たった1000円の不正で退職金1200万円がゼロ!信頼とルールの大切さ
「運賃1000円」着服で「退職金1200万円」が全額不支給、最高裁の判断は「適法」…原告の請求棄却 : 読売新聞
【読売新聞】 運賃1000円を着服したなどとして懲戒免職となり、退職金も全額不支給となった京都市営バスの元運転手の男性が、市に退職金の不支給処分取り消しなどを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)は17日、不支給を
「たった1000円の不正で退職金がゼロに?」と驚いた人も多いでしょう。2025年、京都市営バスの元運転手が運賃1000円を着服したことで懲戒免職となり、約1200万円の退職金も支給されませんでした。
この件に対して最高裁は「適法」と判断しました。この判決は、社会の信頼やルール、そしてお金と仕事のつながりについて深く考えるきっかけとなっています。事件の概要や関連する判例を見ながら、「信頼」がどれほど社会経済にとって大切かを考えてみましょう。。
京都市営バスの運賃着服事件とは
事件の概要
2022年2月、京都市営バスの運転手が乗客から受け取った1000円を金庫に入れず、自分のポケットに入れるという不正を行いました。市の業務点検でドライブレコーダーの映像からこの行為が発覚し、約29年間勤務していたにもかかわらず、同年3月に懲戒免職となり、退職金約1200万円も全額不支給となりました。
裁判の経過
運転手は「金額が少ないのに処分が重すぎる」として京都市を訴えました。1審では市の処分が妥当とされ、2審では退職金の一部支給が認められましたが、最終的に最高裁は「市民の信頼を大きく損なう行為であり、全額不支給は適法」と判断しました。
他にもある退職金不支給の判例
銀行員による情報漏えい
みずほ銀行の従業員が社内情報を外部に漏らした事件では、行為の悪質さと継続性から、退職金の全額不支給が認められました。
顧客データの持ち出し
ある企業では、社員が顧客情報を無断で持ち出し、競合他社に転職したことが問題となりました。このケースも重大な信頼違反として、退職金の支給は否定されました。
公務員の飲酒運転事故
公務員が飲酒運転で事故を起こした場合も、「社会的信頼を損なう行為」とされ、退職金が全額支給されないケースがあります。

信頼が支える社会と経済
信頼とお金の関係
バス運転手や銀行員など、お金や人の命に関わる仕事では、とくに高い信頼が求められます。たとえ少額の不正でも、その行動が組織全体の信用を揺るがし、社会全体にも影響を及ぼすことがあります。
退職金の役割とは
退職金は、長年の勤務に対する感謝や労いの気持ちを込めた報酬です。しかし重大なルール違反がある場合、それまでの努力が無となり、退職金が支給されないこともあります。これは、組織が社会からの信頼を維持するために定めた厳格なルールに基づいています。
社会の動きと最近の判決
2023年にも別の企業で、従業員の不正行為を理由に退職金の全額不支給が認められる判決がありました。こうした事例から、社会全体が「信頼」を大切にしている流れが見えてきます。
まとめ
- 少額の不正でも信頼を損なうことがある
- 退職金は信頼に基づいて支払われる重要な報酬
- 組織には信頼を守るための厳しいルールがある
- 社会や経済は「信頼」という見えない基盤で成り立っている
- 判例を通じて信頼の重さを学ぶことができる
社会や経済は、信頼という目に見えない価値の上に成り立っています。あなたが働くとき、あるいは誰かと関わるとき、自分の行動が信頼されるものであるかを考えたことはありますか?お金の使い方や日々の選択も、信頼を意識することで変わるかもしれません。家族や友人と一緒に「信頼ってなんだろう?」をテーマに話してみましょう。それが、将来の仕事や生き方を考える第一歩になります。

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