譲渡所得」として扱われ、所得税15%と住民税5%、あわせて20%前後の税率で課税されます。 1千万円の売却益なら、約2百万円強が税金として差し引かれ、手取りはおおよそ8百万円台になるイメージです。

5. 遺産として受け取る1千万円
遺産としてお金を受け取る場合は、所得税ではなく「相続税」の対象になります。 相続税には「基礎控除」があり、「3,000万円+法定相続人の数×600万円」を超えた部分に対して税金がかかります。 遺産全体の額や相続人の人数によって、1千万円のうちどれくらいが税金として出ていくかは大きく変わります。

6. YouTube収益などの事業収入
YouTube広告収入やインフルエンサーとしての収益は、継続的に得ていれば「事業所得」として扱われるのが一般的です。 経費を差し引いた利益に対して、所得税と住民税がかかり、社会保険料も連動して増えます。
売上が1千万円でも、必要経費の多さや他の収入との合計で、手取りは大きく変わります。

1千万円の受け取り方と「社会の仕組み」

同じ「1千万円」でも、

  • 非課税となる宝くじ
  • 一時所得として計算される賞金
  • 給与所得として税金・社会保険料がかかるボーナス
  • 相続税が関係する遺産 など、受け取り方によって手取り額も、関係する法律や税金の種類も変化します。

2024年のM-1賞金をめぐっては、一時所得か事業所得か、事務所との配分をどう考えるかなど、税務上の取り扱いが専門家のあいだでも議論されています。
同じお笑い賞レースやeスポーツ大会の賞金についても、性質や契約によって税金の扱いが議論されており、「賞金と税金」はエンタメ業界全体のテーマになっています。

まとめ
  • 令和ロマンはM-1グランプリ2024で史上初の2連覇を達成
  • 優勝賞金1千万円は松井ケムリさんが全額受け取ると報道されている
  • 賞金は原則「一時所得」として扱われるが、仕事との関係で別の扱いになる場合もある
  • 宝くじの当せん金は、所得税・住民税ともに非課税で全額が手元に残る
  • ボーナスや事業収入などは、税金だけでなく社会保険料も差し引かれ、手取り額は大きく目減りする

M-1グランプリのニュースは、「お笑い」「エンタメ」の話題であると同時に、「お金の受け取り方で、なぜ手取りがこんなに変わるのか」を考えるきっかけになります。

同じ1千万円でも、「宝くじ」「賞金」「給料」「相続」「投資の利益」では、関係する法律と税金の種類がまったく異なり、その結果として、社会のどこにどれくらいお金が回るのかも変わります。

ここから、次のような点を自分で調べてみるのもおすすめです。

  • 「一時所得」と「給与所得」「事業所得」「譲渡所得」の違いは何か
  • どうして宝くじだけが法律で非課税と決められているのか
  • 税金や社会保険料は、どのような公共サービス(道路、学校、医療など)に使われているのか
  • 将来、自分が働き方や収入の種類を選ぶとき、どのように「手取り」と「社会への負担」のバランスを考えるべきか

ニュースをきっかけに、「どれだけ稼ぐか」だけでなく、「どのように受け取り、どのように社会とつながるお金なのか」という視点で、税金や経済の仕組みを深く学んでみてください。