社会も経済も「金」次第?2024年の漢字
毎年、その年を表す「今年の漢字」が発表されます。2024年には、約22万2000票の応募の中から「金」が選ばれました。この漢字が選ばれたのは5回目で、過去には東京オリンピックが開催された2021年にも選ばれています。
今年の漢字「金」が選ばれた理由
「金」が選ばれた理由は、大きく2つあります。一つは、日本選手がオリンピックやパラリンピックで「金」メダルをたくさん取ったことや、大谷翔平選手の活躍が挙げられます。
もう一つは、政治の「金」問題や、強盗事件での「金」目当ての犯罪など、暗いニュースも多かったことです。
このように、「金」は明るいニュースと暗いニュースの両方を象徴する漢字として選ばれました。
今年の漢字「金」とその歴史
その年の世相を漢字一文字で表す「今年の漢字」が12日に発表され、30回目となる今年は「金」に決まりました。「金」はこれまで、2000年、2012年、2016年、2021年でも選ばれており、今回で5回目の選出となります。
「今年の漢字」は、はがきやウェブサイトを通じた公募で決まり、12月12日の「漢字の日」に一年を振り返り、漢字一字に込められた深い意味を考える機会として始まりました。
2000年~2023年の「今年の漢字」一覧
過去の漢字と出来事、経済に関する出来事も振り返ってみましょう。みなさんが生まれた年の漢字や出来事はなんだったでしょうか。
2023年 「税」
増税議論、インボイス制度、新NISAなど税関連の話題が続く。
経済関連:消費税増税の議論が進み、インボイス制度が導入される。
2022年 「戦」
ロシアのウクライナ侵攻、円安、物価高、スポーツでの挑戦。
経済関連:ウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格高騰で物価上昇。
2021年 「金」
東京オリンピックでの金メダル、大谷翔平選手の活躍。
経済関連:コロナ禍からの経済回復、株価の上昇。
2020年 「密」
新型コロナウイルスによる「3密」の回避。
経済関連:コロナ禍で経済活動が停止、GDPの大幅な減少。
2019年 「令」
新元号「令和」に改元。
経済関連:消費税率が8%から10%に引き上げられる。
2018年 「災」
西日本豪雨、北海道胆振東部地震、台風被害。
経済関連:自然災害による経済損失が増大。
2017年 「北」
北朝鮮のミサイル問題、九州北部豪雨。
経済関連:北朝鮮リスクが高まり安全保障関連予算が拡大。
2016年 「金」
リオ五輪での金メダル、マイナス金利導入。
経済関連:日本銀行がマイナス金利政策を導入。
2015年 「安」
安全保障関連法案の審議、世界のテロ問題。
経済関連:中国経済の減速による株式市場の不安定化。
2014年 「税」
消費税率の引き上げ。
経済関連:消費税が5%から8%に引き上げられる。
2013年 「輪」
東京五輪開催決定、人々のつながり。
経済関連:アベノミクスによる株価上昇と円安進行。
2012年 「金」
天文現象や金メダル、新500円硬貨。
経済関連:新500円硬貨の発行、金価格の上昇。
2011年 「絆」
東日本大震災、人と人との絆の再確認。
経済関連:東日本大震災による復興予算の増加。
2010年 「暑」
観測史上最高の猛暑、チリ鉱山事故救出。
経済関連:猛暑による農産物価格の上昇。
2009年 「新」
新型インフルエンザ、民主党政権誕生。
経済関連:リーマンショック後の経済回復が始まる。
2008年 「変」
世界金融危機、リーマンショック。
経済関連:リーマンショックによる世界的な経済危機。
2007年 「偽」
偽装問題や食品の偽装。
経済関連:年金記録問題や不正融資スキャンダル。
2006年 「命」
悠仁親王の誕生、いじめ問題の深刻化。
経済関連:経済格差問題が拡大。
2005年 「愛」
「愛・地球博」、紀宮様の結婚。
経済関連:愛知万博による地域経済の活性化。
2004年 「災」
新潟中越地震、台風被害。
経済関連:災害復興関連予算の増加。
2003年 「虎」
阪神タイガース優勝、イラク派遣問題。
経済関連:円高が進行し輸出企業に影響。
2002年 「帰」
拉致被害者の帰国、日本経済の回復。
経済関連:バブル崩壊後の経済が緩やかに回復。
2001年 「戦」
米国同時多発テロ、対テロ戦争。
経済関連:テロの影響で株価が急落。
2000年 「金」
シドニー五輪、二千円札の発行。
経済関連:二千円札が新たに発行される。
2024年の金融と経済の出来事
2024年は、日本の金融と経済に大きな動きがありました。主な出来事を5つ紹介します。
- 日銀の利上げ
- 長く続いた低金利政策が一部変更され、住宅ローンの金利が上がりました。
- 春闘で賃上げ
- 物価が上がる中で、企業が賃金を引き上げました。
- 株価の高値更新
- 日本の株式市場で日経平均株価が大きく上昇しました。
- 貿易赤字の拡大
- 輸入品の値段が上がり、貿易赤字が増えました。
- 物価上昇と節約の流行
- 生活用品の値段が上がり、節約を意識する人が増えました。
2024年の経済を象徴する漢字
2024年の経済を表す漢字として、次の4つを考えてみました。
- 改(かい): 金融政策の変更や住宅ローン金利の上昇など、新しい経済の流れを表す。
- 賃(ちん): 賃上げによる家計改善や労働市場の変化を象徴。
- 赤(せき): 貿易赤字の拡大や、エネルギー価格の影響を反映。
- 節(せつ): 物価上昇に伴う節約志向の広がりや消費行動の変化を表現。
まとめ
- 2024年の「今年の漢字」は「金」
- 「金」は明るいニュース(オリンピックや賃上げ)と暗いニュース(政治の金問題や物価上昇)の両方を象徴
- 日本経済では、利上げによる住宅ローン金利の上昇、物価上昇と節約志向の流行、貿易赤字の拡大が注目された
あなたなら2024年を表す漢字にどんな文字を選びますか?自分の1年を表す漢字でも良いでしょう。
1年間を振り返り、あなたの「漢字1文字」を家族で発表するのもおもしろいのではないでしょうか。
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