アメリカが関税還付を導入!日本の自動車メーカーも明暗分かれる?

米トランプ政権 関税負担に軽減措置 アメリカ生産車 輸入部品関税を一部免除|テレ東BIZ

アメリカのトランプ政権は29日、自動車関連の追加関税について、影響緩和措置を発表しました。アメリカで製造される車に使う部品に対する関税を軽減します。緩和措置は、部品を輸入して関税を払い、アメリカ国内で自動車を製造した場合、1年目は自動車価格の最大3.75%相当を自動車メーカーに還付するという内容で2年目は2.5%相当とします。対象となるのは、日本のメーカー含め、アメリカ国内外の各メーカーがアメリカ国内で生産する場合です。部品への関税を軽減することで自動車生産の供給網の全てをアメリカ国内に移すことを狙っています。

2025年4月29日、アメリカのトランプ政権は、自動車部品に対する関税の一部を還付する新制度を導入しました。これはアメリカ国内で車を生産する企業への支援策であり、トヨタやホンダといった日本メーカーも対象になります。しかし完成車に対する高い関税は維持されたままで、対応はメーカーによって分かれます。
この制度の内容や背景、日本企業への影響を見てみましょう。

関税とは?その目的は?

関税とは、外国から商品や部品を輸入する際にかかる税金のことです。アメリカは、国内産業や雇用を守るために、自動車や部品に高い関税を設定しています。2025年4月には、自動車に25%の追加関税が適用され、5月からはエンジンやトランスミッションなどの主要部品にも同様の関税が導入されます。

トランプ政権の新制度:関税還付の仕組み

新制度では、アメリカ国内で車を生産するすべてのメーカー(日本・ヨーロッパ含む)を対象に、輸入部品の関税の一部が2年間にわたって還付されます。

  • 1年目(2025年4月3日~2026年4月30日):販売価格の最大3.75%分を還付
  • 2年目(2026年5月~2027年4月):還付率は2.5%に縮小
  • 3年目以降:制度は終了

この制度は、国内での生産体制を強化するための「移行期間」としての位置づけです。ただし、完成車に対する25%の関税はそのまま残されます。

日本の自動車メーカーはどう動く?

現地生産が強みになるメーカー

トヨタ自動車:アメリカに10か所以上の工場を持ち、国内生産体制を強化。2025年4月には125億円の追加投資を発表。

ホンダ:販売台数のほぼすべてをアメリカ国内で生産。ハイブリッド車の現地生産も強化。

日産:テネシー州などに複数の工場を持ち、減産計画の見直しを含めて柔軟に対応。

現地生産が少ないメーカー

マツダ:トヨタとの合弁工場はあるものの、生産比率はまだ低め。SUVのカナダ向け生産を一時停止。

三菱自動車:2015年にアメリカ工場を閉鎖して以降、すべてを輸出に依存。関税負担が大きく、厳しい状況にあります。

メーカー別比較表

メーカーアメリカ国内工場現地生産比率特徴
トヨタ10工場以上(約200万台)非常に高い国内生産が主力
ホンダ複数工場非常に高い輸入比率わずか数%
日産複数工場高いテネシー州などに拠点あり
マツダ合弁工場あり(新設)低め今後拡大予定
三菱工場なしなし輸入依存・リスク大
部品メーカーと業界全体の反応

関税緩和策は、アメリカで組み立てを行うメーカーにはプラスですが、日本から部品を輸出するサプライヤーには恩恵がありません。業界団体からは「完成車の関税も緩和してほしい」「政策の安定性が重要」といった意見が出ています。制度終了後の対応も含め、長期的な戦略が求められています。

まとめ
  • アメリカは2025年、自動車と部品に対して25%の追加関税を導入
  • 新制度により、アメリカ国内で車を生産するメーカーには輸入部品の関税が一部還付
  • トヨタ・ホンダ・日産など現地工場を持つ企業は恩恵を受けやすい
  • 三菱やマツダは輸出中心のため関税リスクが高い
  • 完成車の関税は維持されており、部品メーカーには不利な制度

関税のような国の政策変更は、企業の利益や消費者の価格、働く人々の雇用にまで影響します。
もしあなたが自動車メーカーの経営者だったら、どこに工場を作り、どこから部品を仕入れるか、どう戦略を立てますか?