なぜ消えた?「歌うアイス屋」コールド・ストーン閉店の理由
《東京から消滅》一世を風靡した"歌うアイス屋"「コールド・ストーン」がまもなく残り1店舗に。最盛期は34店舗も、なぜ人気は定着せず? | 外食 | 東洋経済オンライン
コールド・ストーンの原宿店が閉店するらしい――3月末、そんなニュースが飛び込んできた。客前でマイナス9度に冷えた御影石の上で具材と混ぜ合わせるアイスクリームの専門店、「コールド・ストーン・クリーマリー…
みなさんは「コールド・ストーン・クリーマリー」というアイスクリーム店を知っていますか?かつて「歌うアイス屋さん」として、多くの人を笑顔にしてきた人気のお店ですが、最近は次々と閉店し、日本国内では三重県に1店舗を残すのみとなっています。
なぜ、あんなに人気だったコールド・ストーンが閉店に追い込まれたのでしょうか?
人気だった「歌うアイス屋」コールド・ストーンとは?
コールド・ストーン・クリーマリーは、ただのアイスクリーム店ではありませんでした。最大の特徴は、スタッフが歌いながらアイスを作る「エンターテインメント性」です。マイナス9度の冷えた石の上で、注文したアイスとトッピングを混ぜ合わせるパフォーマンスが、多くの人を惹きつけました。
また、自分だけのオリジナルアイスを作れる「カスタマイズ体験」も魅力のひとつです。目の前で作られる様子はライブ感にあふれ、店内には常に楽しい雰囲気が広がっていました。
「Make People Happy(人を幸せにする)」をモットーに、美味しさと楽しさを提供してきたコールド・ストーンは、2005年に東京・六本木に1号店をオープン。瞬く間に人気となり、最盛期には全国34店舗を展開しました。
なぜコールド・ストーンは閉店したのか?
あれほど人気だったコールド・ストーンが、なぜ次々と閉店してしまったのでしょうか。考えられる主な理由は以下の通りです。
- スタッフの歌うパフォーマンスが、恥ずかしいと感じる人も多く、必ずしも万人受けしなかった。
- 最初の新鮮さが薄れ、時間とともにブームが終息した。
- 都市部の家賃や人件費の高騰により、経営コストが増大した。
- 1杯700〜800円という価格設定が、手軽なスイーツと比べると高く感じられた。
- 新型コロナウイルスの影響で観光客が減少し、売上に大きな打撃を受けた。
- 新しい話題作りが不足し、存在感が薄れていった。
これらの要因が重なり合い、閉店につながったと考えられます。
生き残るアイス店の工夫とは?
一方で、コールド・ストーンと同様にライブ感を大切にしている「ロールアイスクリームファクトリー」は、今も人気を保っています。冷たい鉄板の上でアイスをくるくる巻いて作るスタイルが、見た目も可愛くSNS映えすると評判です。
さらに、アニメやゲームとのコラボ企画を積極的に展開し、常に新しい話題を提供しています。これにより、「推し活」需要も取り込み、リピーターを増やすことに成功しています。
他にも、飲食業界では「肉汁餃子のダンダダン」や「串カツ田中」などが、アニメコラボや時代に合わせた新施策を通じて、注目を集め続けています。

コールド・ストーンはもう食べられない?
完全に食べられなくなるわけではありません。三重県の「三井アウトレットパーク ジャズドリーム長島店」では引き続き営業中ですし、オンラインショップでも一部商品を購入できます。
コールド・ストーンのアイスをまた食べたい人は、現地に行ったり、通販を利用したりする方法があります。好きなお店を応援するために、SNSで魅力を広めたり、イベントに参加したりするのも素敵な方法です。
まとめ
- コールド・ストーンは「歌」と「カスタマイズ体験」で一世を風靡
- 閉店の要因は、パフォーマンスへの好みの違い、高コスト、ブームの終焉、コロナ禍など複数存在
- ロールアイスクリームファクトリーはコラボ戦略で話題を維持
- ビジネスで長く成功するためには、「お客さんに忘れられない努力」が不可欠
- コールド・ストーンのアイスは、三重県の店舗や通販で今も楽しむことができる
コールド・ストーンの閉店は、ビジネスにおける「体験価値」と「話題作り」の大切さを教えてくれます。どんなに優れた商品があっても、お客さんに飽きられない工夫がなければ、長続きしないことがわかります。
近年の飲食業界では、アニメやゲームとコラボする動きが活発になっています。2025年も、さまざまな飲食店が人気キャラクターとコラボした限定メニューやグッズを展開し、話題を集めています。商品の魅力に加え、体験価値を提供することが、今後ますます重要になっていきそうです。
みなさんも、近所のお店がどんな工夫をしているか観察してみましょう。そして、「自分ならどんなアイデアでお店を人気にするか」を考えてみてください。これが、将来、社会で活躍するための第一歩になるかもしれません!