住信SBIネット銀行がドコモSMTBネット銀行に!通信×信託×AIで銀行はどう変わる?
住信SBIネット銀行の商号の「ドコモSMTBネット銀行」への変更、資本再編および各社間における協業施策の開始について | プレスリリース | NEOBANK 住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行で実施するお知らせをご覧いただけます。
NTTドコモが住信SBIネット銀行を連結子会社とし、2026年8月3日から「ドコモSMTBネット銀行」として再スタートします。通信会社と信託銀行が共同でネット銀行を運営する体制は、日本でも大きな転換点です。
生成AIを使った新サービスや、dポイント、住宅ローン、投資との連携が一体で動く仕組みが示されました。一方、名称の分かりにくさや企業関係の複雑さに戸惑う声もあります。このニュースは、私たちが毎日使う「お金の入口」が、どのような企業の戦略で作られているのかを考える材料になります。
まずはクイズで考えてみよう
(正解は問題をクリック)
Q. 住信SBIネット銀行の住宅ローン残高は、2025年9月末時点で最も近いものはどれでしょうか。
A. 約3兆6,450億円
B. 約5兆6,450億円
C. 約8兆6,450億円
→ 正解は「C. 約8兆6,450億円」です。
住信SBIネット銀行はネット銀行として国内トップクラスの住宅ローン残高を持ち、その顧客基盤をNTTドコモと三井住友信託銀行がどう活用するかが、今回の大きなポイントになっています。
住信SBIネット銀行ってどんな銀行?
住信SBIネット銀行は、2007年に住友信託銀行(現在の三井住友信託銀行)とSBIホールディングスが共同で設立したインターネット銀行です。店舗をほとんど持たず、住宅ローンや預金、振込などをオンラインで完結できる点が特徴でした。とくに住宅ローン分野では規模を拡大し、2025年9月末時点で残高は約8兆6,450億円に達しています。ネット銀行としては国内でもトップクラスの水準です。
この成長を背景に、住信SBIネット銀行は他社アプリに銀行機能を提供する「NEOBANK」モデルを展開してきました。航空会社や流通企業など、28社以上と連携し、口座開設の約7割が提携アプリ経由だと説明されています。銀行が単独でサービスを提供するのではなく、生活の中に組み込まれる形が広がってきました。
NTTドコモと三井住友信託銀行が組んだ理由
2025年、住信SBIネット銀行の資本構造は大きく変わりました。NTTドコモは公開買付けを通じて住信SBIネット銀行を連結子会社とし、その後、三井住友信託銀行と共同経営体制を構築しています。
発表によると、ドコモが保有する株式の一部約500億円分を三井住友信託銀行へ譲渡し、さらに約300億円の第三者割当増資を三井住友信託銀行が引き受ける仕組みです。結果として、議決権比率は両社が50%ずつを持つ形になります。
なぜ通信会社が銀行に深く関わるのでしょうか。ドコモはdポイント、dカード、d払いなどの会員基盤を持ち、金融サービスとの連携を成長戦略の柱に据えています。一方、三井住友信託銀行は資産運用や相続といった分野に強みがあります。両社は、ネット銀行の運営実績とそれぞれの強みを組み合わせることで、利用者の囲い込みとサービス拡大を進めると説明しています。
新しい銀行名が話題に
新しい商号は「ドコモSMTBネット銀行」です。「SMTB」は三井住友信託銀行の英語名の頭文字を取ったものです。この名称について、SNSでは「銀行という言葉が二重に見える」「名前が長い」といった反応が多く見られました。
※ドコモSMTBネット銀行」をあえて訳したら「ドコモ三井住友信託銀行ネット銀行」と銀行が2つ入っている。
一方で、銀行法上、商号に「銀行」を含める必要があることや、共同経営である点を示す意図があると説明する投稿もあります。
なぜ、サービス内容が進化している一方で、こうした違和感が生まれるのでしょうか。
Q.なぜ、通信・銀行・ポイント・投資が一体化しているにもかかわらず、利用者は分かりにくさを感じているのでしょうか。
企業グループ再編のスピードに対して、利用者が理解するための情報整理が追いついていないからです。
総務省や金融庁の資料によると、近年は通信会社による金融分野への参入や、ポイント制度との連携が相次いでいます。短期間で名称やサービスの仕組みが変わることで、「どの会社が何を担当しているのか」を直感的に把握しにくい状況が生まれています。

生成AIとポイント連携が変える銀行の役割
ドコモSMTBネット銀行では、生成AIを使った「NEOBANK ai」が2026年2月に提供予定です。音声やチャットで振込や家計管理ができると説明されています。また、dポイントの付与や住宅ローン金利の優遇、マネックス証券との自動資金移動(スイープ機能)も予定されています。これにより、預金、決済、投資を意識せずに連動させる仕組みが整います。
同じテーマでは、楽天グループが楽天銀行と楽天証券の連携を強化し、ポイント投資を広げていることも報じられています。金融とポイントを結び付ける動きは、業界全体の流れになっています。
まとめ
- 住信SBIネット銀行は信託銀行とSBIが設立したネット銀行
- 住宅ローン残高は約8兆6,450億円と国内最大級
- 2025年にNTTドコモが連結子会社化
- 三井住友信託銀行と議決権50%ずつの共同経営
- 生成AIやポイント連携で銀行機能が生活に組み込まれる
- 名称への違和感は企業再編の速さと情報整理の難しさが背景
ドコモSMTBネット銀行の事例は、銀行が単独で存在する時代から、通信やポイント、投資と結び付いた存在へ変わっていることを示しています。自分が使っている銀行や決済サービスの背後に、どの企業グループが関わっているかを調べてみると、ニュースの見え方が変わります。
また、便利さが高まる一方で、サービスが集約されることによる注意点も整理する必要があります。企業のニュースリリースや金融庁の資料など、一次情報に触れながら、自分のお金の流れをどう管理するかを考えてみてください。

