高齢化社会と働き方の未来:70歳までiDeCo加入OKの理由
「給付と負担」こう変わる 年金改革法案:時事ドットコム
政府が16日に閣議決定した年金制度改革関連法案は、厚生年金に入るパート労働者の範囲拡大策や「年収の壁」対策などの項目が盛り込まれた。中小・零細企業で短時間働く人の年金額が手厚くなる半面、企業側では新たな保険料負担が生じる。一方、「目玉」になるはずだった将来世代の基礎年金底上げ策は自民党内の慎重論を受け、削除された。
みなさんは「年金」や「iDeCo(イデコ)」という言葉を聞いたことがありますか?2025年、日本ではこれらの制度に大きな変更が加えられます。パートやアルバイトの方も厚生年金に加入しやすくなり、高齢者が働きやすい環境も整えられます。
また、老後の資金を準備するためのiDeCoでは、加入できる年齢が70歳未満まで延長されます。これらの改革は、私たちの将来の働き方や生活に深く関わってきます。なぜ制度が変わるのか、どんな影響があるのか、考えてみましょう。
年金制度の主な変更点
パートやアルバイトも厚生年金に加入しやすく
これまで厚生年金に加入できるのは、従業員が51人以上いる企業で働く、年収106万円以上の人に限られていました。
しかし新たな制度では、企業規模や年収の条件が段階的に緩和され、2035年には多くのパートやアルバイトの方も厚生年金に加入できるようになります。これにより、将来の年金額が増え、老後の生活への安心感が高まります。
「年収106万円の壁」がなくなる
これまでは、年収が106万円を超えると厚生年金に加入する必要があり、手取りが減ることを避けるために働く時間を調整する人が多くいました。今回の改革により、この「壁」がなくなり、より自由な働き方が可能になります。
高齢者が働きやすくなる仕組みへ
65歳以上の方が働いて収入が増えると、年金が減らされる仕組みがありました。しかし、新制度では年金が減額される基準額が月51万円から62万円に引き上げられます。これにより、高齢者も安心して働き続けることができ、企業の人手不足解消にも役立ちます。
高所得者の保険料と年金額が増加
厚生年金の保険料を計算する際に使う「標準報酬月額」の上限が、65万円から75万円に引き上げられます。これにより収入が高い人の保険料は増えますが、将来受け取れる年金額も増加します。年金制度の安定化に向けた取り組みの一つです。
企業の保険料負担が増加
社会保障費の増加に対応するため、企業と従業員が保険料を分担して負担する仕組みが強化されています。特にパートやアルバイトの厚生年金加入が進むことで、企業側の保険料負担が大きくなる傾向にあります。
iDeCoの制度変更
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で老後の資金を積み立てる制度です。2025年度の改正で、加入できる年齢が「65歳未満」から「70歳未満」へと延長されます。
これにより、60歳以降も働く人が安心して資産形成を続けられるようになります。高齢化社会に対応した柔軟な制度変更です。

最近の関連ニュース
政府の試算では、新たに約180万人が厚生年金に加入できる見込みです。また、中小企業では保険料負担が増えることに対して不安の声も出ています。一方、iDeCoの加入年齢引き上げは、70歳まで働くことを見据えた前向きな改正と評価されています。
まとめ
- パートやアルバイトも厚生年金に加入しやすくなる
- 年収106万円の制限が撤廃され、働き方の自由度が高まる
- 高齢者の就労継続を支える年金の減額基準引き上げ
- 高所得者の保険料・年金額がともに増加
- iDeCoの加入年齢が70歳未満まで延長される
- 企業の保険料負担は社会全体の高齢化対策の一環
年金やiDeCoの制度は、みなさんの未来や家族の生活と深く関係しています。今回の改革は、働き方の選択肢を広げ、公平な制度づくりを進めるためのものです。しかし、企業や国の財政への影響など、考えるべき課題も多くあります。
この機会に、将来の働き方や社会の仕組みについて家族と話し合ってみましょう。知識を深めることで、自分の未来を主体的に考えられるようになります。あなたは、どんな社会で働きたいですか?