大学の経済・経営学部を探検!

龍谷大学 経済学部 上山 美香 先生 【第2部】

※第4部は教育情報メディア ACTIVE!に掲載しています。

はじめに

本物指向の教育情報メディア「ACTIVE!」と社会・経済ニュースメディア「キッズノミクス」では、「好奇心を刺激する学び」をテーマに記事の配信に取り組んでいます。
今回は両メディアの共同企画「大学の経済・経営学部を探検!」と題した特集記事をお届けします。

今回のインタビューでは、龍谷大学経済学部の上山美香先生にお話を伺いました。
龍谷大学の経済学部は、実践的な力を身につけるために、理論を学ぶ一方で、現地を訪れて学ぶフィールドワークへの取り組みも重視しています。テーマの範囲も広く、興味のある分野を学生が深く学ぶことができます。途上国の研究や地域企業との連携、入学時から継続的な少人数教育が特徴です。特に1年生の少人数授業には、教員と1年生の間に立ち、1年生を支援する上級生「ピア・サポーター」が配置され、学年を越えた学生の学び合いを重視した独自の教育を展開しています。
上山先生の授業への取り組みや、学生たちがどのように社会で活躍できる力を身につけていくのかなどもを伺いました。
これから経済学を学びたいと考えている方や、お子さまの大学選びを考えている保護者の皆さんにとっても、興味深い内容となっています。

インタビューにご協力いただいた先生

上山 美香 先生


龍谷大学
経済学部 准教授

専門は開発経済学で、途上国における多面的な貧困と経済発展、教育、健康といった人的資本の関係性に関する実証研究を進める。
また、ジェンダーと開発に関して、性別分業やジェンダー格差の地域比較にも取り組む。

上山先生龍谷大学経済学部の強みの一つとして、京都の老舗とのコラボレーションがあります。「京都老舗の会」と協力して、現地の企業と連携しながら学生たちが実際にフィールドワークを行っています。
2024年度は、江戸時代から続く創業約300年の菓子司「鍵善良房」さまを取り上げてプロジェクト活動をしています。

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2024年5月末、経済学部編著の『ツカキグループ: 「三宝よし」の近江商人』が新評論から出版されます。京都・室町のファッション商社であるツカキグループは、1867年の創業以来、「三方よし」(本書では「三宝よ...

上山先生はい。2023年度は「柊屋旅館」さまとのプロジェクトがありました。学生たちはフィールドワークを通じてインタビューを行ったり、講演に参加したりしています。そして、その成果をまとめた本も出版しているのですよ。毎年、そのような取り組みを一つずつ積み重ねています。

上山先生本当にそのとおりです。レポートや卒論だと大学内だけで終わってしまいますが、本にすることで世の中に自分たちの成果を出すことができます。やっぱりそれが社会との接点になるし、気合いの入り方も全然違いますね。ただ、これに参加するのは少人数の意欲的な学生のみで、途中でくじけてしまうこともあります。文章の校閲なんかも厳しくて、全て直されてしまうこともあってね(笑)。

上山先生ええ、その通りです。最近は「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」としても活用されています。京都の老舗や観光産業について取り上げて、本として形にするというのは他の大学にはない独自の取り組みだと思います。それを推進できるのも、さまざまな現場に精通している先生がいるからこそなのですよ。

上山先生例えば、2024年度に出版された本は、2022年度に取材を行ってから、原稿の執筆や打合せ、校正などを含めると約2年程度要しています。実際には老舗の方々とのインタビューをまとめたり、講演内容を書き下ろしたりして、学生と教員が一緒になって作り上げています。今、作っている次の本は、さらに学生目線を強化していて、内容も充実してきています。

地域産業の活性化プロジェクトという観点から、京都府や老舗の方々と協力して毎年違う業種に焦点を当てています。行政と老舗、そして大学が一緒に手を組むことで、本当に意義深い取り組みが実現できています。

上山先生ありがとうございます。もっと多くの人に知ってもらいたいので、ぜひ宣伝してほしいですね(笑)。

上山先生学部生が自分たちで編集して本を出すというのは、本当に珍しいと思いますし、達成感はすごいですよ。卒業論文が冊子になるよりも、ずっと充実感があるようですね。

少人数であっても、こうして関わっていく学生たちが、少しずつでも成長して、いろんな分野で活躍してくれたらいいなと思っています。今後は、さらにプロジェクト型学習(PBL)を強化していきたいと考えています。

上山先生そうですね。学生たちには少なくとも一つは記憶に残る授業や活動を体験してもらいたい。それが、後に何かのきっかけになればと思います。

上山先生そうであれば嬉しいです。もちろん大教室での講義も大事ですが、やはり実際に形として残る何かを作り出す機会をたくさん提供していくことが、これからの課題でもありますね。

龍谷大学経済学部

上山 美香 先生 インタビュー

※第4部はこども経済メディア キッズノミクス に掲載しています。

インタビューにご協力いただいた大学のご紹介

龍谷大学

612-8577 京都市伏見区深草塚本町67

龍谷大学は、創立380年以上の歴史を誇る、日本で最も伝統的な大学の一つです。仏教精神を基盤とした「共生の理念」を重視し、幅広い学問領域で実践的な教育を提供しています。
経済学部では、現代経済や国際経済、開発経済を深く学ぶことができ、社会問題の理解と解決を目指す幅広いプログラムを用意しています。少人数教育を取り入れ、学生一人ひとりの主体的な学びを支援し、理論と実践を結びつけた教育が特徴です。また、地域社会との連携やフィールドワークを通じて、現場での経験を大切にしながら学ぶことができます。

創業100年以上の企業で構成される 「京都老舗の会」と380年を超える歴史を紡ぐ龍谷大学の共同プロジェクト
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-14839.html

京都府および府の「京の老舗」制度で顕彰された創業100年以上企業をメンバーとする「京都老舗の会」と、京の地で400年の歴史を紡ぐ龍谷大学の共同プロジェクト第1弾
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-14845.html