ココイチの3,280円カレー:“体験価値”戦略

「味が値段に見合ってない」「さすがに高い」との声もあるが…。ココイチ「驚愕の3280円カレー」が示す“残酷な現実” | 外食 | 東洋経済オンライン

CoCo壱番屋に「3280円のカレー」があるらしい。メニューの名前は、「ホロ肉ドカンとガーリック&ペッパーカレー」いったい、どんなカレーなのだろう。ルーにこだわっているのか、高級食材を使ったトッピングが乗っ…

ココイチに「3,280円カレー」が登場し、SNSで話題になっています。普段は手軽な価格で楽しめるカレーが、なぜこの値段になったのか気になりますよね。背景には、原材料や人件費の高騰だけでなく、「体験価値」を重視する戦略があります。
ココイチの価格設定や、他チェーンとの比較や外食業界の動向を通じて、「高くても選ばれる理由」を考えてみましょう。

3,280円カレーの正体

メニュー概要

  • 商品名:ホロ肉ドカン ガーリック&ペッパーカレー
  • 特徴:ほろほろに煮込んだ豚肩ロース肉を「肉塊レベル1〜4」で量を選択
  • 価格:レベル4が3,280円(税込)
  • 味付け:フライドガーリックとペッパーが効いたスパイシーな風味

見た目のインパクトが強く、友達とのシェアやSNS投稿を楽しむ「イベント感覚」の一品です。

YouTube player
ココイチが目指す「高付加価値」戦略

原材料費・人件費の上昇
肉や野菜、スパイスの仕入れ価格が上がり、人件費も増加。多くの外食店が苦戦する中、ココイチは値上げと同時に魅力あるメニュー作りに力を入れました。

「厚利少売」モデルへの転換
少ないお客さんでも高い利益を確保する「厚利少売(少ない販売量で高い利益を得る戦略)」を実践。高価格メニューで利益率を上げ、店舗運営を安定化させる狙いです。厚利少売の反対は「薄利多売(薄い利益を多く販売する戦略)」)です。

他店との価格比較
店舗プレーン価格トッピング例合計価格
ココイチ646円ロースカツ928円
ゴーゴーカレーロースカツ(中)950円
松屋490円チキンカレー490円
吉野家465円465円
全国平均781円

プレーンは平均並みですが、トッピング次第で1,000円前後に。ココイチの3,280円カレーは他店にはない特別価格です。

価格以上の「体験価値」を提供する理由

カスタマイズによる楽しさ
辛さ、ライス量、トッピングを自由に選べるため、自分好みの一皿を作る楽しさがあります。

心地よい空間と接客
落ち着いた店内と丁寧なサービスが「第3の居場所」としての価値を生み出し、価格以上の満足感を提供します。

SNS映え&話題性
限定メニューや見た目のインパクトが話題を呼び、ファン心理をくすぐります。

外食業界の最新トレンド

物価高や人手不足の影響で、多くの飲食店が値上げやメニュー見直しを図っています。例えばラーメンチェーン「天下一品」でも価格改定や一部店舗の再編が進行中です。外食業界は「安さ」から「価値提供」への転換期にあります。

まとめ
  • ココイチ3,280円カレーは、特別な「体験」を売る高付加価値戦略の象徴
  • 背景には原材料費・人件費の高騰という社会的要因がある
  • 価格比較では平均以上だが、カスタマイズ性で差別化
  • 消費者は「食事以上の体験」に価値を感じる傾向が強い
  • 業界全体が「価値提供モデル」へシフト中


あなたなら、どんな「体験」を売るお店を作りますか?身近な商品の価格に注目し、その裏側にある戦略を考えてみましょう。経済を学ぶことで、将来のビジネスアイデアに役立つ発見があるかもしれません。まずは次の食事で「なぜこの値段?」と問いかけてみてください。