「QUOカード12万円出すよ!」株主優待を一度も実施せず廃止したRevolution社
株主優待「レボちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかな?」
レボリューション社「バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇよ。」
(映画「キッズ・リターン」風)
株式会社レボリューション(REVOLUTION)は2024年10月、「年間12万円分のQUOカードPay」という高額な株主優待制度を発表しました。しかし、2025年3月11日、初回の優待実施を前に突然の廃止を決定。この発表により、同社の株価は夜間取引で25%以上急落しました。
この一連の動きは、投資家や市場に大きな波紋を呼び、企業の透明性や経営戦略の信頼性について議論を巻き起こしています。
優待制度の内容と廃止までの経緯
レボリューション社の株主優待制度は、以下の条件で実施予定でした。
- 毎年4月末と10月末を基準日として、2000株以上を保有する株主が対象
- 2回以上連続で株主名簿に記載された株主に「QUOカードPay」6万円分(年間12万円分)を贈呈
- 2025年4月末から実施予定だった
しかし、2025年3月11日に突如、優待廃止が発表されました。この時点での株価は1株195円であり、優待利回りは約30.76%という驚異的な水準となる予定でした。
仮に195円で2000株を買うなら、195円x2,000株=390,000円
39万円で株を買えば、3年でほぼ買った値段と同じくらいのQUOカードが手に入るという夢のような優待だったのです。
ただし、「株主優待が続くのなら」という仮定でした。
この株主優待が発表されたときには、この優待目当てが多くの人がレボリューション社の株を買いました。結果、株価は大きく上がりましたが、一部では「現実的じゃない」「株価上げるための花火でしょ」のような意見もありました。
優待廃止の理由と背景
レボリューション社は、廃止の理由として以下の点を挙げています。
- 想定外の株主増加:WeCapital社との株式交付により、新たな株主が急増。当初3,000人と想定していた優待対象者が約10,000人に拡大。
- 優待コストの膨張:優待費用が当初予定の1.8億円から最大11.9億円にまで拡大し、会社の財政を圧迫。
- 株式市場での不安定な動き:WeCapital社の株主が予想に反して大量に売却し、想定以上の株価変動が発生。
このような状況を受け、同社は優待制度を維持できなくなったと説明しています。
株価操作疑惑と批判の声
優待廃止をめぐり、以下のような批判や疑念が寄せられています。
- 金融商品取引法違反の疑い:優待制度の発表時点で実施の意思がなかったとすれば、投資判断に影響を与える重要事項の虚偽記載に該当する可能性。
- 「詐欺的行為」との指摘:「株主優待詐欺ではないか?」という厳しい批判がSNSなどで拡散。
- 取締役の善管注意義務違反の可能性:株主からの集団訴訟のリスクが指摘されている。
- 株価操作の疑念:優待発表時には株価が418円に急騰。その後、徐々に下落し、廃止発表時には195円に。
投資家からは「最初から無理な優待制度だったのでは?」との声もあり、制度の持続可能性についての疑問が当初から指摘されていました。

みんかぶより
経営トップの退任も発表
注目すべきは、優待廃止の発表と同日に代表取締役の退任も発表されたことです。この決定により、経営陣の責任問題についても議論が広がっています。
株主優待のリスクと投資家の学び
この事例は、投資家にとって重要な教訓を示しています。
- 高すぎる優待利回りには要注意:年12万円という高額優待が、そもそも持続可能だったのかを見極める必要がある。
- 企業の財務状況を確認:優待の原資となる企業の財務健全性を把握することが大切。
- 長期的な視点で投資判断をする:優待だけでなく、企業の経営戦略や成長性を考慮する。

まとめ
- レボリューション社は年間12万円分の株主優待を発表後、一度も実施せずに廃止
- 株価は発表後に急落し、市場に混乱を招いている
- 株主優待の持続可能性や企業の経営姿勢が問われる事態に
- 投資判断には、優待だけでなく財務状況や企業戦略の総合的な分析が不可欠
もしあなたがレボリューション社の株主だったら、この廃止についてどのように感じますか?
- 「年間12万円の優待」という話を聞いて、どのような点に疑問を持ちますか?
- 今回の事例は「投資家保護」の観点からどのような課題を示しているでしょうか?
- あなたが将来投資をする際、企業の情報をどのように評価しますか?信頼性を判断するポイントは何でしょうか?
投資の知識は大人になってからではなく、若いうちから学ぶことが大切です。今回の事例を通じて、投資判断に必要な批判的思考力や情報分析力を養いましょう。お金の流れや企業の戦略を理解することは、社会をより深く知ることにもつながります。

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