IPO間近のSBI新生銀行が普通預金「年4.20%」キャンペーン

【事前告知】SBIハイパー預金の金利が、最大10倍の特別金利キャンペーン | SBI新生銀行

12月10日より開始予定、SBIハイパー預金の金利が最大10倍の年4.2%(税引前)!条件達成で誰でも参加可能、SBIハイパー預金のお申し込みはお早めに!

SBI新生銀行が、普通預金の金利を”最大”年4.20%にできるキャンペーンを始めています。メガバンクの普通預金金利が年0.20%前後、多くのネット銀行が年0.20〜0.30%台であることを考えると、この数値は際立っています。

日本は長く超低金利が続き、普通預金の金利はほぼ増えない時期が10年近く続きました。ところが、2024〜2025年にかけて日本銀行が金融政策を転換し、銀行の金利は少しずつ動き始めています。 今回のキャンペーンは、この変化の中で「預金の金利がどのように決まるのか」を見直すきっかけになります。自分のお金の置き方や資産形成を考えるうえで、どんな意味があるのか一緒に整理してみてください。

年4.20%キャンペーンの仕組み

SBI新生銀行は「目指せ1兆円!SBIハイパー預金 金利最大10倍キャンペーン」を2025年12月10日〜2026年3月31日に実施しています。対象は、SBI証券と連携した円普通預金「SBIハイパー預金」の利用者で、事前エントリーが必要です。

まず、基本条件を整理すると次のとおりです。

  • 対象商品:SBIハイパー預金(円普通預金)
  • 必要な手続き:事前エントリー
  • キャンペーン期間:2025年12月10日〜2026年3月31日
  • 金利の上乗せ方法:総残高に応じて通常金利0.42%に倍率をかける
  • 特別金利の対象金額:1人あたり上限100万円
  • 受取方法:通常金利との差額を日割り計算し、2026年5月末までにまとめて入金

金利の倍率は、銀行全体のハイパー預金「総残高」の水準で決まります。

総残高の水準金利倍率実質金利(年率)
6,000億円超2倍0.84%
8,000億円超4倍1.68%
1兆円超10倍4.20%

銀行は、この仕組みを「お客さま参加型」と説明しており、利用者が預け入れを増やすほど金利水準が上がる、協力型のキャンペーンとして設計しています。

今の普通預金金利と比較する

2025年、3メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ)は、日本銀行の利上げを受けて普通預金金利を年0.10%から年0.20%に引き上げました。この水準は同年後半まで続いています。

一方で、ネット銀行やSBIハイパー預金は次のような水準になっています。

種類一般的な金利水準(年)備考
メガバンク普通預金約0.20%3行ほぼ横並び
多くのネット銀行約0.20〜0.30%条件なしの標準レンジ
条件付きネット銀行約0.40〜0.60%カード利用などで優遇
SBIハイパー預金(通常)0.42%条件付きでなくこの水準
SBIハイパー預金(最大)4.20%キャンペーン・上限100万円

この表から、SBIハイパー預金の通常金利0.42%でも、一般的な普通預金と比べて高い位置にあることが分かります。さらに、総残高が1兆円を超えた場合の年4.20%は、2025年の日本の普通預金金利としては突出した水準です。

ただし、

  • 期間限定のキャンペーンであること
  • 上限100万円までの金額にしか適用されないこと

といった条件があるため、「長期間ずっと4.20%」というわけではありません。この点を理解したうえで、他行の金利と比較することが大切です。

金利上昇局面とSBI新生銀行の狙い

日本銀行の統計によると、普通預金金利は2015年以降、年0.001%前後が続いてきました。マイナス金利政策と長期の金融緩和により、家計から見ると「利息がほとんどつかない」状態が長く続いていたことが分かります。

2024年にマイナス金利が解除されても、多くの銀行は当初、金利を年0.01%前後にとどめていました。2025年1月の追加利上げ後、メガバンクが普通預金金利を年0.20%に引き上げたことで、消費者が「金利が上がった」と実感できる局面に入っています。

こうした流れの中で、SBIハイパー預金は2025年9月の提供開始後、残高が急速に増えています。銀行は残高1,000億円、2,000億円、4,000億円、5,000億円に到達するたびにニュースリリースを出し、「より多くのお客さまに利用してもらうためにキャンペーンを展開している」と説明しています。

SBIハイパー預金はSBI証券と自動連携し、株式や投資信託の買付余力と一体で管理できる点も特徴です。待機資金を普通預金で持ちながら、比較的高い金利を得られるサービスとして位置づけられています。

さらにSBI新生銀行は、2025年12月17日に東京証券取引所プライム市場への上場を予定しています。SBI新生銀行は、ハイパー預金を含む個人向けサービスを成長戦略の一つとして挙げており、高金利キャンペーンは利用者への案内であると同時に、投資家に対しても預金残高の伸びを示す材料になっています。

家計にとってのメリットと注意点

年4.20%という数字は、普通預金としては非常に魅力的です。メガバンクの年0.20%や、多くのネット銀行の年0.20〜0.30%と比べると、大きな差があります。

一方で、この特別金利には次のような条件があります。

  • SBIハイパー預金の総残高が1兆円に達した場合のみ4.20%が適用される
  • 対象金額は1人あたり100万円まで
  • 適用期間は2025年12月10日〜2026年3月31日
  • 特別金利分は後日まとめて入金される

そのため、

  • 通常の普通預金金利が今後も年4.20%で続くわけではない
  • あくまで期間限定・条件付きのキャンペーンである

という点を押さえておく必要があります。

それでも、長く年0.001%前後だった日本の普通預金金利を振り返ると、「預金金利がここまで上がりうる」という実例になっていることは確かです。各種メディアがこのキャンペーンを取り上げている背景には、日本の金利環境が変化し、銀行間の預金獲得競争が強まっているという流れがあります。

まとめ
  • SBI新生銀行が普通預金で最大年4.20%のキャンペーンを実施
  • 対象はSBIハイパー預金と事前エントリー済みの利用者
  • 総残高に応じて金利が最大10倍になり上限100万円まで適用
  • 2025年の普通預金金利は年0.20〜0.30%が一般的な水準
  • 日本は長く年0.001%前後の超低金利が続いていた
  • 金利上昇局面で預金獲得競争が強まっている現状を映す事例

金利がどのように決まるかを理解すると、預金や資産形成の判断が大きく変わります。普通預金の金利は、日本銀行の政策金利、銀行どうしの競争、銀行がどれだけ資金を集めたいかといった要素の影響を受けます。

どの金融機関に、どれくらいのお金を置いておくかを考えることは、将来の資産形成の第一歩です。今回のSBIハイパー預金のニュースをきっかけに、「金利」「預金」「投資」「銀行の経営」のつながりを、自分なりに図にして整理してみてください。