建設費高騰で中野サンプラザも渋谷スクランブルスクウェアも再開発がストップ!
「身の丈」に合ってなかった? 再開発で「中断」「延期」相次ぐ 中野・津田沼・五反田から学ぶ(1/3 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン
中野、津田沼、五反田などで計画していた再開発がとん挫している。一体何が起こっているのか。
最近、日本各地で再開発プロジェクトの延期や中止が増えています。中野サンプラザや渋谷スクランブルスクエアなど、みんなが知っている有名な建物もその影響を受けています。
なぜ、再開発が思うように進まなくなっているのでしょうか?その背景には、建設費の高騰や人手不足、社会の変化など、さまざまな理由があります。
建築費が上がる理由や再開発の仕組み、そして今後の街づくりに注目してみませんか?
再開発プロジェクトの現状
有名な再開発の延期・中止
- 中野サンプラザ
東京都中野区のランドマーク「中野サンプラザ」の再開発計画は、2025年6月に白紙となりました。建築費が大幅に上がり、区と事業者グループの協定が解除されたためです。 - 渋谷スクランブルスクエア
渋谷駅周辺の再開発「渋谷スクランブルスクエア」も、中央棟と西棟の完成が2027年度から2031年度に延期されました。全体の完成は2034年度になる見込みです。
建設費が高騰する理由
資材価格と人件費の上昇
- 2021年以降、木材や鉄鋼、セメントなどの資材価格が急激に上がりました。
- 「ウッドショック」と呼ばれる木材価格の高騰や、鉄鋼・アルミ・ガラス・コンクリートの値上がりが続いています。
- 建設現場で働く人の数が減り、賃金も上昇しています。2021年から2025年の間に建設労働者の賃金は約20%以上上がりました。
円安やエネルギー価格の影響
- 円安が進むことで、海外から輸入する資材の価格がさらに高くなっています。
- 原油や電気などのエネルギー価格も上昇し、建材の製造や運搬コストが増えています。
具体的な影響
- 建設費全体は2021年と比べて平均24〜27%上昇しています。
- 材料費の割合が高いプロジェクトほど、影響が大きくなります。
- 当初の予算を大きく超えてしまい、再開発計画の延期や中止が全国で増えています。
再開発の仕組みと課題
再開発事業では、土地の持ち主(地権者)が土地を出し、開発会社(デベロッパー)が建築費を出して新しい建物を作ります。できあがった建物や土地は、出資した割合に応じて分けられます。
建築費が予定より上がると、開発会社の利益が減ったり、地権者が損をしたりすることもあります。
建築費高騰への対策
対策 | 期待できる効果 | 具体的な工夫やポイント |
---|---|---|
発注や計画を早めに進める | 資材の値上がりを避けられる | 必要な材料や工事を早めに決めて注文する |
共同購入・まとめ買い | 仕入れコストを下げられる | 他の会社や団体と一緒に材料を買う |
デジタル技術の活用 | 作業や管理の効率アップ | 設計や進捗管理にパソコンや専用ソフトを使う |
補助金や助成金の利用 | 費用負担を軽減できる | 国や自治体のサポート制度を活用する |
設計や材料の見直し | 無駄なコストを減らせる | 必要な部分だけに絞って設計する、安くて質の良い材料を選ぶ |
人材の確保と育成 | 人手不足や人件費の問題を緩和 | 外国人労働者の受け入れや若手の育成に力を入れる |
関連ニュース紹介
新宿駅南口や札幌駅、岡山市などでも、建築費の高騰や人手不足が原因で再開発計画の見直しや延期が相次いでいます。大阪・関西万博の会場建設費も、5年間で約2倍に増えたと報じられています。

まとめ
- 中野サンプラザや渋谷スクランブルスクエアの再開発が延期・中止となった
- 建築費の高騰や人手不足が主な原因となっている
- 行政の方針や住民の意見も影響している
- 再開発は土地の持ち主と開発会社が協力して進める仕組み
- 全国で同じような問題が広がっている
建築費の高騰は短期間で解決できる問題ではありません。しかし、発注や計画のスピードアップ、共同購入、デジタル技術の導入、補助金の活用など、さまざまな対策を組み合わせることでリスクを減らすことができます。これからの街づくりやビジネスの現場でも、コスト管理や効率化の工夫がますます求められます。
みなさんも、身近な建物や再開発のニュースに注目し、どんな工夫がなされているか調べてみてはいかがでしょうか。