カナダからの観光客が激減!観光立国アメリカが直面する「アメリカ離れ」

旅行者の米国離れ、関税や国境管理で「悪評」-経済にさらなる打撃 - Bloomberg

米国経済は2025年、外国人旅行者の減少と米国製品の不買運動により、大きな打撃を受けることになりそうだ。景気後退(リセッション)のリスク要因がさらに増えることになる。

2025年春、アメリカへの旅行者が大きく減っているというニュースが話題です。特にカナダからのフライト予約は、なんと前年より70%も減りました。
なぜ旅行者が減ったのでしょうか?その背景には、関税の強化、国境管理の厳格化、政治的な緊張、物価の高騰、為替の変動といった多くの理由があります。

カナダからアメリカへの旅行が減った理由

政治的な対立と関税問題
最近、アメリカとカナダの間で関税をめぐる対立が続いています。トランプ大統領がカナダに追加の関税をかけ、「カナダを51番目の州にすべきだ」と発言したことで、カナダの人々の反発が強まりました。そのため、アメリカ旅行を避ける人が増え、アメリカ製品を買わない動きも広がっています。

入国手続きの厳格化
アメリカでは、安全対策のために国境管理が厳しくなり、入国審査にも時間がかかるようになっています。これにより、旅行中にトラブルを感じる人が増え、わざわざアメリカへ行かなくてもいいと考える人が増加しています。

為替と物価の影響
アメリカの物価上昇やドル高の影響で、旅行費用が高くなっています。その結果、カナダ国内や他の国へ行く人が増えていて、「もっと安くて安心な旅行先」が選ばれやすくなっています。

外国人旅行者の減少がアメリカ経済に与える影響

観光業への影響
外国人旅行者は、ホテル、レストラン、飛行機、レンタカーなどで多くのお金を使います。2024年には、外国人観光客による消費が2,540億ドルでしたが、2025年は200億ドル以上減ると予想されています。カナダからの減少だけでも、60億ドルもの損失になる見込みです。

雇用と地域経済の問題
観光業が縮小すると、そこで働いている人たちの仕事にも影響が出ます。カナダ人観光客が10%減るだけで、14万人の雇用と21億ドルの消費が失われるという試算もあります。

アメリカ全体の経済への影響
旅行者が使うお金は経済統計上「輸出」として計算されるため、減るとアメリカの貿易赤字が広がります。ゴールドマン・サックスは、GDPが最悪で0.3%、約900億ドルも減ると予測しています。

これからの見通し

観光業の今後は、トランプ政権の政策や国際的な関係に大きく左右されます。関税、入国審査、移民政策、為替レートの動きなどが旅行者の動向に影響します。
観光業界では、外国人旅行者を呼び戻すためのキャンペーンなどが始まっていますが、先行きはまだ不透明です。

まとめ
  • アメリカへの外国人旅行者が減少し、特にカナダからの旅行者が激減
  • 理由は関税、国境の厳格化、物価高騰、政治的な発言などさまざま
  • 観光業や地域の経済、雇用に大きな影響
  • 経済成長や貿易収支にも関係し、国全体の問題

旅行や買い物の背景には、国と国の関係や経済の仕組みがあります。もしあなたが海外旅行に行くとしたら、どんなことに注意を払いますか?
観光ニュースを通して、国際関係や経済が私たちの暮らしにどう関わっているのかを考えてみましょう。そうすることで、社会を見る力がきっと育っていきます。

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