なぜ車内販売は消えたの?:歴史と消えた理由
儲けは「食堂車の3倍」!? それでも鉄道の「車内販売」が廃れたワケ 駅弁がちょっと高い理由もここに? | 乗りものニュース
東海道・山陽新幹線での車内販売終了など、列車内での販売業態は全国的に縮小傾向です。食堂車よりは手軽そうな印象ですが、なぜ消えていくのでしょうか。サービスの起こりから現在に至るまでを振り返ってみましょう。
みなさん、電車でお弁当を買ったことがありますか?昔、新幹線や特急列車には「車内販売」というサービスがありました。ワゴンを押して、お菓子や飲み物、お弁当を売っていたんです。しかし、最近ではこの車内販売がほとんどなくなってしまいました。
今回は、なぜ車内販売がなくなったのか、その歴史と現状を一緒に見ていきましょう。
車内販売の始まり
車内販売は1897年(明治30年)に始まりました。当時、列車ではお寿司やサンドウィッチ、果物などが売られていました。地方では駅弁を売っていないことも多く、長時間の移動で食べ物を手に入れるのが難しかったため、車内販売はとても便利でした。
しかし、物流や人員の確保が難しく、すぐには広まりませんでした。それでも徐々に物流が整備され、サービスが拡大していきました。
戦後の車内販売と食堂車
戦後、車内販売が再開されました。食堂車は運営が大変で、多くの人手とコストが必要だったため、ワゴンを使った車内販売が特に人気になりました。特に食堂車がない列車でよく利用され、新幹線でもお弁当や飲み物の販売が始まりました。
車内販売の効率の良さ
車内販売の利益が高い主な理由は以下の通りです:
- 食堂車で10万円の売り上げを達成するには6人のスタッフが必要だったが、車内販売は3人で同じ売り上げを達成できた
- 少ない人数で運営できるため、コストを抑えることができた
- 食材の廃棄が少なく、無駄を減らすことができた
こうした理由から、車内販売は食堂車に代わる重要なサービスとなったのです。
車内販売の商品とその値段
車内販売の商品は、駅やコンビニで買うより少し高めに設定されていました。
主な理由:
- 特別なサービスや輸送コストが含まれている
- ワゴンで商品を運びながら販売するための人件費や管理費がかかる
- 限られたスペースで新鮮さを保つ工夫が必要だった
車内販売が減った理由
近年、車内販売のサービスはどんどん減っています。
主な理由:
- 駅で簡単にお弁当や飲み物を買えるようになった(「駅ナカ」などのお店で事前に購入可能)
- コンビニや自動販売機の普及により、車内で買う必要が少なくなった
- スマホでのモバイルオーダーや便利なコンビニエンスストアの増加で、車内販売の需要が減った
現在の車内販売
今でも、一部の観光列車や特別な列車では車内販売が行われています。
たとえば、豪華な観光列車では専属のスタッフがサービスを提供しています。「トワイライトエクスプレス瑞風」や「ななつ星 in 九州」といった観光列車では、特別な料理や地元の特産品を楽しむことができます。しかし、普通の新幹線や特急列車では、車内販売を見ることはほとんどなくなりました。
車内販売が残したもの
車内販売が減っていく中で、私たちは新しい便利さを手に入れましたが、どこか寂しい気持ちがある人もいるようです。
車内販売は、移動中に特別な体験を提供してくれるものでした。今では、それに代わる新しい楽しみ方を見つけることが必要かもしれません。
まとめ
- 車内販売は明治時代に始まり、戦後に広がった
- 食堂車は多くの人手が必要だったため、車内販売が代わりに使われた
- 車内販売は食堂車より効率的に利益を上げた
- 駅ナカやコンビニの普及で、車内販売の需要が減少
- 現在は観光列車など特別な列車のみで車内販売が行われている
最近では、観光列車が注目されています。たとえば、JR四国の観光列車「伊予灘ものがたり」では、特別な車内販売が行われており、地元の特産品を楽しむことができます。観光列車の魅力は、地元の食べ物を楽しみながら移動できることで、これが新しい形の車内販売として人気を集めています。
みなさんは、電車の中で特別な体験をしたことがありますか?たとえば、友達と一緒に食べたお弁当が特においしかったとか、知らない人とお話ししたことがあるなど。
わたしたちは「モノ」だけではなく「体験」にもお金を払います。電車でどんなことができると楽しめそうでしょうか。
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