企業の危機「人手不足倒産」とは?
コロナウィルスの感染拡大で経済が悪化しましたが、少しずつ日本の経済も復活してきています。ですが、今度は働く人が足りない「人手不足」が大きな問題になっています。
日本の会社の情報を集める帝国データバンクが調査した結果、2023年上半期には「人手不足倒産」というのが累計110件も起きたことがわかりました。去年2022年の同じ時期より1.8倍も多いのです。2013年からはじまったこの調査で、初めて半年で100件以上が起きています。
特に問題なのは「従業員退職型」の倒産です。これは従業員(働く人)がやめてしまって、代わりの人がみつからないことから会社がうまく商売を続けられなくなったということ。2023年上半期には33件もありました。これは前年と比べて1.3倍も増えています。このままペースが続けば、今までの最多記録(71件)をこえる可能性も高いです。
この「従業員退職型」が原因の業種で一番多いのは「建設業」で、前年の3倍もの45件でした。建設現場で働く人や必要な資格を持っている人が足りなくて、建設がうまくいかなくなるのです。他にも「サービス業」「運輸・通信業」「製造業」「小売業」でも人手不足で倒産が増えています。
人が足りないと会社はうまく商売ができないから、人を雇わないといけません。ですが、どこの会社も人手不足。
これからは働く人の取り合いになると予想されていて、会社は働く人たちの給料を上げざるをえません。給料が増えるのはいいことですが、あまりかせいでいない会社は給料を増やすともうけが減ってしまいます。
中小企業はこういった理由で、人を確保しにくいので、人手不足で倒産する可能性が高いと言われています。
日本の企業の99.7%は中小企業です。中小企業がたくさんつぶれてしまうと、日本の景気が悪化してしまいます。働く人口が減っていく中で、働く人にたくさん給料を払える会社しか生き残れない時代になりつつあります…。