ノーベル経済学賞 アセモグル教授たちの本が急に売れる理由
ノーベル賞で「アセモグル」ブーム到来? 品切れ、重版…書店も期待 | 毎日新聞
2024年のノーベル経済学賞の受賞が決まった米マサチューセッツ工科大(MIT)のダロン・アセモグル教授らの著書が話題だ。一部の書店では売り切れとなった著作もあり、出版社は重版を決めた。受賞をきっかけにブーム到来となるか。
2024年、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)のダロン・アセモグル教授がノーベル経済学賞を受賞しました。この賞をきっかけに、彼の本が大人気になり、書店では売り切れになるほど話題になっています。この現象について、なぜ多くの人が本を買うのか、そして経済学の視点からどのように説明できるのかを考えてみましょう。
アセモグル教授の研究って?
アセモグル教授は、「どうして一部の国は豊かで、他の国は貧しいのか」という問題に答えようとしています。彼は、国が豊かになるかどうかは、その国のルールや仕組みに関係していると考えています。たとえば、みんなが自由に発言できる民主主義がある国では、より豊かになりやすいのです。一方で、国民の意見を無視したり、力を持った人たちがルールを作る国では、成長がうまくいかないことが多いことが分かりました。
「国家はなぜ衰退するのか」
アセモグル教授の代表作である『国家はなぜ衰退するのか』は、どうしてある国は成功し、ある国は失敗してしまうのかを説明した本です。この本では、歴史の中でたくさんの国がどのように変わってきたのかを例に挙げながら、ルールや仕組みがどれだけ大切かを教えてくれます。
受賞で本が大人気になる理由
アセモグル教授がノーベル賞を受賞したことで、多くの人が彼の本を買いたいと思うようになりました。この現象を経済学的に説明するには、バンドワゴン効果とロングテール理論を使うことができます。
- バンドワゴン効果:
多くの人が何かをしていると、それに影響されて他の人も同じ行動をとることです。例えば、友達や家族が「この本は面白いよ」と言ったり、SNSでその本が話題になると、自分も「読みたい」と感じることがあります。このようにして、最初は一部の人しか買わなかった本が、どんどん多くの人に広がっていきます。 - ロングテール理論:
通常、ニッチ(せまい分野)な本やあまり知られていない本は少ししか売れないことが多いですが、ノーベル賞のような大きな出来事があると、急に多くの人がその本に注目し、たくさん売れるようになります。普段は経済にあまり興味がない人でも、ニュースを見て「読んでみよう」と思うのです。
他にも、受賞をきっかけに本が急に売れた例はたくさんあります。たとえば、フランスの経済学者トーマス・ピケティが書いた『21世紀の資本』も、経済不平等について難しいことが書かれているのに、ノーベル賞に関するニュースがきっかけで大ヒットしました。このように、経済学の本が、注目されることで一気に売れることがあります。
また、カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞した際にも、彼の過去の作品が再度売れ始めるという現象が見られました。
まとめ
- 2024年10月、アセモグル教授がノーベル経済学賞を受賞
- アセモグル教授の本『国家はなぜ衰退するのか』が人気に
- バンドワゴン効果で、多くの人が話題になった本を購入
- ロングテール理論で、ニッチ(せまい分野)な本も受賞で広く読まれる
アセモグル教授のような研究者が書いた本は、難しい内容が多いかもしれません。ですが、教授の研究にあるように、あなたも自分の生活の中で「ルール」がどのように影響しているか考えてみましょう。学校のルールや家族の決まりごとが、どんな効果を生んでいるのでしょうか。
今回のノーベル賞受賞をきっかけに、本がたくさん売れたことはすごいことですね。でも、どうして本が売れるのかを考えると、面白いことが見えてきます。みんなが買っているからという理由で、私たちはそれに影響されることもあります。身近な商品でも、同じようなことが起こることがあるので、ぜひ気を付けてみてください。そして、次にお店で何かを買うとき、「どうしてこれが人気なのかな?」と考えてみると、もっと深く物事を見ることができるかもしれません。
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