忘れ物、売ってます!?遺失物ビジネス「アンクレイムド・バゲージ」
ロレックスからサメの歯まで、紛失手荷物専門店が扱う驚きの品々 米 - CNN.co.jp
米国唯一の紛失手荷物の専門店を自称する、アラバマ州北東部にある「アンクレイムド・バゲージ(持ち主不明の荷物)」には、毎年、衣類や宝石類、電子機器など、数百万点の品が集まる。
旅行中に手荷物を失くしてしまった経験はありませんか?実際、毎年世界中で数百万個の手荷物が行方不明になります。
ほとんどの場合、航空会社が手荷物を追跡し、持ち主の元に返却します。しかし、持ち主が見つからない場合、その荷物はどうなるのでしょうか?
アメリカには「アンクレイムド・バゲージ」という紛失手荷物を再利用するユニークな店舗があります。
アンクレイムド・バゲージとは?
アンクレイムド・バゲージ(Unclaimed Baggage)は、アメリカ・アラバマ州スコッツボロにある紛失手荷物の専門店です。1970年の創業以来、航空会社が持ち主を見つけられなかった荷物を買い取り、中身を販売しています。店舗には衣類や電子機器、高級ブランド品が並び、年間100万人以上が訪れます。
航空会社は紛失手荷物を最大120日間保管し、それでも持ち主が現れない場合、補償金を支払って所有権を取得。その後、アンクレイムド・バゲージが荷物を購入し、販売可能な商品として再利用します。
店舗で見つかる驚きの商品
アンクレイムド・バゲージでは、多種多様な商品が取り扱われています。年間でおよそ7000トンの手荷物が処理され、そのうち約3分の1が店頭に並びます。その中でも特に注目すべきカテゴリーと具体的なアイテムをご紹介します。
衣類とアクセサリー
- 高級ブランド品:コーチ、ティファニー、ロレックスなどの有名ブランドのバッグや時計、ジュエリー
- 一般衣類:スーツケースから回収されたスニーカー、ブラウス、ジーンズなど
- 特別なアイテム:左利き用のキッチンばさみやディズニー映画の限定グッズ
電子機器
- カメラやラップトップ:ニコンのカメラや最新型のノートパソコンが割引価格で販売
- スマートフォンやタブレット:動作確認済みで販売されるため、安心して購入可能
宝石類と高価なアイテム
- ダイヤモンドの婚約指輪:ティファニーの高級ジュエリーなど
- 歴史的遺物:エジプトの歴史的遺物やスペースシャトル用カメラ
スポーツ用品と楽器
- スポーツ用品:ゴルフクラブやスキー用品
- 楽器:ギターやバグパイプなど
ユニークな品々
- サメの歯入りの瓶、生きたヘビ(安全に処理済み)、棺の鍵など。
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店内には「Unusual Finds(変わったもの)」コーナーがあり、掘り出し物を探す楽しみがあります。これらの商品は小売価格の20~80%オフで販売され、オンラインショップでも購入可能です。売されるため、多くのお客さんが掘り出し物を求めて訪れます。また、オンラインショップも展開しており、自宅からでも購入可能です。
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環境への貢献と社会的意義
アンクレイムド・バゲージは、廃棄されるはずの品々に「第二の人生」を与え、環境保護に貢献しています。毎年約1400トンの手荷物が再利用され、60%が販売、20%が寄付、残りがリサイクルされています。
また、衣類は慈善団体へ寄付され、電子機器は修理・再生後に販売。こうした取り組みにより、埋め立て廃棄物の削減と環境負荷の軽減に貢献しています。
日本にもこんなお店はある?
一方、日本ではこのような紛失手荷物専門店は存在しません。日本では「遺失物法」に基づき、拾得された物品はまず航空会社や空港で一定期間保管され、その後警察署に引き渡されます。警察署ではさらに3か月間保管し、それでも持ち主が現れない場合には、拾得者に所有権が移るか、自治体が管理する形で廃棄や寄付が行われます。
日本では「持ち主に返す」ことが最優先されており、忘れ物を販売する文化は根付いていません。この点で、日本とアメリカの文化や仕組みの違いが明確になります。
まとめ
アンクレイムド・バゲージのようなビジネスモデルは、以下の点で学ぶべき要素があります:
- 創意工夫:不要と思われたものでも、新しい価値を見出せる。
- 環境保護:リサイクルや再利用で廃棄物削減につながる。
- 社会貢献:寄付活動によって地域社会にも良い影響を与える。
旅行中の手荷物紛失を防ぐために、スマートタグやGPSデバイスを活用すると、位置特定が容易になります。デジタル手荷物タグを使えば、リアルタイムで荷物の移動状況を確認可能です。「自分ならどうするか?」と考えることで、新たなアイデアやビジネスチャンスが生まれるかもしれません。
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