アニメとSNSが後押し!Ado・BABYMETALら日本音楽の海外人気が加速中

Adoはなぜ海外を目指し、海外で聴かれているのか《国内アーティストのグローバル戦略のいま》 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン

サブスク型音楽サービスとして有名なSpotifyの今年上半期のランキングが発表され、Adoが「海外で最も再生された国内アーティスト」で初の1位に輝いた。“覆面アーティスト”として知られるAdoだが、現在、昨年に続…

「好きな日本のアーティストが、海外で大人気!」そんなニュースを耳にすることが増えていませんか?少し前までは、日本の音楽は国内で楽しまれるものでした。しかし今では、AdoやXG、BABYMETALといったアーティストたちが世界中のチャートを席巻し、大規模な海外ツアーを成功させています。
なぜ日本の音楽が、これほどまでに国境を越えて愛されるようになったのでしょうか?世界で活躍する日本のアーティストたちの事例と、その背景にある成功の鍵をひもといていきます。

Spotifyが示す人気の広がり

2025年、音楽ストリーミングサービス「Spotify」で、Adoが「海外で最も再生された日本のアーティスト」第1位に選ばれました。これまで長年トップだったYOASOBIを上回る快挙です。しかも、Adoの再生の約8割が海外からという驚くべき結果でした。このことは、日本の音楽が国内だけでなく、世界中の人々の心をつかんでいる証です。

世界で聴かれている日本人アーティスト
アーティスト名海外で特に人気の地域
Adoアメリカ、ブラジル、フランス
藤井 風韓国、インドネシア、UAE
YOASOBIフィリピン、アメリカ
米津玄師台湾、ドイツ
LiSAフィリピン、イギリス
BABYMETAL欧米各国
XG韓国、アメリカ
RADWIMPSカナダ、スペイン
きゃりーぱみゅぱみゅアメリカ、ヨーロッパ
ONE OK ROCK欧米、アジア各国
なぜ日本の音楽が海外で人気なのか?

ストリーミングとSNSの力
SpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスによって、音楽は国境を超えて広がりやすくなりました。さらに、TikTokやYouTubeなどのSNSでは、楽曲が一瞬で世界中に拡散されます。
たとえば、藤井風の「死ぬのがいいわ」は、タイのファンの投稿をきっかけに世界的ヒットになりました。

アニメとゲームが橋渡し役に
世界中で人気のアニメ作品とともに、日本の音楽が広がっています。以下の楽曲は、アニメの影響でグローバルに知名度を上げた代表例です。

  • YOASOBI「アイドル」:『【推しの子】』主題歌
  • Ado「新時代」:『ONE PIECE FILM RED』主題歌
  • 米津玄師「KICK BACK」:『チェンソーマン』主題歌

アニメという共通言語を通して、日本語の楽曲が世界中で受け入れられています。

独自の戦略で挑むアーティストたち

BABYMETAL:誰も思いつかなかった新しいジャンル
その代表格が、BABYMETALです。彼女たちは、アイドルの「カワイイ」文化と、激しい「メタル」音楽を融合させました。この「カワイイメタル」という全く新しいスタイルは、特に欧米の音楽ファンに衝撃を与え、世界的な人気を獲得。大規模な海外のロックフェスに何度も出演し、熱狂的なファンを生み出しました。
日本の常識にとらわれない発想が、世界で成功する鍵となった好例です。

XG:最初から世界を目指すグローバル戦略
XGもまた、新しい成功の形を示しています。彼女たちは全員日本人ですが、活動の拠点を韓国に置き、K-POPのノウハウを活かして育成されました。デビュー当初から世界市場をターゲットにしており、「日本で人気が出てから海外へ」という従来のステップを踏んでいません。
その結果、アメリカのビルボードチャートにランクインするなど、世界規模でファンを増やしています。

音楽業界全体の後押し

2025年にスタートした「MUSIC AWARDS JAPAN」では、海外で評価された日本のアーティストや楽曲を表彰する部門が設けられました。業界全体が海外展開を積極的に支援しているのです。

まとめ
  • ストリーミングとSNSにより、音楽が世界中に届きやすくなっている
  • アニメやゲームとの連携で、海外ファンの関心を集めやすい
  • BABYMETALやXGのように、独自の戦略で海外進出するアーティストが増加
  • 音楽業界全体でグローバル展開を支援する体制が整いつつある

音楽は身近なエンタメでありながら、世界規模のビジネスにもつながる分野です。AdoやBABYMETALのような成功例からは、タイミングと戦略の重要性が学べます。
あなたが日本の文化を世界に発信するなら、どのような方法を選びますか?音楽をきっかけに、グローバルな視点で物事を考える習慣を持つのも良いかもしれません。