値上げは悪いこと?お店と消費者それぞれの気持ち

みなさんは、いつも行っているお店の値段が上がるとどう感じますか?「もっと高くなった!」と驚いたり、ちょっと不満に思ったりすることがあるかもしれません。でも、実はお店の人たちも値上げをするのに苦労していることが多いんです。
値上げについて、客とお店の両方の立場から考えてみましょう。どうして日本では値上げが難しいのか、そして企業がどうして値上げをしなければならないのかについて説明します。

値上げはなぜ嫌われるの?

日本では、値段が上がると「お金がもっとかかるから、困る」と思う人がたくさんいます。この考え方は、日本が長い間デフレ(ものの値段が下がり続ける状態)だったことに関係しています。デフレの間、私たちは物の値段が安いのが当たり前と感じるようになり、少しでも値段が上がると「高すぎる!」と感じるようになったのです。

たとえば、いつも買っているアイスクリームの値段が急に上がると、みんなびっくりしますよね。「このアイス、前はもっと安かったのに」と思うかもしれません。日本の消費者は特に値上げに敏感で、少しの値上げでもそのお店に行かなくなる人が増えることがあります。

お店はどうして値上げするの?

それでは、なぜお店や企業は値上げをするのでしょうか?実はお店側も、できれば値上げはしたくないと思っています。しかし、人を雇うための費用や、食べ物の材料費がどんどん上がっているため、価格を上げなければお店がやっていけなくなることがあります。お店も生活していくために、お金を稼ぐ必要があるのです。

たとえば、みんながよく行くファーストフード店でも、ハンバーガーやポテトの値段が少しずつ上がっているのを見たことがあるでしょう。これは、材料の価格や、働く人の給料が上がったために、値段も上がらざるを得ないという理由があるのです。

日本の値上げの難しさ

日本では、消費者が値上げを嫌がるため、お店も「値段を上げるとお客さんが減ってしまうかもしれない」と心配します。その結果、値上げを躊躇ちゅうちょすることが多いのです。しかし、もし値上げをしないと、お店が利益を出せなくなり、閉店したり、倒産したりすることもあります。お店にとっては、値上げをすることは大きなリスクですが、やらないともっと大きな問題に直面するかもしれないのです。

他の国、たとえばアメリカやヨーロッパでは、物の値段が少しずつ上がる「インフレ」が当たり前です。そうした国では、人々が値上げに慣れているため、値段が上がっても「そういうものだ」と思って買い物を続けることが多いのです。しかし、日本ではデフレが長く続いたため、値上げに対する耐性たいせいがまだ弱いと言われています。

消費者とお店のバランス

消費者の立場から見ると、値上げは確かに嬉しくないことです。物価が上がると、毎日の生活費が増えるので、家計に大きな影響があります。でも、お店や企業にとっては、値上げをしないと利益が出せず、サービスの質が下がってしまうこともあります。このように、値上げには消費者とお店の両方の立場が関わっているため、両者のバランスを考えることが大切です。

まとめ
  • 日本では「値上げは悪いこと」という考え方が強い
  • デフレの影響で、値上げに敏感な消費者が多い
  • お店や企業は、コストが増えたときに値上げをしなければやっていけなくなることがある
  • 値上げをしないことで、お店が閉店や倒産するリスクがある
  • 消費者とお店のバランスを考えることが大切

もし、あなたのお気に入りのお店が値上げをしたらどう感じますか?値上げがなぜ必要なのか、考えてみたことがありますか?
「どうして値段が上がるのか」「お店や企業はどんな悩みを持っているのか」について考えてみましょう。消費者としての考えと、お店の気持ちを両方理解することで、新しい発見があるかもしれません。

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記事作成者

清水 裕矢 | Shimizu Yuya
清水 裕矢 | Shimizu YuyaProgress CFO / こども未来投資プロジェクト 代表理事
山口県防府市出身。大学卒業後に学習塾講師、パソコンインストラクター/営業を経て、外資系産業ガス企業に入社。以降、複数企業・複数業種の財務経理責任者・CFO歴任。こどもの金融リテラシー講座 CA$H! 講師/カリキュラム・テキスト作成。
「会計・IT・英語があればなんとかなる」がポリシー。nine inch nailsやMetal Coreを愛聴。