楽天証券で不正アクセス急増!中国株が大量購入されるワケ?
楽天証券、“不正取引”多発 「当社からの漏洩ではない」としつつも緊急対応に追われる事態に - ITmedia NEWS
楽天証券の一部利用者が保有していた株式を勝手に売却され、中国株を買われるなどの“不正取引”が多発した。
最近、楽天証券で顧客の口座が不正にアクセスされ、中国株が大量に購入される事件が発生しました。この問題の背景には、フィッシング詐欺(偽のメールなどで情報を盗む詐欺行為)が関係しているとされています。私たちは、どのようにして自分の資産を守るべきでしょうか?
楽天証券で起きた不正取引の実態や、中国株が狙われた理由、そして今後の対策について考えてみましょう。
楽天証券で起きた不正取引とは?
楽天証券では、顧客の証券口座が不正にアクセスされ、日本株が勝手に売却され、その資金で中国株が大量に購入されるという事例が多数報告されています。具体的には、次のような特徴があります。
- 国内株を売却し、その資金で中国株を購入
- 流動性(取引のしやすさ)が低く、価格操作がしやすい銘柄が選ばれる
- 被害額は数十万円から数百万円にのぼるケースもある
楽天証券は、価格操作の疑いがある中国株6銘柄の買い注文を停止しました。現在では、対象銘柄を582に拡大し、より広範囲な対策を進めています。
なぜ中国株が買われたのか?
1. 流動性の低さと価格操作のしやすさ
中国株の中には、取引量が少なく、少ない資金でも価格が大きく動く銘柄があります。不正アクセス者はこれを利用し、複数のアカウントから高値で注文を出し、価格をつり上げた後に売却することで利益を得ていると考えられます。
2. 市場監視体制の違い
日本と比べて、中国市場では監視や規制のしくみが異なり、不正な取引が目立ちにくいケースがあります。この点も不正アクセス者にとっては都合がよい要素です。
3. 国際的な資金移動のしやすさ
中国株は海外市場ともつながりがあるため、資金移動が比較的しやすく、不正アクセス者にとって操作がしやすい市場といえます。
不正アクセスの手口と背景
フィッシング詐欺による情報漏えい
フィッシング詐欺は、偽のメールやSMSを送り、利用者を偽サイトに誘導してIDやパスワードを入力させる手口です。こうして盗まれた情報が使われ、証券口座が不正に操作されます。
インフォスティーラーによる情報流出
インフォスティーラーとは、利用者のパソコンやスマートフォンに侵入して、ログイン情報などを盗むウイルスです。このようなマルウェアによる被害も一因とされています。
セキュリティ設定の不備
二段階認証(IDとパスワードのほかに確認コードを使う仕組み)を設定していない口座は、不正アクセスのリスクが高まります。楽天証券は二段階認証の利用を呼びかけていますが、設定していない利用者も多かったとされています。
楽天証券の対応策
楽天証券は、次のような対策を実施しています。
- 買い注文の一時停止:不正な価格操作の疑いがある中国株582銘柄について、買い注文の受付を停止
- セキュリティ強化の呼びかけ:利用者に二段階認証や、公式サイトからのアクセスを推奨
- 監視体制の強化:AIと人の目を組み合わせた異常検知体制を強化
なお、同社は顧客情報の流出自体は否定していますが、不正ログインの急増を受け、さらなる対策を進めるとしています。

まとめ
- 楽天証券で中国株を使った不正取引が発生
- フィッシング詐欺やウイルスによる情報流出が原因
- 流動性の低さなどが理由で中国株が狙われた
- 二段階認証や定期的な確認が重要な対策
- 他の証券会社でも同様の被害が出ており、注意が必要
資産を守るために私たちができること
オンラインでの取引は便利ですが、そのぶんリスクも高まります。特に中高生の皆さんも、今後ネットを通じてお金を動かす機会が増えていくはずです。今から以下のような対策を知っておくと安心です。
- 二段階認証を設定する
- メールやSMSのリンクにはすぐにアクセスしない
- 定期的にパスワードを変更し、複雑なものを使う
さらに、家族と一緒に「ネットでお金を扱うときに気をつけること」について話し合ってみてください。自分のお金を守る力を身につけることが、将来の安心にもつながります。

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