あなたの声は大切だよ:家族に気持ちを伝える大事さ

逆境下の子ども、「意見を聴かれること」でQOL上昇 成育研調査 | 毎日新聞

 逆境体験の中でも、大人から頻繁に意見や気持ちを聴かれている子どもは、生活の質(QOL)が高くなりやすい――。国立成育医療研究センターが実施したアンケートでそんな傾向が明らかになった。子どもを肯定的に受け止めることが、子どもの心身の健康につながることが示唆されている。

みなさんは、家族に自分の気持ちをしっかりきいてもらっていますか。自分から、自分の気持ちを話していますか?それはとても大事なことなのです。

国立成育医療研究センターの調査によると、周りの大人が意見や気持ちをよく聴いてくれるこどもたちは、生活の質(QOL: Quality of Life)が高くなる傾向があることがわかりました。

こどもが自分の気持ちや考えを自由に話して、それを周りの大人がしっかり受け止めてくれると、こどもは「自分が大事にされている」と感じます。この経験はこどもの自信を育て、心を安定させます。特に大変なとき、自分の意見を聴いてくれる人がいると安心できます。

調査結果:意見を聴かれるこどもたちの生活

この調査は、2020年12月に小学5年生と中学2年生のこどもたちを対象に行われました。その結果、52.9%のこどもが「いつも」や「しばしば」意見を聴かれていると感じており、生活の質が高いことがわかりました。

ここでいう「生活の質の高さ」とは、こどもが毎日を楽しく過ごしやすく、安心感を持ち、自分に自信が持てることを意味します。たとえば、心の健康が保たれていることで、学校や友だちとの関係が良好になり、勉強にも集中しやすくなるといったことです。一方で、24.6%のこどもはほとんど意見を聴かれていないと感じていました。

意見を聴かれているこどもたちは、自分が認められていると感じ、社会の一員としての自信を持ちやすくなります。また、不安や悩みを話す機会が増えることで、心の中の問題が軽くなることもあります。大人がこどもの声に耳を傾けることで、安心感が生まれ、問題を解決する手助けにもなります。

こどもの権利と日常生活での実践

「こどもの権利条約」では、こどもが自分に関係することについて自由に意見を言う権利が認められています。大人はその意見をしっかりと受け止め、こどもの成長に応じて考えることが求められています。
山口有紗医師は、「こどもが周りの人から自分の声を聴いてもらうことが大事で、それが心の健康に良い影響を与える」と話しています。

こどもが意見を言いやすくするには?

こどもの立場から、自分の意見を言いやすくするためにはどうしたら良いでしょうか。次のことが役立ちます。

  1. 安心して話せる場を作る:リラックスできる場所で話すと、意見を言いやすくなります。自分が安全で守られていると感じることが大切です。
  2. 小さなことから始める:日常のちいさな出来事や気持ちから話してみましょう。例えば「今日学校で楽しかったこと」など、簡単なことから始めると自信がつきます。
  3. 相手の反応を気にしすぎない:自分の感じたことを素直に話すことを心がけましょう。相手がどう思うかを気にしすぎず、自分の意見を伝えることが大事です。
  4. 質問をしてみる:まず自分から質問することで、相手との会話が生まれ、自然と自分の意見も言いやすくなります。「どう思う?」と聞くことで会話が広がります。
どうすればこどもの声をもっと聴ける?

大人がこどもの声を聴くためにできることは次のとおりです。

  1. 質問をする:毎日の生活でこどもに質問をし、気持ちや考えを表現する機会を作りましょう。
  2. 時間を作る:忙しい中でも、こどもと話す時間を意識して作ることが大切です。
  3. 否定せずに聴く:こどもの意見を否定せずにしっかりと聴くことで、さらに考えを話しやすくなります。
  4. 共感を示す:こどもの気持ちに共感することで、「自分の気持ちが理解されている」と感じられます。
まとめ
  • こどもが意見を言うこと、大人が意見を聞くことは、生活の質を向上させ、心の健康を守るために大切
  • 「こどもの権利条約」により、こどもには意見を表す権利がある
  • 大人は質問をする、時間を作る、否定せずに聴く、共感を示すことが大切
  • 安心できる環境を作り、小さなことから話し始めることが大切

みなさんにとって、大人に話をきいてもらうことは心の健康にとってとても良いことです。だからこそ、自分の気持ちや意見を家族に伝えることが大切です。
もし何か感じたことや困っていることがあれば、遠慮せずに家族に話してみましょう。家族はいつでもあなたの話をきく準備ができていますし、あなたの意見を大事にしてくれるはずす。

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