大阪:高校授業料の無料で私立高校を選ぶ家庭が増えた理由

公立希望が7割切った大阪 無償化で変わる「十五の春」 6年入試では70校で定員割れ - 産経ニュース

今年度から高校授業料の完全無償化を始めた大阪府。今年11月末に行われた中学3年生を対象とした第1回の進路希望調査で公立希望者は69・81%にとどまった。第1回…

今年から授業料が無料になった大阪府の高校教育ですが、進学希望を調べた結果、「公立高校」を望む生徒の割合が7割を切り、「私立高校」を選ぶ家庭が増えていることが分かりました。この変化の背景には無償化の影響だけでなく、さまざまな理由があります。私立高校人気の要因と、他の地域の動きについても見ていきましょう。

なぜ私立高校が人気なの?

授業料が無料になった影響
大阪府では、公私どちらの高校も授業料が無償化されました。これにより、私立高校を含む多くの選択肢が生まれ、人気が高まっています。私立高校は進学実績や特色ある教育プログラムを提供しており、保護者や生徒にとって魅力的な選択肢となっています。

早い入試日程
私立高校の入試は公立高校より1か月ほど早く行われます。早く進路を決めたい家庭にとって、私立高校は魅力的な選択肢です。

公立高校の魅力低下
一部の公立高校では、部活動や授業内容が以前よりも魅力的でなくなったと言われています。これが私立高校を選ぶ理由の一つです。

地域ごとの違い
例えば奈良県では授業料の無償化が進んでおらず、大阪府内の私立高校を選ぶ生徒が減っています。このように、地域ごとの政策が学校選びに影響しています。

公立と私立の高校、学費の違い

文部科学省の調査では、以下のような学費の違いがあります:

  • 公立高校
    • 授業料:約12万円
    • その他の費用(教科書、制服、修学旅行など):約10~20万円
    • 合計:約22~32万円
  • 私立高校
    • 授業料:約44万円
    • その他の費用(教科書、制服、修学旅行、施設費など):約53万円
    • 合計:約97万円

無償化によって私立高校の授業料負担は軽くなりましたが、その他の費用は引き続き家庭の負担となります。

小中学校の学費はどうなっている?

高校だけでなく、小中学校でも公立と私立で大きな学費の差があります。以下は文部科学省「子供の学習費調査」に基づく年間学費の概算です。

小学校

  • 公立
    • 授業料:0円
    • その他の費用(給食費、学外活動費など):約32万円
    • 合計:約32万円
  • 私立
    • 授業料:約80~100万円
    • その他の費用(教科書、制服、施設費など):約59~79万円
    • 合計:約159万円

その差は少なくとも1年で130万円くらいはあります。

中学校

  • 公立
    • 授業料:0円
    • その他の費用(給食費、学外活動費など):約49万円
    • 合計:約49万円
  • 私立
    • 授業料:約100~120万円
    • その他の費用(教科書、制服、施設費など):約41~61万円
    • 合計:約141万円

その差は少なくとも100万円くらいはあります。

私立校では教育内容の充実や施設費が、学費に反映されています。そのため、公立校よりもいろいろな費用が高くなるのです。

高校無償化が進む理由

教育格差を減らす
高校無償化は、どんな家庭でもこどもを進学させられるようにするための政策です。経済的な理由で進学を諦める生徒を減らすことが目的です。

高校進学率を高める
高校進学率をさらに向上させるための施策です。無償化によって、より多くの生徒が高校に進学できると期待されています。

より良い教育で世界へ
良い教育を受けた人が増えれば、日本全体の力が強くなります。高校無償化は教育の機会を広げ、日本の未来に貢献すると考えられています。

費用の問題
小中学校の私立校無償化が進まないのは、学費が高額で多くの予算が必要だからです。そのため、まずは高校から無償化が進められています。

他の地域の動き

大阪以外でも、高校授業料の無償化が進んでいます。東京都では2024年度から所得制限をなくし、都内在住の高校生を対象に授業料を無料にする計画があります。

学校選びで大事なこと

授業料が無料でも、制服代や修学旅行費用などの負担は残ります。これらを含めた「トータルコスト」を考えた学校選びが重要です。

まとめ
  • 大阪では高校の授業料無償化で、私立高校が注目されている
  • 私立高校は進学実績や特別な教育内容が魅力
  • 小中学校でも公立と私立で学費に大きな差がある
  • 学校を選ぶときは「トータルコスト」をよく考えることが大切

高校の授業料が無料になったことで、私立高校を選ぶ家庭が増えています。なぜ私立高校を選ぶ人が多いのか、自分だったらどちらを選びたいか、理由を考えてみましょう。
学校を選ぶときには、自分の目標や希望に合う学校を見つけることが大切ではないでしょうか。そのために、学校の特徴を調べたり、オープンキャンパスに参加したりして、どんな環境が自分に合うのかを具体的に考えることが役立ちますよ。

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