サンリオピューロランド:年パス値上げと入場除外日の設定
2026年1月26日、サンリオピューロランドは、2026年4月1日以降に購入される年間パスポート(年パス)の価格と利用条件を改定すると発表しました。大人・小人ともに料金が引き上げられるだけでなく、これまで原則としていつでも利用できた年パスに、初めて「入場できない日(入場除外日)」が設けられます。
人気のテーマパークで、なぜ「値上げ」と「制限」が同時に進められるのでしょうか。その背景には、屋内型施設ならではの物理的な制約、来場者構成の変化、そして日本のテーマパーク全体で進む価格調整の動きがあります。テーマパーク経営について考えてみましょう。
まずはクイズで考えてみよう
Q. サンリオピューロランドの大人向け年間パスポート(デジタル版)は、2026年4月1日以降、いくら値上げされると発表されているでしょうか。
A. 1,000円
B. 2,000円
C. 3,000円
→ 正解は C. 3,000円 です。
大人のデジタル版年パスは、20,000円から23,000円へと3,000円引き上げられます。小人(3〜17歳・高校生)も10,000円から12,000円へ値上げされ、カード版についても大人・小人ともに2,000〜3,000円の範囲で価格が改定されます。
今回の変更では、価格改定と同時に「入場除外日」の新設や更新サービスの終了といった利用条件の見直しが行われる点が特徴です。
2026年4月から何が変わるのか
サンリオピューロランドの発表によると、2026年4月1日以降に購入する年間パスポートから、以下の改定が適用されます。
- 価格の引き上げ
- 大人(デジタル版):20,000円 → 23,000円
- こども(デジタル版):10,000円 → 12,000円
- カード版は大人25,000円、こども14,000円へ改定
- 入場除外日の新設
- これまで休館日などを除き利用できましたが、今後はゴールデンウイークや夏休み、連休などを中心に、年パスでは入場できない日が設定されます。
- 2026年度は合計42日間が対象になると案内されています。
- 更新サービスの終了
- 有効期限の1か月前から更新できる制度は、2026年2月28日で終了します。
なお、2026年3月31日までに購入した年パスについては、有効期限が切れるまで従来と同じ条件で利用できます。

収容人数の上限と「客単価」という考え方
値上げと利用制限が同時に行われる理由は、ピューロランドの施設特性と経営方針から説明できます。
サンリオの決算説明会や統合報告書では、ピューロランドについて「屋内型施設であるため、収容人数に物理的な上限がある」と繰り返し説明されています。実際、直近の来場者数は1日あたり約5,000〜6,000人で推移し、会社側は「収容制限の上限に近づいている」としています。
来場者数をこれ以上大きく増やしにくい状況では、経営の焦点は客単価に移ります。客単価とは、来場者1人あたりが入場料や飲食、グッズ購入などを通じて使う平均金額を指します。企業側は、来場者数と客単価の両方を考えながら、売上や混雑のバランスを取る必要があります。
来場者層の変化と年パスの役割
現在のピューロランドでは、ファミリー層が依然として大きな割合を占める一方、20〜30代の女性を中心とした大人の来場者も重要な存在になっています。SNSでの発信や「推し活」を楽しむ層が増え、子ども向け施設というイメージから、「大人も楽しめるテーマパーク」へと位置づけが変化してきました。
このような来場者構成の変化は、年パスの価格や条件が経営に与える影響を大きくします。大人向け年パスの改定は、収益だけでなく、来場頻度や混雑状況にも関わる重要な判断といえます。

他のテーマパークでも進む価格調整
サンリオピューロランドの動きは、個別の例ではありません。帝国データバンクなどの調査によると、日本の主要レジャー施設の約4割が2025年に値上げを実施しており、テーマパークでは半数以上がチケット価格を引き上げています。
東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)でも、需要の高い日に価格を高く設定する変動価格制や、年間パスポートへの入場除外日の設定が一般的になっています。混雑を抑えつつ、来場体験の質や収益を維持するための共通した対応といえます。
値上げをすると客は減るのか
値上げが続くと、「客数が減ってしまうのではないか」と感じる人も多いでしょう。しかし、過去の事例を見ると、必ずしも値上げが来場者数の減少につながるとは限りません。
東京ディズニーリゾートやUSJでは、過去10年以上にわたり複数回の値上げを行ってきましたが、長期的な年間来園者数は横ばい、または増加傾向で推移している時期が多く見られます。
また、千葉県のテーマパーク「カンドゥー」のように、繁忙期の料金を上げた後に来場者数が過去最高を記録した事例も報じられています。
これらは、値上げや人数制限が、単なる客離れではなく、混雑緩和やサービス向上とセットで行われることで、結果的に需要が維持・拡大しているケースがあることを示しています。
まとめ
- サンリオピューロランドは、2026年4月から年間パスポートの価格と条件を改定
- 大人デジタル版年パスは23,000円となり、3,000円の値上げ
- ゴールデンウイークや夏休みなど、年間42日の入場除外日を新設
- 屋内型施設のため来場者数には物理的な上限がある
- 運営では来場者数と客単価の両立が重要なテーマ
- 他の主要テーマパークでも値上げや価格調整が一般化している
今回のニュースは、「値上げ」という結果だけでなく、「限られた人数しか入れない場所に、行きたい人が増えたとき、どう調整するか」という経済の基本的な問題として捉えることができます。テーマパークでは、価格、日程、利用条件を組み合わせることで、人の流れと収益のバランスを取っています。
もしあなたが好きな場所の運営者だったら、人が集まりすぎたときにどのようなルールを設けるでしょうか。価格を上げる、日程を制限する、会員制度を導入するなど、選択肢はいくつも考えられます。次にテーマパークやイベントのチケットを見るときは、「この価格や条件は何を調整しているのだろう」と考えてみると、経済の仕組みがより身近に感じられるかもしれません。

