ヨネックスとオリンピック:金メダルを支えた技術とスポーツビジネスの仕組み
ミラノ・コルティナ・オリンピック(五輪)は競技1日目の7日、スノーボード男子ビッグエアで木村葵来が金メダル、木俣椋真が銀メダルを獲得した。スキージャンプ女子個人ノーマルヒルでは丸山希が銅メダルを手にした。日本勢にとっては今大会初のメダルとなった。
テニスやバドミントンのラケットでおなじみのスポーツ用品メーカー「ヨネックス」。2026年2月に開催されたミラノ・コルティナ冬季五輪のスノーボード競技において、同社のロゴが中継映像やSNSで大きな注目を集める結果となりました。
スポーツの国際大会で契約選手が活躍すると、用具を提供する企業の名前が世界中に知れ渡ります。では、このような国際舞台でのブランド露出は、企業の価値を示す指標である株価にどのような影響をもたらすのでしょうか。
Q. ヨネックスがスノーボード事業に参入したのは いつごろでしょうか?
A. 1985年ごろ
B. 1995年ごろ
C. 2005年ごろ
→正解は「B. 1995年ごろ」です。
ヨネックスは1995年に 業界初のフルカーボングラファイト構造のスノーボードを発表し、スノーボード事業に参入しました 。それ以前からラケットで培ったカーボン技術があり、その技術をボードにも応用したことが特徴です。
ラケットから雪山へ:広がる事業と技術
ヨネックスはラケット事業の印象が強いものの、ウェアやゴルフなど幅広く事業を展開しています。スノーボードへの参入は1995年です。
なぜラケットメーカーが雪山へ進出できたのかというと、バドミントン等で培った「カーボン技術」を応用できたからです。木材を芯にする業界に対し、同社はフルカーボングラファイト構造を採用しました。カーボンの「軽くて強い」「しなりやねじれを調整しやすい」という特性は、大きな一枚の板にも適した素材でした。
自社の得意技術を他分野に横展開した事例と言えます。
金メダル獲得と株価上昇のつながり
2026年ミラノ五輪では、同社契約の戸塚優斗選手が男子ハーフパイプで95.00点を出し金メダルを獲得しました。木村葵来選手も男子ビッグエアで179.50点を記録し、同種目の日本男子初となる金メダルに輝いています。
この「金メダル効果」と前後して同社の株価(会社の価値を示す指標)は上昇トレンドを描きました。オリンピック開幕前から両選手の金メダル獲得までの期間に、ヨネックスの株価は約20%の上昇が確認されました。
- 2月6日終値(ミラノオリンピック開幕前):3,270円
- 2月19日:一時4,015円前後

五輪の露出を通じて将来の利益拡大が予想されると株が買われる仕組みが存在します。
売上高(商品の総売上)も、過去4年間で2.7倍に成長しています。株価上昇は、単なる話題性だけでなく、着実な事業成長の裏付けに期待されているとも言えそうです。

スポンサー契約がもたらす経済効果
用具などを提供して活動を支援するスポンサー契約には、双方にメリットが存在しています。一般的な利点を以下の表に整理しました。
| 立場 | 期待される主な効果 |
|---|---|
| 企業側 | ブランド認知拡大、企業イメージ向上、商品開発への意見還元 |
| 選手側 | 用具や活動資金の支援によるコスト軽減、知名度の向上と活動拡大 |
企業側は、トップ選手からのフィードバックを新製品の開発に活かせる点が挙げられます。選手が実践で使用して改良点を伝えることで、より高品質な製品が生まれるサイクルです。一方の選手側には、高額な用具コストが軽減され、競技に専念しやすい環境が整う仕組みと言えるでしょう。
スポンサー契約は単なる広告宣伝ではなく、互いの価値を高め合うビジネスパートナーとしての側面を持っています。
まとめ
- ヨネックスはラケット技術を応用しスノーボードへ参入
- カーボン素材により軽量で強い用具の開発を実現した
- ミラノ五輪で契約選手2名が金メダルを獲得した
- 五輪期間中に同社の株価は一時約20%上昇した
- スポンサー契約は企業と選手双方に多様な利益をもたらす
- 認知拡大だけでなく技術開発への還元も重要な効果である
スポーツの国際大会は、選手の活躍を楽しむだけでなく、裏側にある企業の技術力や戦略を知る良い機会になります。ラケットの技術が雪山で活かされたように、一つの強みを別の分野へ応用する工夫は、さまざまなビジネスの現場で見られる現象です。
次にスポーツ中継を見る際は、選手が使う用具に注目してみてください。そのブランドはなぜその選手をサポートしているのでしょうか。また、そこからどのような新しい技術が生まれようとしているのか、考えてみましょう。


