おいしいチョコが食べられなくなる?カカオ価格高騰

カカオ不足深刻、チョコメーカーのハーシーが大量確保目指す-関係者 - Bloomberg

世界的な供給不足でカカオ価格が過去最高を更新し続けている中で、大手チョコレートメーカーの米ハーシーはニューヨークの取引所を通じ大量のココアを確保したいとし、例外的な購入許可を米商品先物取引委員会(CFTC)に求めている。事情に詳しい関係者が明らかにした。

チョコレートがなくなるかもしれない… そんなニュースを聞いたらどう思いますか?
今、世界のカカオの生産が減っていて、チョコレートメーカーが対応に追われています。例えば、アメリカのハーシーは9万トン以上のカカオを確保しようとしています。日本のメーカーでも値上げや内容量を減らす動きが進んでいます。どうしてこんなことが起きているのか、一緒に考えてみましょう。

世界のカカオ不足の原因

病気と天候の問題
カカオ不足の原因の一つは、西アフリカで広がったカカオの木を枯らす病気です。この病気のせいで、たくさんのカカオが育たなくなっています。また、雨が少なすぎたり多すぎたりする異常気象も原因です。これらが重なって、カカオの収穫量が減っています。

カカオの値段が高くなる
こうした問題で、カカオの値段がとても高くなっています。2024年には1トンあたり1万ドルを超え、過去5年間で一番の値上がりを記録しました。この影響で、チョコレートだけでなく、カカオを使う食品や化粧品の値段も上がる可能性があります。

日本のチョコレート事情

輸入に頼る日本
日本で使われるカカオのほとんどは、西アフリカのガーナやコートジボワールから輸入されています。日本ではカカオがほとんど作られていないため、輸入に頼るしかありません。このため、世界的なカカオの値段が高くなると、日本のチョコレートの値段もすぐに影響を受けます。

消費者にどう影響するの?
2024年には、日本のチョコレートメーカーが製品の値上げを発表しました。一部の商品では値段はそのままで内容量が減る「シュリンクフレーション」という方法もとられています。また、円安や運送料の値上がりも、チョコレートの値段に影響しています。

世界のカカオ生産国トップ5

現在、世界のカカオをたくさん作っている国は次の5つです:

  1. コートジボワール:世界で一番カカオを作っている国で、全体の40%を占めています。小さな農家が多く、フェアトレードの活動も進んでいます。
  2. ガーナ:コートジボワールに次ぐカカオ生産国で、品質の良いカカオが有名です。
  3. インドネシア:アジア最大のカカオ生産国で、国内でもたくさん消費されています。
  4. ナイジェリア:カカオの6%を作っている国で、若い人たちに農業を教える取り組みが行われています。
  5. エクアドル:南米で一番の生産国で、特に香りが良いカカオを作っています。

これらの国々はカカオを作る上で大事な役割を担っていますが、病気や天候の問題を抱えているため、持続可能な農業が必要です。

ハーシーの対応策

アメリカの大手チョコレートメーカー「ハーシー」は、9万トン以上のカカオを購入する計画を立てています。これは通常の購入量の9倍に相当し、特別な許可を要する規模です。ハーシーの行動は、企業が市場を安定させる努力であると同時に、価格高騰につながるリスクもはらんでいます。

カカオを守るために

フェアトレード
フェアトレードとは、発展途上国で働く生産者や労働者が適正な価格で取引を行い、安定した生活を送れるようにする仕組みです。
例えば、カカオ農家が適正な収入を得られるようにすることで、家族の生活や子どもの教育を支えることができます。また、フェアトレードの商品を選ぶことで、環境に優しい農業や持続可能な生産を応援することにもつながります。

未来に向けた取り組み
カカオの安定供給を続けるためには、生産国での病気対策や天候に強いカカオの研究が必要です。フェアトレード商品を選ぶことで、カカオを育てる農家を応援することもできます。私たち一人一人の選択が未来のチョコレートを守る力になります。

お気に入りのチョコレートを手にするとき、生産地や価格の背景について考えたことはありますか?チョコレートを作るためには、たくさんの人の努力と自然の恵みが必要です。
でも、今は病気や天候不良が原因でカカオの生産が難しくなっています。未来もおいしいチョコレートを楽しむために、どんなことができるのでしょう。
例えば、フェアトレードの商品を選ぶことや、カカオ生産の仕組みを学ぶことがその一歩かもしれません。

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