サントリー「特水」新発売!機能性表示食品から見える水の新たな価値
サントリー食品インターナショナル株式会社のプレスリリース(2025年10月14日 11時00分)「特茶」ブランド初の水カテゴリー商品「特水(とくすい)」(機能性表示食品)新発売
健康志向が高まる現代では、私たちが毎日飲む「水」も進化しています。
サントリー食品インターナショナルは2025年10月14日、人気ブランド「特茶」から新商品「特水(とくすい)」を発売しました。これは、機能性表示食品として届け出られた“健康をサポートする水”です。日常の水分補給をしながら、体の健康にも気を配るという新しいライフスタイルの象徴といえるでしょう。
「特水」とは?その仕組みと特徴
「特水」には、米ぬかを発酵させて作られる植物ポリフェノール「HMPA」が配合されています。この成分には内臓脂肪を減らす効果が報告されており、健康を気にする人々から注目を集めています。しかも無味無臭で、苦みのあるお茶が苦手な人でも飲みやすいのが特徴です。
サントリーは「特茶」に続いて、日常的に取り入れやすい新しい健康飲料の市場を広げようとしています。
水が“商品”になった理由
今でこそペットボトルの水を買うのは当たり前ですが、昔は「水は無料」が常識でした。
日本で瓶入りの水が売られ始めたのは明治時代の1880年代。当時は外国人向けの高級品でした。その後、1983年にハウス食品の「六甲のおいしい水」が発売され、一般家庭でもミネラルウォーターが広がりました。
災害時の備蓄や健康志向の高まりとともに、水は「買うもの」として定着していったのです。

日本ミネラルウォーター協会資料より作成
飲料の値段のカラクリ:中身より高い“見えないコスト”
1本110円の水と160円のコーラ。どちらが原価が高いと思いますか?実は、飲料の価格は中身だけで決まるわけではありません。下の表を見てみましょう。
飲料の種類 | 原価率(目安) | 主なコストの内訳 |
---|---|---|
ミネラルウォーター | 約47% | 容器代、ラベル、物流費、人件費が中心で、水自体のコストはごくわずか |
コーラ | 約30〜45% | 糖分や香料などの原材料費が加わるが、容器・物流費が大部分を占める |
お茶 | 約30% | 茶葉の費用があるが、やはり容器や輸送費が中心 |
実際のところ、飲料の価格の大部分は「中身」ではなく、ペットボトルや運送、人件費などのコストで成り立っています。「特水」の価格がやや高いのは、“健康をサポートする機能”という付加価値が含まれているためです。
「機能性表示食品」と「トクホ」のちがい
健康機能を表示できる食品には2つの仕組みがあります。ひとつは「特定保健用食品(トクホ)」で、国の審査を受けて認可されるもの。
もうひとつが「機能性表示食品」で、企業が科学的根拠をまとめて消費者庁に届け出る方式です。
トクホのほうが審査は厳しい一方、機能性表示食品は新商品をより早く市場に出せるという利点があります。

広がる“健康飲料”の未来
アサヒやキリンなど他社も、健康を意識した飲料を次々に発売しています。「脂肪を減らす」「疲れを軽減する」「集中力を高める」など、目的に合わせた商品が増えています。
これからは、商品のパッケージに書かれた「効果」や「根拠」に目を向けることが、賢い消費者への第一歩ではないでしょうか。
まとめ
- サントリーが「特水」を発売し、水に健康機能を持たせた新市場を開拓
- 水が売られるようになったのは明治期からで、今や生活必需品に
- 飲料の原価は中身よりも、容器や流通・人件費の割合が大きい
- 機能性表示食品は企業の届出制、トクホは国の認可制という違い
- 健康機能付き飲料の開発競争は今後も続く見込み
水にも「機能」をつけることで新しい市場が生まれました。もしあなたが飲料メーカーの開発者なら、次はどんな“特別な飲み物”を考えますか?味や健康効果、デザイン、価格のどれを重視するかで売れ行きが変わります。
これから飲み物を選ぶときは、ラベルや成分、価格の裏にある企業の工夫にも注目してみましょう。それが、経済の仕組みを理解する第一歩です。