日経平均も下落!トランプ大統領の関税政策が世界経済に与える波紋

東京株、1502円安 トランプ関税懸念で3万6000円割れ―24年度は11%下落:時事ドットコム

2024年度末の31日の東京株式市場は全面安の展開となり、日経平均株価は前週末比1502円77銭安の3万5617円56銭で取引を終えた。トランプ米政権の関税政策への懸念が強まり、昨年9月以来半年ぶりに3万6000円を下回った。前年度末比の下落幅は4751円(11.8%)だった。

2025年4月3日から、アメリカでは自動車とその部品に対して25%の追加関税が導入されます。
これはアメリカ国内の製造業を守ることを目的とした政策ですが、完成車だけでなくエンジンやトランスミッションなどの部品にも関税がかかるため、影響は非常に広範囲におよびます。
関税の仕組みや自動車業界への影響、そして世界経済にどのような波紋を広げているのかを見てみましょう。

関税が部品にも適用される理由と仕組み

今回の関税は、完成車だけでなく自動車の主要部品にも25%の税率がかけられるという内容です。
たとえば、メキシコから部品を10万円で輸入した場合、アメリカの自動車メーカーは2.5万円の関税を支払うことになります。この追加コストは、最終的に車の販売価格に反映され、アメリカの消費者が負担することになります。

関税の仕組み(例)

  • メキシコから部品を10万円で輸入
  • アメリカのメーカーが2.5万円の関税を支払う
  • 販売価格に関税分を上乗せ
  • 消費者が「車が高くなった」と感じる

このように、関税は一見すると企業の負担ですが、実際には消費者がその影響を受ける仕組みになっています。

日本メーカーへの打撃:最大1兆5000億円の影響

日本の自動車メーカーはアメリカへの輸出が多く、今回の関税は大きな負担となります。特にトヨタは年間約7000億円の追加コストがかかると見込まれています。

日本メーカーの想定負担額

  • トヨタ:約7000億円
  • ホンダ:約1000億円
  • 日産:約2000億円
  • マツダ:約2000億円(営業利益を超える)
  • スバル:約3000億円
  • 三菱自動車:1000億円以下

全体で1兆5000億円以上の影響が見込まれており、中小規模のメーカーには特に深刻な問題です。

アメリカ企業にも影響が及ぶ理由

「アメリカの企業を守るための政策なのに、なぜアメリカ企業も困っているの?」と思うかもしれません。
実は、アメリカの自動車メーカーも海外から多くの部品を輸入しています。そのため、ゼネラルモーターズ(GM)やフォードなどの大手企業も、関税によるコスト増から逃れることはできません。

株価下落の主な要因

  • 生産コストの上昇
  • 車の価格上昇による販売不振
  • 投資家の不安から株価が下落

実際に、GMの株価は発表直後に約8%、フォードは約4%も下落しています。

日本市場にも影響:日経平均が大幅下落

関税政策の影響は日本の株式市場にも広がっています。
2025年3月31日には、日経平均株価が前週末比で1502円下落し、35617円56銭となりました。これは、関税政策への懸念が強まり、特に輸出関連企業の株価が大きく下がったためです。トヨタは3.13%、ホンダは3.07%の下落を記録しました。

このような市場の反応からも、関税が世界経済に与える影響の大きさがうかがえます。

3月下旬はトランプ関税への不安から日々下落を続ける日経平均株価
チャートは株探より
関税がもたらす教訓と気づき
  • 関税は消費者にも影響する:企業が負担する関税は、最終的に商品価格に反映され、消費者が支払うことになります。
  • 国際経済への波紋:貿易摩擦が生じることで、各国との経済関係に悪影響を与えます。
  • 国内産業保護と引き換えのリスク:雇用を守るという目的はありますが、それには時間と追加コストが伴います。

関税や貿易と聞くと、自分には関係ないように感じるかもしれません。
でも、日々使っているスマートフォンや洋服、食べ物など、私たちの身の回りには多くの「海外から来たもの」があります。どこから来て、どうやって届いているのかを調べてみると、世界の経済がもっと身近に感じられるはずです。

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