Spotifyはなぜ強気の値上げ?利用者が離れない理由とサブスク戦略

スポティファイが値上げ計画、新サービス導入へ=FT | ロイター

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は24日、スウェーデンの音楽配信サービス大手スポティファイが新機能に投資し、ユーザー数10億人達成を目指す中、値上げを実施すると報じた。アレックス・ノーストロム共同社長兼最高事業責任者がインタビューで述べたという。

世界最大の音楽配信サービス「Spotif」が、2025年8月に日本を含む多くの国で料金を値上げしました。この発表を受けて株価は一時8%上昇し、投資家からも注目されています。
では、なぜSpotifyは値上げを行い、それでも利用者は離れにくいのでしょうか。

Spotifyの値上げの背景と「サブスクリプション」という仕組み、Apple MusicやYouTube Musicなど他サービスとの比較を見てみましょう。

世界的に広がるSpotifyの値上げ

Spotifyは2025年8月、米国を除く多くの地域でプレミアム会員料金を引き上げました。対象は南アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパ、中南米、そして日本を含むアジア太平洋地域です。

ヨーロッパの一部では月額10.99ユーロから11.99ユーロ(約2,040円)に改定されました。発表後、Spotifyの株価は一時8%上昇し、値上げによる収益改善が期待されています。

日本での具体的な料金改定

日本のSpotifyも2025年8月から新料金が導入されました。プラン別の改定は以下の通りです。

プラン名旧価格新価格値上げ額
Standard(個人)980円1,080円100円
Student(学生)480円580円100円
Duo(2人用)1,280円1,480円200円
Family(6人まで)1,580円1,880円300円

既存利用者は2025年9月請求分から新料金が適用されます。Spotifyは「製品と機能の革新を続けるため」と理由を説明しています。

なぜ利用者は離れないのか?

解約率の低さ
Spotifyは長年の利用で積み上がるプレイリストや履歴、AIによるおすすめ機能が利用者の大きな資産となります。このため「乗り換えコスト」が高く、解約率は非常に低いのが特徴です。
投資家が値上げを前向きに評価した背景にも、この安定した利用者基盤があります。

経営戦略としての値上げ
Spotifyは有料会員数を2億7,600万人まで伸ばしていますが、従業員への報酬などの負担で赤字が続いています。値上げは収益改善と新機能開発を支える重要な一手であり、長期的な健全経営を目指す戦略といえます。

他の音楽サブスクとの比較

日本で利用できる主要サービスの特徴は次の通りです。

サービス名月額料金(個人)特徴
Apple Music1,080円iPhoneなどApple製品と相性が良く、空間オーディオ対応。
YouTube Music980円ミュージックビデオやライブ映像などYouTube独自の強み。
Amazon Music980円(プライム会員)楽曲数1億以上。Alexa搭載スピーカーと連携が便利。
LINE MUSIC980円J-POPが豊富でLINEプロフィールに楽曲設定可能。

AppleやAmazon、YouTubeは本業で得た収益をサブスクに活かせますが、Spotifyは「音楽サブスク一本」で挑戦している点が大きな違いです。

まとめ
  • Spotifyは2025年、日本を含む世界で料金を値上げ
  • 個人プランは980円から1,080円に改定
  • 株価は好感され、一時8%上昇
  • 解約率が低く、利用者はサービスに定着
  • AppleやYouTubeなど競合も多く、差別化が課題

音楽サブスクは毎月支払う固定費ですが、その代わりに好きな音楽を気軽に楽しめます。複数サービスを同時に契約すると出費が増えるため、自分にとって「本当に価値があるサブスクか」を定期的に見直すことが大切です。
みなさんは、どんな機能があれば「このサブスクを続けたい」と思いますか? これを考えることで、未来の音楽体験をより豊かにするヒントが見えてくるでしょう。