カンドゥーで感動体験!値上げしてもお客さんが増えた理由
イオン買収のテーマパークが奇跡の復活…「値上げ」したのに客増加 | Business Insider Japan
値上げはしたいけれど客が離れるのではないか…いま多くのテーマパークが直面しているのが価格の問題です。お仕事体験のテーマパークでも、根強い慎重論があったもの値上げを断行し結果的には大きな成果を得ました。現場の意思決定を取材しました。
カンドゥーという、千葉県千葉市にある仕事体験テーマパークがあります。
カンドゥーは、値上げをしたにもかかわらず来場者数を増やすことができたのです。他のテーマパークが値上げに慎重な中、なぜカンドゥーは成功したのでしょうか?
カンドゥーとは?
「カンドゥー」はこどもたちがいろいろな仕事を体験できるテーマパークで、イオンが運営しています。
2013年に幕張新都心に1号店をオープンしましたが、しばらく赤字経営が続き、一度は事業終了の危機に陥りました。その後、イオンモールキッズドリームが事業を引き継ぎましたが、コロナの影響で来場者が減り、存続が危ぶまれました。
2023年にカンドゥーは思い切って「値上げ」を行い、料金プランを改定して来場者により良い体験を提供する工夫を取り入れました。
値上げによるサービスの改善
カンドゥーが料金を上げる際、助言を求めたのはレジャー予約サイト「アソビュー」でした。アソビューはコロナ禍中、観光施設のデジタル化をサポートしており、その経験を活かしてカンドゥーにもアドバイスしました。
カンドゥーでは、平日料金と混雑時期の料金に加え、「ミドルシーズン」と「スーパーハイシーズン」という新しい料金区分を導入しました。ミドルシーズンは通常の混雑時より少し高く、スーパーハイシーズンはさらに高い設定となっています。
例えば、スーパーハイシーズンには子どもの入場料が10%以上、大人の料金が25%値上げされました。その結果、混雑が減り、サービスの質が向上し、来場者の満足度が高まりました。
行列の価値:行動経済学の観点から
「行列はメディアでも注目される。並ぶことは価値があると感じる部分があった」(末松氏)
「行列ができることが人気の証拠」という考えには、行動経済学の「社会的証明」という理論が関係しています。社会的証明とは、人が他の人の行動を見て、自分も同じ行動を取ることです。
例えば、他の人が並んでいるのを見ると、自分もそれが良いものだと感じて並びたくなることです。テーマパークに行列があると、それを見た人は「ここは人気がある」と感じます。
行列はそのテーマパークの価値や楽しさを証明するものであり、他のお客さんも「行ってみたい」と思います。カンドゥーもこの「行列効果」を活用し、来場者の期待を高めることに成功しました。ただし、行列を作るだけでなく、値上げにより体験の質を向上させ、お客さんの満足度を高めることが重要でした。
他のテーマパークの値上げ状況
東京ディズニーランド
2023年10月から、東京ディズニーランド(TDL)はチケット価格を最大1,500円値上げし、7,900円から10,900円の6段階設定に変更しました。この背景には、売上回復、新エリア投資、混雑緩和などが挙げられます。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)も2023年8月から1デイ・スタジオ・パスの価格を10,400円に引き上げ、2024年4月には10,900円に設定しました。夏休みなどの混雑時に適用され、値上げの理由には新アトラクション導入やスタッフの労働環境改善が含まれます。
これらの値上げは、施設の維持管理費、新しい体験の提供、混雑緩和、サービス向上を目的としています。
値上げしてもお客さんが離れない秘訣と戦略
1. 体験の価値を高める
値上げだけでなく、その価格に見合った体験を提供することが重要です。カンドゥーでは、料金を上げて混雑を減らし、より良いサービスを提供しました。体験の質が上がれば、お客さんは満足し、また来たいと思います。
2. サービスの差別化
他のテーマパークと異なるサービスを提供し、値上げの影響を軽減します。カンドゥーでは、子どもが仕事を体験できる特別なコンセプトを提供し、他にはない体験でお客さんの満足度を高めました。
3. 混雑を減らして快適さを提供
値上げによって混雑を減らし、来場者に快適な環境を提供します。カンドゥーでは、料金を上げることで来場者がストレスなく楽しめるようにし、満足度を向上させました。
4. 値上げの理由をしっかり伝える
値上げ時には、その理由をお客さんに伝えることが大切です。カンドゥーでは、値上げによるサービス向上や快適な環境を強調し、お客さんに理解してもらうことで、値上げ後も離れないようにしました。
値上げと満足度の関係
「値上げをするとお客さんが減るのでは?」という不安は常にあります。
しかし、カンドゥーではあえて高い料金を設定することで、来場者数を調整し、混雑を減らしました。これにより、お客さんはより快適にテーマパークを楽しむことができ、体験の質が向上しました。
また、料金の見直しによってスタッフの働きやすさも改善され、結果的にサービス全体の質も向上しました。
まとめ
- カンドゥーは入場料を値上げしたが、来場者数は増えた
- 値上げによって混雑が減り、サービスの質が向上
- 新しい料金プランを導入し、シーズンごとに柔軟に対応
- 行動経済学の「社会的証明」により、行列が人気を証明する要素になった
値上げが成功するのは、お客さんの体験向上に工夫があったためです。みなさんも、身近な商品やサービスが値上げされたとき、その理由や効果を考えてみましょう。
値段が高くなることが必ずしも悪いことではないかもしれません。どんな場合に「値上げ」が良い影響を与えるのか、家族と話し合ってみてくださいね。
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