希望退職と人手不足、同時に起こる理由は?
希望退職の募集相次ぐ 今年1万人迫る―商工リサーチ:時事ドットコム
人員削減のために希望退職を募集する動きが広がっている。東京商工リサーチは19日、上場企業が今年に入って募集した早期・希望退職者数が今月15日時点で9219人に上ったと発表。年間で3161人だった前年の3倍近くに達し、1万人の大台に迫った。希望退職の募集は年末に増える傾向があり、今後さらに拡大する可能性もある。
最近、「希望退職」や「人員削減」という言葉をニュースでよく聞くようになりました。
特に東芝や日産などの有名な会社で、希望退職が増えていることが話題になっています。人手不足とよく言われている中で、人を減らす「人員削減」「希望退職」が増えるのはなぜなのでしょう。
希望退職とは?
「希望退職」とは、会社が社員に「退職してほしい」と提案することです。退職してくれたら特別なお金をあげることが多いです。これは社員にとって新しいチャンスを得る方法でもあり、会社にとっては費用を減らす手段でもあります。
なぜ希望退職が増えているのか?
希望退職が増えているのは、コロナの影響で会社が売上が減り、人件費を削る必要があるからです。また、技術の進化や市場の変化で、今までの社員が新しい仕事に対応できなくなることもあります。
人員削減例:
- 日産:世界中で9,000人
- 東芝:国内で最大4000人
- 資生堂:国内で1500人
- 第一生命HD、リコー、オムロン:それぞれ国内で1000人
人手不足と希望退職の矛盾
「人手不足」と「希望退職」が同時に話題になっているのは、一見矛盾しているように思えますが、いくつか理由があります。
- 業種や職種の違い:
人手不足は現場の仕事やサービス業で深刻ですが、希望退職はオフィスの仕事で行われています。 - スキルのミスマッチ:
会社が求めるスキルと社員が持つスキルが合わないため、希望退職を通じて人を入れ替えることがあります。 - 経営戦略の変化:
市場や技術の変化に対応するため、会社は組織を再編し、新しい事業に移行することがあります。その過程で希望退職を募集します。
工業高校生への求人増加
一方、工業高校や高専の学生には企業からの求人が増えています。進路指導室には多くの求人票が届き、大手企業に入社する学生もたくさんいます。工業高校の学生は資格を取得していて、大学院卒の同僚と一緒に働くこともあります。
例えば、製薬業界では文系の営業職がリストラ(経営の効率化のために人員を減らすこと)される一方で、理系の生産や研究の仕事は優遇されています。これにより、人手不足は単に「人数が足りない」だけでなく、「必要なスキルを持った人がいない」ことが原因だとわかります。
工業高校卒の求人倍率は2022年で17.2倍、大卒の1.7倍と比べて非常に高く、企業から人気です。これは、工業高校卒業生の持つ実用的なスキルが企業にとって魅力的だからです。
希望退職のメリットとデメリット
メリット
希望退職は、社員にとって新しい将来を考えるチャンスです。特別なお金をもらうことができ、それで新しいビジネスを始めたり、再就職の準備をすることができます。
デメリット
一方、次の仕事がすぐに見つからない場合、収入がなくなるリスクがあります。また、社員が急にいなくなると、会社の仕事が滞ることもあります。
会社が抱える課題
経済が厳しくなると、会社は効率を上げるために人員を減らす必要があります。しかし、それによって社員の生活に大きな影響を与えるため、慎重に進める必要があります。
例えば、シャープは液晶パネルの生産をやめ、500人の退職を募集しましたが、このような変化は地域の経済にも影響します。
コロナの影響で多くの会社が経営に苦しんでいる中、希望退職の募集はさらに増えるかもしれません。また、工業高校や高専の学生への求人も増えていて、企業は若手の技術者を確保しようとしています。
まとめ
- 希望退職は、会社が費用を減らすために社員に退職を提案する制度
- コロナや市場の変化で多くの会社が希望退職を募集
- 希望退職は社員に新しいチャンスを提供するが、リスクもある
- 会社は効率化を進める必要があるが、社員や地域への影響も考えることが大切
- 工業高校生への求人が増え、実用的な資格を持つ学生が企業に高く評価されている
会社が効率化を進める必要があるのは分かりますが、その中で私たちにできることは何でしょうか?
自分のスキルを磨いて変化に対応することも大切なことではないでしょうか。みなさんは、どのようにして未来に備えますか?
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