賃金アップでついにストライキが終わった!ボーイングを待つ苦しい現実
アメリカ ボーイング労組 ストライキ終結へ “賃上げ4年間で38%”などを柱とした会社からの新提案 可決で | NHK | アメリカ
【NHK】アメリカの航空機メーカー「ボーイング」の労働組合は4日、組合員による投票の結果、4年間で38%の賃上げなどを柱とした会社…
飛行機を作る会社であるボーイングで、賃金をもっと上げてほしいと従業員たちがストライキをしました。
このストライキは約50日間続きましたが、新しい提案が賛成多数で可決され、ついに9月末から始まったストライキは終わりました。
なぜストライキが起きた?
アメリカの大手飛行機メーカー「ボーイング」の働く人たちは、賃金を上げたり、働く環境をよくしたりすることを求めて2024年9月からストライキを始めました。このストライキにはワシントン州の工場で働くおよそ3万3000人の従業員が参加しました。彼らは16年ぶりにストライキという手段を使って、自分たちの声を会社に届けようとしたのです。
労働組合は会社からの最初の提案を2度も拒否しましたが、先月末に新しい提案が出されました。働く人たちはこの提案を投票で決め、59%の賛成票を得て、ついに可決しました。この決定により、9月から続いていたストライキが終わり、働く人たちは順番に仕事に戻ることが決まりました。
ストライキについては、キッズノミクスでも2度ほど記事を書いています。
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ボーイングの経営難とストライキの影響
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新しい提案の内容
新しい提案には、4年間で賃金を38%上げることが含まれていました。また、合意した働く人にはボーナスとして1万2000ドル(日本円で約180万円)が支払われることも決まりました。この条件により、多くの従業員が会社との合意に応じたのです。
さらに、ストライキを終わらせたことでボーイングは生産を再開できるようになりましたが、元の生産量に戻るには時間がかかると考えられています。ボーイングは現在、製品の品質を上げたり、生産体制を立て直したりといった課題に直面していて、しばらくは厳しい状況が続く見込みです。
ストライキの影響と今後
今回のストライキでボーイングは、本当はかせぐことができるはずだった1日あたり約1億ドル(約150億円)を失ったとされています。また、賃上げによる人件費の増加やボーナスの支払いにより、合計で14億ドル(約2100億円)以上のコストがかかる可能性があると言われています。これにより、会社の経営には引き続き大きな挑戦が待ち受けています。
また、ボーイングは2024年10月28日に新しい株式を発行して、総額190億ドル(約2兆9000億円)を調達することを発表しました。これは、ストライキが長引いて飛行機の生産が遅れてしまったため、財務状況を立て直すためのものです。この増資はとても大きなもので、会社の経営を支えるための大きな取り組みです。
未来に向けたボーイングの課題
ボーイングは、ストライキが終わって生産再開に向けて動き出しましたが、財務状況の悪化も大きな課題となっています。
1月に起きた飛行機の窓部分の事故を受けて、品質の改善が必要とされているほか、経営を立て直すための資金調達も重要です。ケリー・オルトバーグCEOは「ボーイングを象徴的な企業に戻すためにはまだ多くの仕事が必要」と述べ、今後の課題に対して意欲を見せています。
まとめ
- ボーイングの働く人たちは賃金を上げるためにストライキを行い、16年ぶりのストライキが50日間続いた
- 新しい提案が可決され、賃金の増加やボーナスの支払いが決まった
- ストライキによる影響で生産は落ち込み、元に戻るには時間がかかる見込み
- ボーイングは財務状況を改善するために、新しい株式を発行して約2兆9000億円を調達した
ストライキの間、会社は毎日多くの損失を出していましたが、それでも従業員たちは自分たちの求める条件を守るために行動を続けました。働くことやお金を稼ぐことには、どんな条件が大切なのか、そしてその条件を守るためにはどうすればよいのかを考えてみましょう。
例えば、「働く人が納得する条件で働けると、会社はもっと良いものを作ることができる」ということもありますね。みなさんなら、どのような環境で働くのが理想だと思いますか?
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記事作成者
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山口県防府市出身。大学卒業後に学習塾講師、パソコンインストラクター/営業を経て、外資系産業ガス企業に入社。以降、複数企業・複数業種の財務経理責任者・CFO歴任。こどもの金融リテラシー講座 CA$H! 講師/カリキュラム・テキスト作成。
「会計・IT・英語があればなんとかなる」がポリシー。nine inch nailsやMetal Coreを愛聴。
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