レジも店員もいらない!?ドン・キホーテの無人店舗が登場

ドン・キホーテ初の無人店舗、ウオークスルー決済の「キャンパスドンキ」開業の狙い | 日経クロステック(xTECH)

 ドン・キホーテは2025年7月1日、大阪電気通信大学の構内に商品バーコードのスキャンなどが不要なウオークスルー型の無人店舗「キャンパスドンキ大阪電通大店」をオープンした。ドン・キホーテ初の無人店舗だ。約85%の省人化を見込む。

レジに並ばず、店員とも話さず、そのまま商品を持って店を出る。そんな買い物が、いよいよ日本でも本格的に始まりました。
2025年7月、ドン・キホーテは大阪電気通信大学の構内に、同社初となる完全無人店舗「キャンパスドンキ大阪電通大店」を開業しました。AIやセンサーを活用し、バーコードのスキャンすら不要な「ウオークスルー決済」を導入しています。
この取り組みは、単なる新しい店舗の話ではありません。人手不足が深刻化する日本社会、変わりつつある働き方、そして私たちの消費行動そのものと深く関わっています。
無人店舗は、なぜ今必要とされているのでしょうか。そして、この変化は私たちの生活や仕事に何をもたらすのでしょうか。

大学構内に誕生した「キャンパスドンキ」

「キャンパスドンキ大阪電通大店」は、2025年7月1日に大阪電気通信大学の構内に開業しました。ドン・キホーテとしては初の無人店舗で、店舗運営の約85%を省人化できるとされています。

店舗で扱う商品は約450種類。おにぎりや弁当、飲み物、お菓子、文房具など、学生や教職員が日常的に利用しやすいものが中心です。立地を大学構内に限定した点も特徴で、利用者層を絞ることで、無人運営の実証を進めやすくしています。

この店舗は「実験的な未来店舗」であると同時に、今後の小売業の方向性を探る場でもあります。

レジが消える仕組み

買い物の流れは、従来の店舗とは大きく異なります。入店時にLINEミニアプリで表示されるQRコードをかざすと、利用者が識別されます。店内ではAIカメラが人の動きを認識し、棚には重量センサーが設置されています。
どの商品を誰が手に取り、戻したかをAIが判断し、購入した商品だけが自動で記録されます。買い物が終われば、レジ操作は不要で、そのまま退店します。決済は登録した方法で自動的に行われます。

この仕組みにより、レジ待ち時間はゼロになります。これは利便性の向上だけでなく、店舗運営の在り方そのものを変える技術です。

なぜ今、無人店舗なのか:人手不足とコスト

無人店舗が注目される最大の理由は、日本の人手不足です。少子高齢化により、働く世代は年々減少しています。小売業では特に、長時間営業や深夜帯の人材確保が課題となってきました。
無人店舗では、レジ業務や常時接客が不要になります。その結果、人件費を抑えながら営業を続けることが可能です。人件費は店舗運営コストの大きな割合を占めるため、この削減効果は経営に直結します。

実際、同じ流れは他社にも広がっています。ローソンはKDDIと連携し、AIやロボットを活用した次世代店舗の実証を進めています。また、セブン‐イレブンも無人レジの導入を全国で拡大しています。無人化は一部の企業の挑戦ではなく、小売業全体の流れになりつつあります。

無人化が生む新しい役割

無人店舗と聞くと、「仕事がなくなるのでは」と不安を感じる人も少なくありません。しかし、実際には仕事の内容が変わる側面が大きいと言えます。レジ対応や一部の接客業務は減少しますが、商品補充、清掃、機器の点検、トラブル対応などは人の手が必要です。さらに、AIやセンサーを支える側の仕事が増えています。
具体的には、システム運用、カメラやセンサーの設置と保守、データ分析、アプリ開発、カスタマーサポートなどです。これらは、テクノロジーを理解し活用できる人材が求められる分野です。
無人化は「仕事が消える現象」ではなく、「仕事の中身が変わる現象」と捉える方が現実に近いと言えるでしょう。

まとめ
  • ドン・キホーテは2025年7月に初の無人店舗を開業
  • AIカメラとセンサーによりレジ不要の買い物を実現
  • 人手不足と人件費高騰への対応策として注目されている
  • 無人化により店舗運営の効率が大きく向上
  • レジ業務は減るが新しい技術関連の仕事は増えている

無人店舗の広がりは、買い物の便利さだけでなく、社会の仕組みがどう変わっているかを教えてくれます。「人がやっていた仕事を機械が担うとき、人は何をするようになるのか」。この問いは、将来の進路や仕事を考えるうえで重要です。
身近なお店を観察すると、セルフレジやアプリ決済など、すでに変化は始まっています。その背景には、人手不足、コスト、技術の進化といった経済の動きがあります。
次にお店を利用するとき、「なぜこの仕組みになっているのか」「この変化で得をするのは誰か」を考えてみてください。そこから、社会や経済を読み解く力が自然と身についていくはずです。