関税でスマホも車も高くなる?アメリカ国民が受けるトランプ関税の影響

米市場に早くもトランプ関税の影響、コーヒー、日本車、スマホ一斉値上げ 在米ジャーナリストの住む町からの現況報告(1/3) | JBpress (ジェイビープレス)

 米国のドナルド・トランプ大統領を骨の髄まで嫌うワシントン・ポストは「羽目を外した関税乱痴気騒ぎ」(Tariff-Palooza)の開幕を嘲笑い、そして警鐘を鳴らした。 米主流メディ(1/3)

2025年4月、トランプ元大統領が打ち出した「相互関税政策」が、アメリカ経済やアメリカの消費者の生活に大きな影響を与えています。
この政策では、すべての輸入品に10%の関税をかけるうえ、日本や中国などの貿易赤字国にはさらに高い関税が上乗せされました。たとえば、日本からの輸入品には24%、自動車には25%、中国製品には最大54%という高い関税が適用されています。その結果、アメリカ国内では物価の上昇や消費者の負担が目立つようになりました。

短期的な影響:値上げと市場の混乱

関税の導入直後から、アメリカ国内では食品や衣料品、電子機器、自動車など幅広い商品の価格が一斉に上がりました。たとえば、中国製部品を多く使っている「iPhone 16 Pro Max」は、1599ドルから2300ドルに急上昇。自動車の平均価格も約6000ドル(約90万円)上がると見られています。

ガソリンの値上げも進み、コストコのガソリンスタンドでは1ガロン=4.39ドルに。消費者は安い商品を探して動くようになり、株式市場では不安が広がり、ダウ平均は4月4日に5.5%も下落しました。

家計と日常生活への影響

家計への負担増
関税による物価上昇で、アメリカの家庭には年間およそ3800ドル(約57万円)の追加支出が必要になるとされています。とくに低所得の家庭では、980ドル以上の負担増になる可能性が高く、生活に直結する深刻な問題です。

必需品の値上がり
日用品や食料品も値上がりしています。チョコレートやコーヒー、オリーブオイルなど、毎日の暮らしに欠かせない商品が対象です。新車の購入や家の建築にかかる資材費も上がり、消費が鈍る懸念があります。

格差の拡大
このような関税は、生活費の多くを必需品に使う人ほど大きな影響を受けます。結果として、高所得者よりも低所得者に負担が集中し、経済の格差が広がる恐れがあります。

長期的な経済への波及効果

経済成長の鈍化
専門家によると、この政策によってアメリカのGDPは0.4~0.6%縮小する可能性があります。金額にして、年間約1000億~1800億ドルの経済規模の減少です。輸出も落ち込み、2025年には輸出額が18.1%減ると予想されています。

インフレの加速
関税によるコスト増加で、物価全体が上がりやすくなります。2025年末には、消費者物価指数(CPI)が最大2.3%上昇する見込みで、これも生活費を圧迫する要因になります。

雇用への影響
鉄鋼業など一部の製造業では約8万人分の雇用が守られる一方で、関連業界では約1200万人分の雇用が脅かされています。最終的には約31万人分の雇用が失われる可能性も指摘されています。

企業活動の停滞
企業はコスト増により利益が減少し、新しい投資や設備投資が行いづらくなります。資本ストックは0.3%減少する見通しで、投資家の心理も冷え込んでいます。

世界経済への影響:広がる不安

アメリカ国内だけでなく、他国との関係も悪化しています。
関税への報復措置が相次ぎ、貿易摩擦が激化。これにより、世界経済全体が不況(リセッション)に陥るリスクが高まっています。輸出競争力を失ったアメリカ製品のシェアも、国際市場で減少しています。

まとめ
  • 関税は輸入品にかける税金で、物価を押し上げる
  • トランプ政策によりスマホや車、食料品などが高騰
  • 特に収入の少ない家庭が強く影響を受けている
  • 経済の成長や企業活動にも悪影響が出ている
  • 世界経済との関係悪化も深刻な課題になっている

毎日使っているスマホや服の多くは、海外からやってきたものです。もし関税がかかって高くなったら、私たちの暮らしはどう変わるでしょうか?
値段が上がって必要なものが買えなくなったら、誰が一番困るでしょう?経済のしくみや国と国との関係について、家族で話してみてください。一見むずかしそうな経済の話も、私たちの生活と深く関係していることがわかるはずです。

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